もしもテニスコートを見に行っていたら

村上春樹1949~)の作品を順繰りにAmazonの電子書籍版で読むことをしています。今度は『アンダーグラウンド』1997)を読み終えました。

これは、1995年3月20日の通勤時間帯、東京の地下鉄で宗教団体のオウム新真理教によって起こされた「地下鉄サリン事件」の被害者に、村上が直接面談して話を聴き、まとめた本です。村上としても、異色の作品といえましょう。

この作品を取り上げる前に、本日は、この事件にまつわるある出来事を書いた新聞のコラムがあったことを思い出しましたので、それを先に取り上げ、明日以降、村上の作品につなげていくことにします。

その新聞のコラムは、少し前に本コーナーで取り上げたばかりです。政治学者の原武史氏(1962~)が、毎週土曜日に、朝日新聞の土曜版で担当されている「歴史のダイヤグラム」に書かれたもののひとつです。

原氏はそのコラムの今年の3月20日分に、「千代田線とサリン事件」と題をつけたコラムを書いています。