〇〇の樹をご存知ですか?

あなたは「オムの樹」を知っていますか? 知らなくて当然です。そんな樹は存在しないからです。私はてっきり本当にある樹かと勘違いし、ネットで検索しました。

この樹は、阿刀田高氏(1935~)のショートショート作品『あやかしの樹』の中にだけ存在します。

Amazonの電子書籍は今月22日までの期間、該当する書籍の定価30%分のポイントが還元されるキャンペーンを展開しています。私はそのことに先週気がつき、電子書籍をまとめ買いしました。

誰のどの作品が該当するのか調べるのを面倒に感じ、とりあえずといった感じで、村上春樹1949~)の作品を調べると、講談社から出ている彼の作品の多くがそれに該当することがわかりました。

そこで、まだ読んでいなかった作品を中心に、彼の作品を12冊購入しました。

読み始めたら止められない綺堂の『半七』物

食べ始めたら止められないというスナック菓子のコマーシャルがありました。小説にも同じように、読み始めたらやめられないシリーズ物があります。

私が今ハマっているのは、岡本綺堂18721939)が残した『半七捕物帳』シリーズです。

元来、私は時代物は苦手としていました。テレビや映画の時代劇も、見ることはほとんどありません。ですから長いこと、時代小説には縁を持たずに過ごしてまいりました。

転機は、2年ほど前だったと思いますが、何の気なしに、無料で読める綺堂の時代物に接したことです。そのとき読んだのは、『半七_』と同じ作りの『三浦老人昔話』シリーズです。

一話完結の謎解き物の時代小説で、すこぶる面白さに取りつかれた私は、綺堂の他の作品も読んでみたいと考え、綺堂作品242作品をひとまとめにした電子書籍版の全集を手に入れました。

昔々のインフルエンザ

昨日の本コーナーでは、お染(そめ)という名の娘が登場する悲恋話について書きました。

同じ名の「お染」が出てくる話を書きます。こちらも、岡本綺堂(1872~1939)の本にあった話で、短い随筆に出てきます。

今は、新コロの茶番劇が繰り広げられていますが、131年前の明治23年(1890)の冬に日本である病が流行り出した、と綺堂は書いています。

性にこだわりを持つ村上の短編集

ポイントが125(定価の20%)つくことに惹かれ、村上春樹1949~)の短編集『回転木馬のデッド・ヒート』1985)をAmazonの電子書籍版で読みました。文学作品を読む動機としては不純でしょう(?)か。

どんな短編集かは、読み始めるまで知りませんでした。

村上は、1979年に文芸雑誌の『群像』に応募した『風の歌を聴け』(1979)が群像新人文学賞を受賞し、それがきっかけで、作家デビューしています。

たしか、その年だったか、神宮球場の芝生の外野に寝転んで野球観戦しているとき、ふと、小説を書いてみようかと思い立った、と当時を振り返って書いたエッセイで読んだ記憶があります。

誰にとっても人生は成行です。そのときに村上が応募した作品が選ばれず、彼が別の人生を歩むことになっても、それが彼の人生です。小説を書くことばかりが人生ではありません。

子供の心のままに生きることの大切さ

義兄(2000年にくも膜下出血で亡くなった姉の夫)に以前から勧められている本があります。中勘助18851965)が書いた『銀の匙』(前編:1910|後編:1915)です。

義兄は、中勘助が自身の幼年と思春期の頃を思い出して書いた自伝小説のような作品で、そこで勘助が自分を「私」として書いた「私」が、私(本文章を書いている私です)と重なるところがある、と事あるごとに匂わします。

私もその小説があることは知っており、電子書籍版をAmazonの端末Kindleにダウンロードしてはあります。が、未だに腰を上げずにいました。

この、勘助の『銀の匙』を取り上げた本で、間接的に作品世界に触れました。

死因判定は厳密に

読み終えたばかりの小説に「偽石灰」という用語が出てきます。私は初めて目にした用語です。

その用語が出てくるのは、松本清張19091992)が月刊雑誌『文藝春秋』1970年1月号から翌1971年の3月号にかけて連載した長編小説『強き蟻』(1971)です。

例によってAmazon Kindleの電子書籍版で読みました。たまには清張の小説を読んでみようと思い、Amazonであたると、たまたま40%のポイントが還元されることを知り、早速読みました。

ほかに、清張の作品で、まだ読んだことがなかった『不安な演奏』(1972)も同様のポイントが還元されていたため購入し、今読んでいるところです。

ネットの事典ウィキペディアで『強き蟻』を引いてみると、ピカレスク小説に分類しています。悪者を主人公にした小説です。

宵の五つは今の何時?

「宵の五つ」。これは時刻のことですが、今の何時かわかりますか? 私はわかりませんでしたが、わかった今は「午後8時」と自信を持って答えられます。

これを教えてくれたのは、阿刀田高1935~)の本です。

阿刀田の『谷崎潤一郎を知っていますか 愛と美の巨人を読む』という本のサンプルを、Amazonの電子書籍版で読みました。サンプルですから、全部で13章あるうちの第1章「妖艶なデビュー」を読んだだけです。

本日の豆おまけ話
Amazonの電子書籍で、使っていなかったKindleの旧モデルを追加で使い出しました。遊ばせておくのがもったいなくなったもので。この端末の再利用開始後に初めて読んだのが阿刀田のサンプル本になります。

ここで取り上げられている作品は、谷崎潤一郎18861965)のデビュー作である『刺青』1910)と『お艶殺し』1915)です。

自分の適性を知るのは乱歩にも難しかった

『屋根裏の散歩者』1925)といえば江戸川乱歩18941965)の代表作の一つになりましょう。

乱歩は今でいう推理作家、乱歩が執筆していた頃は探偵小説作家といわれます。私もぼんやりとそんなイメージを長いこと持っていました。が、実は、乱歩自身は事件の謎を探偵が解いてみせるような作品を得意としていなかったのであろうことを知りました。

そうしたイメージを持つようになったのはつい最近のことです。昔にも乱歩作品は読み、乱歩を研究した類の本も読んでいます。それらを読むことで、変人の部分を持ち、自分にも似たところがあるため、勝手に親近感を持ったりもしましたが、創作にどのような苦しみを持っていたかというようなことは深く考えたことがありませんでした。

それを知るきっかけとなったのは、小学館から出ている『江戸川乱歩 電子全集 随筆・評論集』を読んだことによってです。これはAmazonの電子書籍版で出ていますが、定価に50%のポイントがつくキャンペーンがあったとき、全5集をまとめて購入しています。

清張の冷たい男と女の話

なんの知識も落たず、松本清張19091992)の『波の塔』上下2巻を、Amaonの電子書籍版で読みました。

これも、Amazonの電子書籍を扱うKindle本ストアの8周年記念を祝い、該当する電子書籍に50%のポイントがつくキャンペーン(5日で終了)時に購入したものです。

清張の作品ですからスイスイ読めてしまうわけですが、上巻を読んでも殺人事件は起きません。清張といえばそうした事件が起きるものと思っていたのです。結局、下巻を読んでもそれは起きずに終わりました。

清張としては珍しい、恋愛小説の形を採っています。女性向けの週刊誌『女性自身』に連載(1959年5月29日号~1960年6月15日号)する形を採ったため、女性の読者を意識したのでしょうか。

『キャッチャー』を論じる村上と柴田の翻訳夜話

村上春樹1949~)と翻訳仲間の柴田元幸氏(1954~)が、J・D・サリンジャー19192010)の『ライ麦畑でつかまえて / キャッチャー・イン・ザ・ライ』1951)について語り尽くす『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』2003)を読みましたので、それについて書いておきます。

それに続けて、村上の紀行文『ラオスにいったい何があるというんですか?』2015)も読み終えましたが、一時に2冊を取り上げるわけにもいきませんので、こちらは次回以降ということにしましょう。

いずれも、Amazonで電子書籍を扱うKindle本ストアができて8周年を記念し、対象となる電子書籍を購入すると、ポイントが50%もつくというキャンペーンを利用して購入したものです。

で、サリンジャーについて語り尽くした『翻訳夜話2 サリンジャー戦記』ですが、本コーナーでも取り上げた同じ村上と柴田氏が中心となる『翻訳夜話』2000)の続編という位置づけでしょう。