期待されるイメージのまま生きた高倉健

世の中には「夢を売る仕事」があります。映画俳優はその代表格といえましょう。その後に登場したテレビが国民の娯楽となり、映画は衰退しました。

今は、ネットの同共有サイトYouTubeが隆盛となり、映像表現が身近になりました。それに相対して、映画やテレビに出演する人が憧れの対象となる比率は低下しています。

これから書くことは、まだ何とか映画が、現実世界を離れた夢の空間と信じられていた半世紀ほど前の話です。

朝日新聞土曜版で映画監督の山田洋次1931~)が担当する「山田洋次 夢をつくる」というコラムがあることは本コーナーで何度となく書きました。山田はほかの執筆者と交代で、3回に1回の割合で担当します。

その27回目が今月16日にありました。その回に語られたのは、1977年に公開された『幸福の黄色いハンカチ』です。テレビで何度も放送されていますので、見たことのある人が多いでしょう。

大谷選手を巡る問題を時系列で見ると

ロサンゼルス・ドジャース大谷翔平選手(1994~)を巡る問題は収まる気配がありません。

本件を解く鍵が大谷選手の通訳を長年に渡って務め、公私とものサポートをした水原一平氏(1984~)にあると考える人が多くいるでしょう。

本件を早くから取材している米国のスポーツ専門局ESPNが、水原氏に電話取材し、水原氏の口から、彼が違法賭博で多額の借金を作り、それを大谷選手に肩代わりしてもらったと一度は述べているからです。

その翌日に水原氏は前日の発言を全面的に撤回しました。それが逆に水原氏への疑惑を強める結果を招いています。

水原氏の発言が真実であれ虚偽であれ、本件のキーマンが水原氏だとする向きが強くあります。

しかし、時系列で見ると、そうともいえなくなります。

大谷選手へ贈る「雄弁は銀」

英語に”Speech is silver, silence is golden”があります。翻訳すると「雄弁は銀、沈黙は金」です。時と場合に応じては、沈黙が雄弁に勝るということになります。

今、騒動の渦中にいるロサンゼルス・ドジャース大谷翔平選手(1994~)がこれを実践していますが、本件の場合は、それが今のところ金とはなっていません。

私は人間の心理に詳しいわけでも何でもありませんが、次のように考えます。

学校のクラスで、誰かの所持品が紛失する「事件」が起きたとします。クラスの中の誰かが、紛失した所持品を不正に入手したことになります。

けれど、不正に入手した人が名乗り出ず、所持品が持ち主に戻りません。

「事件」が解決しない中、クラスのひとりが「犯人」だという噂が流れます。

もしも、「犯人」だと噂されたのがあなたで、あなたが不正行為をしていない場合、どのような行為に出るか想像してみてください。