神事が鍵となる清張作品

「和布刈」の読み方はわかりますが。読めて当たり前のいる人がいる一方、どう読むか分からない人がいるでしょう。私はなんとなく読めそうな気がしますが、自信はありません。

こんな質問から始めたことで、これから私が何について書こうとしているかわかった人もいるかもしれません。

「和布刈」は「めかり」と読みます。九州の玄関口、福岡県の門司(もじ)には、「和布刈神社」があります。この神社では、毎年、旧暦の元日未明に、「和布刈神事」が行われます。

福岡県に住む人はもちろんのこと、神事に関心を持つ人には、「和布刈」が身近に感じられるでしょう。また、これは俳句の季語にもなっているそうですから、俳句をたしなむ人も知っていると思います。

松本清張19091992)が書いた長編作品に『時間の習俗』1962)があり、これにこの神事が出てくることは知っていましたが、まだ読んだことがなかったため、読んでみました。