しっくりこない清張の『山峡の章』

このところは松本清張の作品を読むことが多く、気になる作品に出会うたび、本コーナーで取り上げています。

いずれも、Amazonの電子書籍で読んでいますが、おととい、昨日でまた一冊読み終えました。これも、Kindle Unlimitedの対象の一冊で、追加料金なしで読みました。

清張はデビューが遅かった作家ですが、その割には多くの作品を残しています。名が知られるようになってからは、同時並行でいくつもの作品を連載したりしたでしょう。

片手間仕事で執筆することはなかったと思いますが、これから紹介する作品は、やや粗い作品の印象を持ちました。

その作品は『山峡の章』という長編です。月刊誌の『主婦の友』に、1960年6月号から1961年12月号まで、一年半にわたって連載されています。当時の題は『氷の燈火』であったようです。