ザンパノとジェルソミーナの切ない物語

私には、毎日同じような時間に同じことをする傾向があります。夕方近くなると、レコーダーに録画してあるテレビ番組を見ます。

私が今録画するのは、古い映画や古いテレビドラマの『名探偵ポワロ』『シャーロック・ホームズの冒険』です。NHKで昔に制作された『新日本紀行』や『NHK特集』も録画します。

これらを録っては見ることをするため、ストックがなくなることが起きます。そんなときは、繰り返し見るために、レコーダーに保存したままの映画やドラマを見ます。

こんな理由で、古い映画を見ました。今回は米国の映画ではなくイタリアの映画です。

見たのは、フェデリコ・フェリーニ監督(19201993)の代表作『道』1954)です。本作が製作されたのは1954年ですから、フェリーニが34歳のときの作品になります。

『バンド・ワゴン』で私が首ったけなのは?

やっぱり古い米国映画はいいですね。シリアスでなく、カラッと明るいのが私は好きです。

少し前、『花嫁の父』1950)を本コーナーで取り上げました。

これを監督したのはヴィンセント・ミネリ19031986)です。

ミネリが監督した『バンドワゴン』1953)を、レコーダーのハードディスクトライブ(HDD)に残してあるので、久しぶりに見ました。

フレッド・アステア18991987)が主演するミュージカル映画です。公開されたのは1953年で、その頃になると、いかに一世を風靡したとはいえ、アステアもやや落ち目となっていた(?)のでしょうか。

そんな現実のアステアをモチーフにして作られたのが本作です。

とにかく明るいアステアの演技やダンスと歌は見ているだけで楽しくなるのですが、今回久しぶりに見たら、ひとりの女優がとてもチャーミングに見え、彼女に首ったけとなりました。

子豚の「視線」の意味

映画やドラマを漠然と楽しんでいる人は、俳優がどのように演技し、監督やカメラマンが、何を意識して撮影しているかまでは考えたりしない(?)ものでしょうか。

私は古い米国映画が好きですが、いつもそれに注意して見ているわけではありません。しかし、いつもとは違う俳優の「視線」であることに気がつくと、なぜその視線を監督が採用したのかが気になります。

映画における俳優の「視線」については、先月25日の本コーナーで取り上げました。

注意して見れば気がつきますが、演技をする俳優は、たいていの場合、レンズを直視しません。レンズの直視は、映画やドラマを見る観客の眼を直視するのと同じことになります。

映画やドラマでその「視線」を採用すると、多くの場合は不自然になります。なぜなら、たいていの場合は、三人称的に撮影されているからです。

撮像管時代を感じさせるドラマ

現在は、誰もが手軽に動画の撮影ができるようになりました。

デジタルカメラには、レンズから入った光に感光し、像を定着させる撮像素子が搭載されています。

撮像素子が登場する以前は、撮像管が使われていました。

私は昔から映像に興味を持ち、そのときどきに発売される民生用の映像記録機器に興味を持ち、順繰りに使うことをしました。

8ミリ映画を楽しんだあとは、ビデオテープに映像を記録するビデオカメラで映像を撮影しました。

出はじめの頃のビデオカメラは、今からは想像できないほど大きな物でした。私が初めて使ったのは日本ビクターのビデオカメラですが、このカメラは映像を取り込むことができるだけで、映像を記録するビデオレコーダーが別に必要でした。

映画を見る愉しみは人それぞれ

本コーナーの前回の更新で、話のついでに、アルフレッド・ヒッチコック18991980)が監督した『見知らぬ乗客』1951)に触れました。

どんな作品でも、印象的なシーンがあります。そして、それが本筋から離れたことであれば、自分にとっての印象深い場面になります。『見知らぬ乗客』にもそんな場面があったことを思い出しました。

作品の中頃、モートン上院議員の家の応接間で、集まりが催されます。その上院議員を演じるのが、前回の更新で書いたように、レオ・G・キャロル18921972)という俳優です。

前回は『花嫁の父』1950)について書きました。その作品で、キャロルは結婚披露宴を取り仕切る業者の責任者を演じました。

花嫁の父はつらいよ

私は古い米国映画が好きで、それなりに見ているつもりです。それでも、まだまだ見たことがない面白い作品があることに気づかされました。

今週の木曜日(18日)に、NHK BSプレミアム「プレミアムシネマ」で、ある古い米国映画放送されるのを知りました。しかし、はじめはそれほど見たいと思いませんでした。

エリザベス・テイラー19322011)が出演していることがわかったからです。こんなことを書くとなんですが、私は彼女があまり好きではありません。彼女が出演した作品はあまり見ていないはずです。

そんなわけで、はじめは見るつもりがありませんでした。それでも、録画だけはしておきました。それを昨日、再生させ、とても面白い作品であることを知らされました。

私が見たのは、『花嫁の父』です。

公開されたのは1950年です。アルフレッド・ヒッチコック監督(18991980)の作品に『見知らぬ乗客』があります。ヒッチコックの作品は、『花嫁の父』の翌年に公開されています。

2003/06/21 『男たちの旅路』音声データ

本日は、ある事柄について考えていただきたいと思い、サンプルとしてひとつの音声データを用意してみました。

その番組が放送されたのがいつだったのかを本サイト内の「私のTV指定席」(現在このコーナーはありません)で確認したところ、5月31日でした。それはNHK衛星第2で放送されている「BS思い出館」という番組です。

この番組では、NHKが以前に放送した数々の名作ドラマからピックアップして放送しています。その回では、かつてNHKで放送された傑作ドラマのひとつ『男たちの旅路』でした。

放送当時、「土曜ドラマ」というドラマ放送枠があり、「土ドラ」の名称で親しまれていました。その枠で放送されて人気を博したのが『男たちの旅路』です。

脚本を担当されたのは、『岸辺のアルバム』1977)や『ふぞろいの林檎たち』19831997)などでもその名を知られる山田太一1934~)です。

井伏鱒二と開高健

若い世代を中心にテレビ離れがいわれています。

私は若い世代は昔に終わったからか、未だにテレビを見ることをしています。しかし、私が見るテレビ番組は、昔に作られた番組ばかりです。

本コーナーで取り上げる映画にしても、今上映されているような作品ではなく、昔に作られた作品ばかりです。

テレビ局が制作した番組にしても、作られたばかりのような番組はほとんど見ることがありません。こちらも昔に作られた番組を好んで見ます。

そんな昔に作られた番組を見ましたので、それについて書くことをしてみます。

それは「NHK特集」というドキュメンタリー番組で、その回のタイトルは「井伏鱒二の世界 『荻窪風土記』から」です。これが放送されたのは今週月曜日(8日)で、録画したのを昨日見ました。

作る楽しさを教えてくれる映画の一例

本ページの今月6日分の更新では、オードリー・ヘプバーン19291993)がスティーヴン・スピルバーグ監督(1946~)の作品『オールウェイズ』1989)に出演し、それがヘプバーンにとっての遺作となったことに触れました。

その中でも書いていますが、ヘプバーンといえば、先月27日にNHK BSプレミアム「プレミアムシネマ」で、彼女が出演した『シャレード』1963)が放送になり、私はそれを録画して見ました。

日本で公開されたのは、1963年暮れの正月映画としてであることがわかります。その翌年の秋にアジアで初となる東京五輪の開催が控えていた時期です。

その大会への期待が高まる中での上映であった(?)でしょうか。

本作を監督したスタンリー・ドーネン19242019)は、『北北西に進路を取れ』1959)のような作品を撮りたいと考え、本作で脚本も担当したピーター・ストーン19302003)が、マーク・ベームと書いた同名の小説の映画化権をとったそうです。

スピルバーグが夢を果たした作品

大型連休の最終盤となりましたが、この連休が始まる直前の先月27日、NHK BSプレミアム「プレミアムシネマ」である映画が放送されるのを知りました。

題名とだいたいの内容を知っていた映画ですが、録画してまで見るつもりはありませんでした。しかし、ネットの事典ウィキペディアで確認すると、オードリー・ヘプバーン19291993)の遺作であることがわかり、録画だけはしました。

スティーヴン・スピルバーグ1946~)が監督した『オールウェイズ』1989)という作品です。

Always – Trailer (HD/SD) (1989)