中国へ強硬一辺倒では、なんとかのひとつ覚え

私はなんの権限も与えられていないひとりの自由な人間です。そんな私は、自分の考えと違うことには違うという態度で臨みます。

その結果、好ましからざることになっても、仕方がないと考えます。私が不利益を被ることもときには起こります。

一国を預かる大統領や総理大臣には、その自由さがありません。特に、外交の分野では、多方面に影響が及ぶので、軽々しいことは努めて控えてもらわなければなりません。

それでも、一国を預かる人間が自分の意志を通すというのであれば、それによって生じることを自分の力で解決できると確信できる場合に限って、最小限に貫くことができます。

しかしこれを外交面で実行するには、相当の胆力と、それ相当のいろいろな意味での力が必要です。

それを今天下に示しているのが米国のドナルド・トランプ大統領(1946~)です。トランプ氏の考えひとつで、世界にはさざ波が立ちます。それでも、自分を信じ、米国のことを考えてその道を選んでいるのです。

総理大臣になったばかりの高市早苗氏(1961~)は、トランプ氏と同じ胆力や覚悟、力を持つのですか? 自信を持って持つと答えるのであれば、隣国の大国、中国へも強い態度で臨まれるのも良いでしょう。

しかし、それが行きすぎると、すでに書いたように、国と国との関係になり、中国は世界の政治や経済に多大な影響を持つ大国ですので、ただ事ではないことになります。

先週金曜日(7日)に始まったばかりの衆議院予算委員会で、高市総理から示された中国に対する対応を巡る発言が、日中間に亀裂を起こしています。

【異例】“午前3時の勉強会”で予算委員会へ 高市首相、就任後初の野党と“本格論戦”

中国が一番神経を尖らす台湾問題を取り上げ、いざとなったら日本が中国へ対抗せざるを得ないとの見解を述べました。中国側にしてみれば、一番日本政府に踏み込んで欲しくない問題でしょう。

高市氏の発言に対し、中国の薛剣駐大阪総領事(1968~)がすぐさま反応し、ネットのSNS Xに「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬のちゅうちょもなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」と投稿したことが大きな波紋となっています。

薛総領事の投稿が眉をひそめされるものであるのは間違いありません。もう少し言葉の使い方を考えてもらいたいと思います。しかし、この怒りを引きおこしたのが、高市総理の軽はずみな答弁であったことも押さえておくべきです。

高市氏は故安倍晋三氏(19542022)の後継者であることを意識するため、強面の保守政治家であろうとしたがるところがあります。

思えば、安倍氏も首相時代、内政に国民の批判が向かうと、中国や北朝鮮に強い態度を見せ、自分に向かう批判をかわそうとしました。

安倍氏をすぐ近くで見ていた高市氏も、知らぬ間に安倍氏の影響を受け、中国に強い態度でいることが、安倍氏を慕った人からの受けが良いとの計算を持つのでしょう。

頭が筋肉でできているような層への受け狙いだけで国の運営をされたのでは堪ったものではありません。

今回の騒動について問われたトランプ大統領が、高市総理に助け船を出すかと思ったら、まったく出しません。このことから、トランプ氏が中国の習近平国家主席(1953~)との関係を悪くしたくないことが見て取れます。

トランプ氏ほどの胆力と力を持てば、大国の中国を相手に、持論を通すこともできるでしょう。しかし、その必要を感じなければ、関係を悪くしようとはしません。

本出来事の前に、トランプ大統領は、自分が大統領任期中には、和イワン有事が起きない(起こさせない)と言明しています。

このあたりのあんばいが、トランプ氏にはできるということです。それが、高市氏にはまだできていません。まだ総理になったばかりですから、それを望むのは酷といえましょうか。

高市首相、トランプ大統領にはしごを外される❗️

高市総理には、この国に暮らす1億人以上の日本人に責任を持つ立場であることを自覚して欲しいです。毎晩眠る前には、我が国に暮らす人々のために自分が何をできるか真剣に考えることをしてください。

国と国を対立させることは多方面に大きな影響を及ぼすので、一番に避けてください。

これが、今回の高市氏発言が巻き起こした問題に対する、なんの権限も与えれない自由な立場の私からのお願いです。