度肝を抜かれた熊澤被告の突然の保釈判断

今年の6月1日、東京都内の自宅で息子を36カ所以上刺して殺害した元農水次官の熊澤英昭被告に、今月16日、東京地方裁判所で判決がいい渡されました。

検察側は8年を求刑しましたが、裁判長は6年の収監をいいわたしました。

私は法律に疎いため、この判決をもって裁判は終了し、熊澤被告の判決が確定したものと考えました。

しかし、この事件と裁判には、誰も予想できなかったような展開が待っていたのでした。

熊澤被告は、事件を起こした当日、自ら警察に電話し、駆けつけた警察官に署へ連行されました。事件当日は日曜日で、自宅に隣接する小学校で運動会が行われていました。

その騒音に激高した息子の英一郎氏(44)を見て、この事件の前に川崎で起きた無差別殺傷事件が思い浮かび、自分の息子が同じような事件を起こしたら大変と考え、咄嗟に息子の命を奪った、と連行直後の容疑者は供述したらしく、マスメディアは当時はまだ容疑者だった被告のいい分をそのまま報じました。

この供述は、被告なりの計算によって述べられたのであろうことが、裁判の中で明らかになっています。