新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が続いています。目に見えない恐怖は、放射性物質の拡散と似ています。
今回のCOVID-19の厄介なところは、今のところの情報ですが、感染した人の80%程度の人の症状が軽症で、そのまま完治するらしいことです。そのため、厚生労働省は、17日、相談窓口への相談目安を以下のように定めたと発表しました。
- 風邪の症状や37.5度以上の発熱が4日以上続く人(解熱剤〔解熱薬〕を飲み続けなければならない人も同様)
- 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある人
例外として、重症化しやすい高齢者や、糖尿病などの持病のある人、妊婦、抗がん剤治療を受けている人などは、上のような症状が2日程度続いたら相談するようにしてほしいとしています。
ほかの疾患と違うところは、かかりつけの医院など、日頃利用している医療機関ではなく、各都道府県に設置した「帰国者・接触者相談センター」に相談することです。
感染している可能性のある人が、直接めいめいの医療機関で受診した場合、その過程で、ほかの健常者に感染を広げてしまう可能性があります。また、COVID-19に感染しているかどうか、対応できない医療機関もある(?)からでしょう。
厚労省が今週月曜日に発表した目安は、新聞やテレビで広く伝えられています。それを見ながら、不安に感じることもあります。
実際には感染していながら、症状が悪化せずに済んだ場合、本人は「ちょっと風邪気味だったのかな」と軽く考えてしまう可能性があることです。
ウイルスに感染した人が、それを気づかずに通勤通学に電車やバスを利用しますと、本人がまったく意識しないまま、他者への感染を広げしまっている可能性があります。
そんな人が家族と暮らしていれば、家族内感染も起こりかねません。通勤通学のときより、家族と一緒にいる時間が長いでしょうから。
通勤通学の時間がかち合う人で、それが大都市部に住む人であれば、否応なく、満員電車やバスを利用せざるを得ません。目に見えない感染が、じわじわと広がっている、と考えてもそれほど荒唐無稽とはいえない状況といえます。
自分の事をいっては何ですが、私はこの報道があって以降、電車やバスは一度も利用していません。移動するときは自転車か徒歩で、人が集まりそうなところへは一度も近づいていません。
ま、私の場合は、稀な部類に入りましょうか。常日頃がこんな生活形態とご理解くださいf(^_^)
このCOVID-19の発症が中国で確認された頃、日本国内の専門家とされた人は、極めて楽観的でした。それを報じた朝日新聞の記事を憶えていますが、そこには、「人から人への感染はない」といい切っていました。
そう断定した専門家に、現在のお考えを窺いたい気分です。
真実が明らかになった今から見れば、当時のマスメディアの報道こそが「フェイクニュース」の発信元であったことになります。
新聞やテレビの報道では、このCOVID-19による経済への影響を心配していました。それらを新聞で読みながら、人への健康よりも経済の心配をしているのか、と呆れたことを思い出します。
このウイルスの報道が始まった頃は、中国の春節の時期に重なったため、安倍晋三政権は、中国から日本へ観光で訪れる人々の入国制限をしませんでした。このことが、結果的には日本国内での感染拡大につながっています。
新聞やテレビは、感染予防として、手洗いとマスクの着用を訴えています。これらはしないよりしたほうがいいでしょう。が、気休め程度といえましょう。
途中でも書きましたが、通勤通学で毎日のように電車やバスを利用する人は、マスクは着用できても、通勤通学の途中で手を洗いは頻繁にはできないでしょうから。その間にも、つり革や手すりなどを介して指に付着したかもしれないウイルスを、目や鼻から自分の体内に取り込んでしまうかもしれません。
感染した人が近くにいて、その人が咳やくしゃみをすると、ウイルスが空気中に飛沫となって広がります。不織布マスクでは、空気中に漂うウイルスを完全に防ぐことはできないそうです。
だからといって、感染症内科の医師が使うようなN95マスクは、つけているだけで息苦しくなり、専門家でも長時間つけられないそうです。しかも、このマスクをしたら安全というわけではないそうです。
こうなりますと、人が集まるような場所にいる限り、感染の可能性は誰にもあるといわざるを得ない状況です。
このような事態を受け、3月1日に予定されている東京マラソンは、一般参加者の参加を認めない形に変更されました。それでも、レースそのものを中止しなければ、関心のある人は沿道に、電車やバスなどを利用して集まるでしょう。
その観戦をしたばかりに、ウイルスを感染させたり、ウイルスに感染させられたりする人が多く発生しないでしょうか。
同じような危険性は、来月下旬に始まるプロ野球の公式戦でもいえます。また、高校野球の選抜大会が1カ月後に始まる予定です。この大会には、例年、多くの観客が阪神甲子園球場に集まります。
出場する高校は、例年であれば、大量の応援団を送り、アルプススタンドで自校の応援を懸命にします。今年はわかりませんが、応援する人は、おそらくはマスクをしないでしょう。力を込めて応援すれば、口から飛沫の飛び散ることもあります。
あとになって、「あのとき応援に行ったがために感染し、家族の祖父母が、、、」といった悲劇が絶対起こらないとはいえません。
今日時点で、中国本土のCOVID-19による死者数が少なくとも2千人を超えたとのニュースがあります。
感染拡大が続きながら、的確な対応が採れていない日本から、世界に向けて同様の配信がされることも考えられないではありません。
先のことはわかりませんが、今の状況を見る限り、すぐに好転するとは思えません。
【本日の豆疑問】問題のクルーズ船の乗客のうち、症状がなく、検査で陰性の人を3日間かけて下船させると報じています。本日は、500人程度を下船させる予定のようです。
これは大きな勘違いをしているのでありませんか?
この14日間のうちに、ひとりも陽性の人が出なかったのならいいでしょう。実際にはその逆で、日に日に感染が見つかり、中国の武漢市より過酷な状況です。
ですから、現段階では陽性の結果でなくても、潜伏期間の人も少なくないのではありませんか? それだから、下船作業に携わる人が、万一のことを考えて防護服やマスクなどで厳重に防御しているのでしょう。
減したあとに彼らの乗るバスも、運転席と乗客の座席がある空間とはビニールなどで区切られていると聞きます。
それほどまで防御しなければならないような人たちを、バスが最寄りの鉄道の駅に着いたら降ろし、「あとは自由行動です」としてしまうのですか。駅や街中にいる人たちは、極めて強い不安を感じるに違いありません。
米国などは、クルーズ船の乗客をチャーター機で時刻に運んだあと、用心をして、14日間隔離するそうです。これが本来採られるべき対応です。
下船が許された500人ほどがすべて陽性だとは思いません。しかし、その中の数パーセントはその可能性があります。
厚労省の役人が中心となってこの対応を決めたのかわかりませんが、彼らキャリア官僚は、東大をはじめとする一流と信じ込まされている大学(※じつは「イエスマン養成所」)を出た優秀な人たちのはずです。そんな彼らの対応はあまりにも杜撰ではありませんか。
今回の措置が正しかったのか、発症者が増えたことで知るのは悲しすぎます。今回の対応の責任者の氏名を明らかにしてくれることを求めます。悪目立ちしている大坪寛子氏でしょうか。
それなのに、新聞やテレビは、未だに今年7月末に始める東京オリンピックに期待を抱かせるような報道を繰り広げています。
真実を伝えなければならない大手マスメディアは、スクラムを組んで大会のスポンサーとなっています。そのため、大会を盛り上げることだけに熱心です。おり、一蓮托生であることは理解しますが、COVID-19への大いなる懸念を薄める報道をすることは、先の大戦で大本営発表を繰り返した当時の新聞やラジオと同じです。
先の大戦では、戦況がいくら悪化しても、自国民には「勝っている」と当時の新聞やラジオが伝えたと聞きます。これが悪名高い大本営発表です。
戦後、この悪しき報道姿勢を報道機関は反省したはずなのに、いままた、開催が危ぶまれ始めたオリンピックに関する報道では、「開催できる!」「何が何でも開催しよう!」「大会を成功させよう!」と大本営発表めいた報道姿勢をとり続けています。
あの敗戦から、今年で75年です。日本の報道機関は、未だにその困った報道精神から抜けきれないのですか。
そのうちに、東京五輪を開催したいがために、「COVID-19なんて怖くない」といい出すかも(´・ω・`)?