首都圏で相次いでいる強盗および強盗殺人事件は「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が関わっているとして、警察が摘発しているとの報道が続きます。
本日も、新聞各紙が報じています。
その中で、日経新聞は次の見出しで一連の事件を伝えています。
14ある事件のうち、神奈川県横浜市青葉区で起きた事件では、現金約20万円を奪っただけでなく、住人の男性を殺害しています。
その事件に関った容疑で、千葉県在住の22歳の男が逮捕され、送検されました。
記事によれば、逮捕された容疑者は、警察の取り調べに次のように答えています。
犯行役は自分を含め3人。運転して、現場近くまで行った。
これが事実であれば、逮捕された22歳の男は、犯行現場まで、車の運転役を務めたことになります。
22歳の男の逮捕については、本日の朝日新聞も次の見出しで記事にしています。
先月末に東京・有明で催されたデモと集会を利用し、参加者を募るため、トクリュウがお金を払って人を集めていたことがわかりました。
その勧誘をネットのSNSで知った若者のうち、トクリュウと接触した人は、トクリュウに個人情報を渡してしまったことになります。
本コーナーでは、社会のいたるところに「落とし穴」があり、そこへ落ちるようなことになれば、アリジゴクの巣に落ちたアリのような運命をたどることになりかねないと書きました。
その懸念が、現実の事象として現れました。
横浜で起きた強盗殺人事件に加担させられた22歳の容疑者は、犯罪グループに自分の個人情報を渡したことで、途中で自分が犯行に加わってしまっていることに気づいたものの、個人情報が犯行の指示役に知られていたのと、家族に危害が及ぶことを恐れて断れなかったそうです。
この容疑者のような運命をたどる可能性があるのが、デモと集会にお金につられて行き、そこで1万円を受け取った代わりに、相手方に写真を撮られ、おそらくは個人情報を知らせてしまった人です。
お金を渡した相手は、犯行グループのトクリュウで可能性が高いからです。
22歳の容疑者は週6日ほどのペースで、塗装の仕事をしていたそうです。家族のひとりは、男が逮捕されたことに次のように話しています。
まだ信じられない。優しい子だった。
容疑者が結果的に犯行に加わるきっかけとなったのは、ネットのSNSにあった「ホワイト案件」という投稿に応募してしまったことです。
男は税金の滞納が数十万円あり、短期間で稼げるアルバイトを探していたと供述しているそうです。
彼と同じような運命をたどる者はほかにも数多くいると思われます。
犯行グループは「甘い餌」で犯行予備軍を得るための「罠」を仕掛けます。それは、アリジゴクが巣の底で、アリが転落するのを待ち構えているようなものです。
犯行グループが一番悪いのはもちろんです。しかし、餌に釣られてそれに近づくと、とんでもない地獄が待ち構えています。
デモと集会にお金目的で近づき、そこで個人情報を流出させてしまった人は、なんとか、悪者の「巣」が逃げ延びて欲しいと願わずにいられません。
