岸信介を取り巻く人々と因縁の深い町

安倍晋三元首相(19542022)が銃撃されて亡くなって以降、関係が深かった統一教会絡みで名前を聞くことが多くなったひとりに岸信介18961987)がいます。

昭和32年防衛庁記録

岸は安倍の母方の祖父にあたります。生前、安倍は、父方の祖父について語ることは多くなかったように思います。

それに比べ、岸については、機会があるごとに語り、岸への思い入れの強さを窺わせます。

岸には実弟の佐藤栄作19011975)がおり、岸信介と佐藤栄作、そして安倍晋三が三代に渡って日本の首相になっています。

佐藤栄作首相退任記者会見

事情をよく知る人には、岸と佐藤が実の兄弟なのに姓が違う理由がわかっているでしょうが、わからない人には、何となく変に感じたりするかもしれません。

私もそんなひとりでしたが、それなりの理由があるのだろう、と深く考えたことはありません。

それが今回、あることを自分なりに調べている過程で、その事情を知りました。

安倍元首相の献花台も不要

事件や事故が起こり、それがマスメディアに取り上げられるようなものであると、現場に献花台というものがしつらえられたりします。

このたびの安倍晋三元首相(1954~2022)銃殺現場にも献花台がしつらえられ、花を手向ける人が行列を作っています。

どんなに惨い死に方をされたのであっても、献花台で故人をしのぶのは意味がない、と私は考えます。これは今回の場合そう考えるというわけではなく、これまでに起きた事件事故の現場にしつらえられた献花台すべてに同じような考えを持っています。

私は一応は仏教徒(真言宗)ですが、宗教には関心を持ちません。人間が死んだあとに、仏教徒であれば浄土へいくという教えも、私には受け入れがたいです。

安倍氏が人の子なら、あなたも私も同じ人の子

昨日の午前11時半頃、奈良市内で自民党の候補の応援演説をしていた安倍晋三元首相(1954~2022)が銃撃を受け、当日午後5時頃に死亡する衝撃的な出来事がありました。

参議院選挙の最中だったこともあり、各党の代表は、「民主主義を暴力で否定する蛮行で、決して許すことはできない」とこぶしを振り上げる”ポーズ”をこれ見よがしに見せています。

普段はテレビニュースを見ることがない私ですが、昨日は、少々付き合いました。それを見ていて感じたのは虚しさです。

安倍氏が命を亡くされたのは哀しいことです。しかし、安倍氏でなくても、命を亡くした本人は、亡くなってしまったのですから、自分の死を哀しく感じることはありませんが、残された家族らは、同じような悲しみに襲われます。

一般の市民が亡くなって、民主主義がどうのといわれることはありません。人の死と民主主義は結びつきません。

バブル期の経済事件

誰もが自分だけの特徴を持つのだと思います。私の場合は、あることを始めると、しばらく、そればかり続けるのが自分の特徴だろう、と自覚しています。

今は、レコーダーに録画したテレビ番組の整理をすることが多いです。

私が使うレコーダーは、ハードディクドライブ(HDD)ブルーレイディスク(BD)DVDに録画し、再生できるプレーヤーが内蔵されたタイプです。

通常は、気になる番組をHDDに録画し、保存したい番組があれば、BDにダビングして残し、HDDからは消して領域を開けるようにします。

私はNHK BSプレミアムで放送される映画や海外ドラマを録画することが多いです。また、デジタルで修復された「新日本紀行」も、記録に残す意味合いで、放送されるたびに録画しています。

2003/08/11 社会派映画を堪能

私は甘い恋愛映画・ドラマはどうにも苦手です。その代わり、社会派映画・ドラマの類は好きです。昨日はそんな社会派映画を2本見てきました。

何の気なしに見つけた「社会派映画特集」というのがそれで、今、東京の東池袋にある新文芸坐で開催されています。

この期間(8月2日~8月22日)、上映作品は日替わりで、そのラインナップの豪華さにも目を奪われてしまいます。以下がその上映作品です。

乱歩の随筆に登場する読みにくい苗字

なかなか読めない苗字というのがあります。読むことはできても、それが正しい読み方かどうかわからない苗字もあります。

たとえば、「角田」という苗字です。これは何と読むのがよいのでしょう。「つのだ」か「かくた」か。あるいはもっと別の読み方もあり、どれもが正解かもしれません。

私はこのところ、江戸川乱歩18941965)の随筆を朗読し、自分の声を録音するのを楽しみとしています。

私はどんなことでも、面白みを感じると、飽きるまで続ける傾向を持ちます。

朗読の録音に使うのは、ZOOMのフィールドレコーダーのF2とF2に付属するラベリアマイク(ピンマイク)であったり、PCにインストールしてあるiZotopeのオーディオ編集ソフトのRX 9 Standardを使い、コンデンサーマイクのMXL-67Vで声を拾ったりします。

知らなかった作家のアムステルダム・ミステリー

前回の更新では、半世紀以上前、日本から遠く離れた異国で起きた日本人が被害者となる現実の事件を基に書かれた小説を取り上げました。松本清張19091992)の中編小説『アムステルダム運が殺人事件』1970)です。

その作品で清張は、未解決に終わった事件を自分なりに推理し、清張なりの犯人を読者に提示しています。現実に起きた事件を取り扱ってはいるものの、小説として書いたわけですから、清張の推理が真実と違っていても責任を問われることはありません。

未解決のままですから、真実と比較のしようがないですが。

この事件は、推理小説を書く作家の創作意欲を刺激したのでしょう。清張のほかにもこの事件を題材にした作品があることを知り、昨日、更新を終わったあと、ある作家の短編を読みました。菊村到19251999)という作家が書いた『運河が死を運ぶ』(1978)という作品です。

私は菊村をこれまで知りませんでした。ですから、この作家の作品に触れるのは今回が初めてです。

異国で胴体を晒された男の事件

前回の東京五輪の翌年、日本人が絡む事件が、日本から遠く離れたオランダのアムステルダム発のニュースとして報じられましたが、ご存知でしょうか。私はまったく知りませんで、松本清張19091992)の推理小説を読んで初めて知りました。

私は今、Amazonの電子書籍部門のサービス、Kindle Unlimitedが利用できる環境にあります。それを利用して今回は、清張の中編集『アムステルダム運が殺人事件』1970)を読みました。

Kindle Unlimitedというのは、月額980円収めることで、該当する本を追加料金なしで好きなだけ読めるサービスです。私は、10月半ばから来年4月半ばまでの期間、このサービスを利用できるため、該当する清張の作品を読んだというわけです。

本作は中編小説で、ほかに、『セント・アンドリュースの事件』が収められています。

清張が本作中に書いたことで知りましたが、エドガー・アラン・ポー18091849)の作品に『マリー・ロジェの謎』1842)があるそうです。これは、ニューヨークで現実に起きたメアリー・ロジャースという20代前半の女性が殺害された事件を、ポーが舞台をパリに移し、ポーが書いた当時は解決されていなかった事件を、ポーなりに推理する作品に仕立て上げたそうです。

清張はこの前例に倣い、アムステルダムの運河で発見された邦人のバラバラ死体を巡る事件の謎解きをする体裁を採っています。

村上が聴き取った事件の被害者の声に耳を澄ます

このところは、Amazonが安売りした時にまとめて買ってしまったため、村上春樹1949~)の作品にかかりきりの状態となっています。昨日は、村上が国内外の”辺境”と思われるところを旅行してまとめた『辺境・近境』1998)という本を読み終わりました。これもこれで面白く読みましたが、その前に、「地下鉄サリン事件」の被害者の声をまとめた『アンダーグラウンド』1997)についてまだ書いていませんでしたので、ここに書いておきます。

この事件が起きたのは1995年3月20日の通勤時間帯です。時期的にいえば、日本では年度替わりです。

ネットの事典「ウィキペディア」に上がっている村上の「年譜」で確認すると、事件が起きたとき、村上は日本にいなかったと思ってしまうでしょう。村上が5年ぶりに米国から日本に帰国するのは、同年の5月と書かれているからです。

しかし、まったくの偶然で、その時期、村上は日本に一時帰国していたのでした。所属していた米国の大学が春休みだったからのようで、2週間ほど日本に滞在していました。

村上は他の随筆や紀行文で書いていますが、昔から新聞は読まず、テレビは見ない生活を続けているそうです。そのため、大変な事件が起きたとき、神奈川県大磯の自宅で、いつもと変わらなく過ごしていました。

もしもテニスコートを見に行っていたら

村上春樹1949~)の作品を順繰りにAmazonの電子書籍版で読むことをしています。今度は『アンダーグラウンド』1997)を読み終えました。

これは、1995年3月20日の通勤時間帯、東京の地下鉄で宗教団体のオウム新真理教によって起こされた「地下鉄サリン事件」の被害者に、村上が直接面談して話を聴き、まとめた本です。村上としても、異色の作品といえましょう。

この作品を取り上げる前に、本日は、この事件にまつわるある出来事を書いた新聞のコラムがあったことを思い出しましたので、それを先に取り上げ、明日以降、村上の作品につなげていくことにします。

その新聞のコラムは、少し前に本コーナーで取り上げたばかりです。政治学者の原武史氏(1962~)が、毎週土曜日に、朝日新聞の土曜版で担当されている「歴史のダイヤグラム」に書かれたもののひとつです。

原氏はそのコラムの今年の3月20日分に、「千代田線とサリン事件」と題をつけたコラムを書いています。