栃木の少女監禁事件の報道が急に消滅

私はテレビのニュースはほとんど見ません。例外的に、本サイトの“天気コーナー”的「天気の話」を毎日更新するため、午後6時台の関東ローカルニュース「首都圏ネットワーク」を見るだけです。

民放のニュースやワイドショーの類いは、頼まれても見る気にはまったくなりません。

ですので、民放の主に夕方のニュースやワイドショーでどんな話題を取り上げているのかは、新聞のテレビ欄で確認できる範囲でしかわかりません。

私は毎日、早い夕食を摂りながら、それらを確認する習慣があります。そうすることを繰り返すことで、マスメディアがときどきの話題を恣意的に選んでいるのが見えてきます。

視聴者の食いつきが良いと判断できれば、その話題を長く引っ張ることもします。であれば、つい先頃発覚し、容疑者が逮捕された少女連続監禁事件などは、視聴者の関心度も高いでしょうから、ワイドショーは放っておかないはずですが、不自然に、取り扱わなくなりました。

今日の新聞のテレビ欄で確認する限り、民放のニュースやワイドショーでこの事件を取り上げる局はひとつも見当たりません。

家庭や学校に居場所をなくした少女が、ネットのSNSで助けを求め、それに応じた容疑者が自宅に誘い込み、監禁した事件です。

そのひとつは、栃木県内に住む伊藤仁士容疑者(35)が起こしています。伊藤容疑者が独りで暮らす家には、事件が発覚するきっかけとなった大阪市住吉区の少女(12)のほか、茨城の少女とは半年に渡る監禁状態が続いていたといわれ、その謎を深追いすれば、ワイドショーはいくらでも取り上げ続けることはできたはずです。

それなのに、不自然に思われるほど、パタリと取り上げられなくなりました。

その理由は、安倍晋三首相への忖度にほかなりません。

事件が発覚した当初、マスメディア各社は、勢い込んでこの事件に食いついたでしょう。ところが、伊藤容疑者の身辺を洗ううち、触れてはならないことに気づいて怖気づき、そそくさと引き揚げてしまったのです。

伊藤容疑者の親族が安倍一族に連なっていたからです。以下は、今発売中の『週刊新潮』の記事をもとに書いていくことにします。

本日の豆嘆き
いつからこうなったのか、新潮社は極めて右寄りの出版社ですね。『週刊新潮』をパラパラめくると、極右文化人のコラムが目につきます。百田尚樹氏に櫻井よしこですから、隠しようのない右傾化です。諸悪の根源、日本会議の親睦団体なのでしょうか。極右YouTuberのKAZUYA氏にまでコラムを書かせているのですから、逆の意味で腰が据わっています。右傾化が過ぎて『新潮45』が事実上廃刊になりましたが、まだ懲りないのでしょうか。

同誌の記事で、伊藤容疑者の父親の弟ですから容疑者の叔父にあたる人物が、自分の兄について次のような証言をしています。

仁士の父親は外科医をしていました。愛知医科大を卒業してからそのまま医科大で働いていたのではないかと思います。奥さんとは名古屋で出会ったと聞いています。結婚式は挙げず、お宮だけだったので馴れ初めはわかりません。

容疑者の叔父の証言は嘘でした。容疑者の父は上にある医科大には入学したものの、医師国家試験に受からず、医師にはなっていません。ですから、叔父の証言にある「仁士の父親は外科医をしていました」というのは真っ赤な嘘です。

この父親は、容疑者が5歳のときに亡くなっています。

これについても、叔父は次のように述べています。

仁士が5歳くらいだったと思いますが、彼の父親が運転するクルマで事故を起こし、病院に運ばれる前に亡くなってしまいました。

これも事実ではありません。

容疑者の父親は、できたばかりの愛知医科大におそらく父の援助で裏口入学しますが、学力が足りなかったのでしょう。1972年に入学し、卒業したのはなんと1985年ですから13年も在籍しています。それでいながら、医師にはなれなったのです。

卒業から3年後に亡くなっていますが、そのあたりを事情を知る元山口新聞東京支局長の人物が、次のように述べています。

医師国家試験になかなか受からず、色々あって自殺されたと聞いています。

自分が車を運転して自爆事故を起こした末の自殺であれば、叔父がいう、クルマの事故で死んだというのは嘘ではありませんが、単なる事故と自殺では意味合いがまるで違ってきます。

父が自殺するまで、伊藤容疑者の家族は東京・新宿で暮らしていたそうですが、自殺のあと、家族は、事件発覚まで容疑者が独りで暮らしていた栃木の家へ移り住んだようです。

伊藤容疑者の父親の父、つまり、容疑者の祖父にあたる伊藤五十男氏は、山口県の出身です。山口といえば、安倍晋三首相の選挙区があるところであり、首相の父・安倍晋太郎氏の出身地(今の長門市)です。

五十男氏は、山口の農協で働き、頭角を現して、トップの秘書をするまで昇進したそうです。この五十男氏に目を付けたのが、同郷出身の国会議員、安倍晋太郎氏陣営です。

安倍陣営には晋和会、晋友会、安倍晋太郎後援会の拠点があったそうですが、この中で最も集金力があった晋和会の秘書代表を、五十男氏に任せています。五十男氏は金儲けが上手で、金庫番には打ってつけと考えた結果でしょう。

この地位を利用し、五十男氏が、容疑者の父親にあたる息子を医師にしようと新設の医大に送り込んだものの、その夢が果たせず、逃げ場をなくした容疑者の父は、自分で自分の命を絶つ逃げに打って出たというわけらしいです。

このように、伊藤容疑者の親族が安倍一族につながることに気づき、マスメディアは触らぬ神に祟りなし、と幕引きを急いだのであろうということが見えてきます。

もしも、伊藤容疑者が一般市民であれば、今頃はSNSやネットの危険性を煽るような取り上げ方を得意になって続けていたでしょう。

安倍首相を囲む「桜を見る会」では、安倍首相の悪事が次々明らかになり、引くに引けない状況となっています。

これに慌てた安倍首相は、報道各社のキャップを食事に招待し、毎日新聞のキャップを除いて、その招待に応じたそうです。

安倍首相との会食を断らなかった朝日新聞は、「会食に参加しても記事の内容が変化することはありません」と強がりをいっているようですが、信用できませんね。

どうしても信用して欲しいなら、どこまでも安倍首相を追い込む報道に徹することですが、同グループのテレビ朝日も、伊藤容疑者の事件はワイドショーで急に取り上げなくなっていますよね。これはなぜでしょうか。

私は、安倍首相への忖度と受け取っているのですが、違いますでしょうか。

今の日本は、官僚・司法・警察を安倍政権が掌握し、独裁政治のようになっています。権力を監視する役目を持たされているはずのマスメディアまでが安倍政権に尻尾を振ってしまったら、取り返しがつかなくなります。

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