穴倉のような書斎を志向した乱歩

人それぞれで、百人いれば百通りの生き方があります。

住まいひとつとっても、同じ家に住み続ける人がいるかと思えば、次々と住む家を替える人がいます。私は自分が生まれた家に住み続け、一度も住宅環境が替わったことがありません。

人生の折り返し点はとうに過ぎていますが、この先、もしも住む家が替わることがあるとすれば、それは、可能性が極めて低い、結婚を機に新居に移ることぐらいです。

今回は、私のような人間の対極となる人物の話をします。本コーナーにはすでに何度か登場している江戸川乱歩です。

私のように住居を一度も替えない人の割合がどの程度かわかりませんが、乱歩ほどの引っ越し魔も割合は極めて少ないと思われます。生涯に47度引っ越しをした乱歩です。

2000/07/18 ワープロ

現在のようなワードプロセッサー(ワープロ)ができる以前、日本人にとってアメリカ人などが使うタイプライターは憧れの的でした。私個人にとっても憧れで、あのようにパチパチと打つことで文章を書けたら、と思ったものです。

しかし、アルファベットと違って日本語はカナや漢字が入り交じっていることもあり、容易にタイプライターを作ることはできませんでした。それだから、日本人は、欧米人のタイピングを指をくわえて見ていることしかできなかったのでした。

しかし、ワープロの登場により、長年の夢が実現しました。これで日本人も、欧米人のように、タイピングで文字を入力できるようになったのです。それでも日本語自体が複雑であることには変わりなく、アルファベットで直接打ち込むわけにはいかず、ローマ字入力かな入力したのち変換しなければなりませんが。そうではあっても、とても大きな進歩です。