今は、「現代のコメ騒動」に象徴されるように、物の価格が軒並み上昇傾向にあります。
そんな折、あなたが賃貸住宅に住んでいるとして、その家賃を、今すぐ今の2.6倍に値上げするといわれたらどうしますか? そんなことが現実に起きた物件があります。
昨日の朝日新聞が、そんな事例のひとつを紹介しました。
そのマンションは、東京板橋区にあり、築40年超の7階建て賃貸マンションです。
記事の冒頭に登場する50代男性がいつからこのマンションで暮らしているか、また、男性の部屋が何階にあるかは記事には書かれていません。
「異変」が起きるまで、男性が住む部屋の家賃は1カ月7万2500円でした。
この男性の郵便受けに、今年の1月下旬、一枚の紙が入れられます。紙には、次のようなことが書かれています。
今年の8月分から家賃を19万円に値上げする
家賃が7万2500円から19万円です。
それを知った男性はどんな心理状態になったでしょう。松本清張(1909~1992)がこれを小説の一場面として描写したら、次のようになるかもしれません。
男の顔からは急激に血の気が失せた。眼は焦点を失い、目の前にある物も、それが何かわからない。紙を持つ男の手は硬くこわばり、小刻みに震えている。
理由は次のように書かれています。
公共料金をはじめ、諸物価の常用に伴い、費用が増加したため
このような一方的な「通知書」が郵便受けに入っていた数日後、今度は、マンションの所有者が変更したことを知らせる封書が届きます。
この男性と同じ「通知書」は、マンションに入居している全住民に届き、いずれも、それまでの家賃の約2~3倍にあたる19万円に値上げするとありました。
マンションの新しいオーナーになった会社の登記簿を見ると、代表者の名が中国人らしい氏名で、住所は中国遼寧省でした。
この、家賃の超大幅な値上げに加え、マンション住民を「苦しめる」事態が発生します。エレベーターが突然、使用停止されたのです。停止した理由は、エレベーターの部品が破損し、電気系統に不具合が見つかったからというものです。
不信を持ったマンションの住民が、エレベーターメーカーの担当者に直接問い合わせます。今年2月下旬に行った点検では、不具合は見つからなかったとの回答でした。
エレベーターが動かなくても、1階はもちろん、2階ぐらいであれば、なんとかなります。しかし、もしも7階に部屋がある人には、大変な負担です。
事実、7階に暮らすひとりに70代後半の女性がいます。どこかへ出かけるたびに、7階までの階段を上り下りするのはさぞかし大変でしょう。
ここまでこの記事を読んでいて思い出す事例があります。あれは確か、大坂の通天閣が見える位置にあるマンションで起きた事例です。
そのマンションでも、同じように家賃が突然急激に値上げされ、そのマンションに住んでいた住民が困り、多くの住民がそのマンションを去ったといった内容であったと思います。
住民が去ったたというのがポイントです。マンション家賃の値上げは、それまでの住民をそのマンションから去らせるためにされたということです。
その時も、マンションのオーナーは中国系であったと記憶します。
マンションのオーナーは、マンションに人が住んでくれてはじめて利益になります。その住民を追い出してどうするのかと思うでしょう。
住民を押し出して空いた部屋を、民泊として活用しようというのが彼らの目論見です。
今回報じられたマンションでも、今年3月中旬頃から、大きなキャリーケースを引くアジア系の人間がマンションを出入りするのをマンションの住民が目撃しています。
家賃の大幅な値上げを一方的に決められた住民の一部は、そのマンションから「脱出」し始めているのでしょう。住民がいなくなった部屋を、早速、民泊に活用していることが疑われます。
本騒動を朝日がデジタル版で報じると、直後の今月10日、停止していたエレベーターが約1カ月ぶりに使えるようになります。
また、その翌日11日には、家賃値上げを取り消すことを知らせる文書が届きます。その理由が「慎重に再検討を重ねた結果」です。人を馬鹿にするのもいい加減にして欲しいです。
1月下旬に、一方的に超大幅の値上げを知らされた住民の転居が相次ぎ、転居予定を含めると、4割超が希望しない転居やその予定を立てたことになります。
それが今になって、値上げはやめます。こちらの検討不足でしたといわれても、取り返しがつきません。すでにマンションを離れた人は、時間を元に戻すことができません。
記事には専門家の話も載っています。同様のビジネスが中国では盛んに行われており、それをそのまま、日本で展開しているのではと見ています。であれば、この手の悪徳ビジネスがこれ以上広がらないよう、政府には早急な法的対応が求められます。
国内の高級リゾート地が外国資本に買い取られているというニュースも耳にします。その多くが中国系ということでした。
あとになって、あのときにきちんと対策していれば良かった、では遅いです。
政治と行政には期待できません。しかし、それ以外に、住民である国民が期待するしかないところを持たないというのがやりきれないところです。
