「とんかち作業」を厭わない村上

本コーナーでは前回、村上春樹1949~)の『職業としての小説家』2015)を、Amazonの電子書籍版で読んだことを書きました。

その締めの部分に、村上がどのように小説を書いているのかを、書けることがあれば書く、と書きました。それをこれから書くことにします。

私はこれまで、村上の小説を、短編を含めれば、それなりの数を読んでました。そして、本コーナーで、読み終えた村上の小説について書きました。

それらの中にすでに書きましたが、村上は、書く前にプロットのようなものは作らず、いきなり書き始めるのではないか、と根拠のないまま書きました。

今回、村上がどのように小説を書くかについて書いた本書を読み、私の「読み」がそう外れてはいなかったことが確認できました。

村上に編集者は冷ややかだった?

村上春樹1949~)のエッセイ集『職業としての小説家』2015)を、Amazonの電子書籍版で読みました。本書は、2016年に文庫本として出版され、同年に電子書籍版でも出たそうです。

このようなエッセイ集は、多くが雑誌などに連載され、その後、一冊の本にまとめられたりするでしょう。

本書のあとがきで、村上がどのようにエッセイを書いたのかが書かれています。

村上は、自分が小説家として小説を書き続けている状況について、まとめて語っておきたいという考えを元々持ち、仕事の合間に、誰に頼まれたのでもなく、自発的に断片的に書き溜めたそうです。