2010/07/23 『ライトスタッフ』スクリーン鑑賞

本日も、本コーナーは思いつきの独り語り「気まぐれトーク」の形式にて更新をしています。なお、トークは前日の夜に行っています。

本日分の内容につきましては、音声ファイルでご確認下さい。で、そうされない場合は、下にトークを要約して書き起こしていますので、それをお読みになって、トークのだいたいの流れをご想像下さい。

なお、音声ファイルはmp3方式にて紹介しています。再生箇所は前後に自由に移動させることができる、と思いますので、下の書き起こしで見当をつけ、聴いてみたい部分だけを“つまみ聴き”するようなこともできます。ご自由にお楽しみ下さい(^ー^)ノ

インディの鞭の気まぐれトーク-2010.7.22

トークを要約した書き起こし

今回も夜にトークをしている。明日(23日)は「大暑」。年によっては冷夏で、「大暑」らしくない涼しさになったりすることもあるが、今夏は文字通りの「大暑」となるだろう。今日も各地で気温が上がっている。

夜になっても気温が高いままで、東京では熱帯夜が8日続いているという。私個人の話で恐縮だが、熱い夏になることを見越したわけではないがf(^_^)、部屋にエアコンを入れたため、室内にいる限りは暑さが苦にならずに過ごせている。

でも、当たり前だが、部屋を一歩出れば暑い…(#+_+) 今日も「大暑」のような暑さとなった。そんな今日、私はまた映画を見に行った。「海の日」であった今週の月曜日(19日)にも映画を見ているので、1週間に2本見たことになる。

今回私が見たのは、1983年のアメリカ映画『ライトスタッフ』。私はこの作品が好きで、レーザーディスク(LD)でも持っていて、NHK衛星第2で放送になったときには録画してDVDメディアに保存することもしている。

私が所有する映画『ライトスタッフ』のLDジャケット(裏)
私が所有する映画『ライトスタッフ』のLDジャケット(裏)

また、ビル・コンティの音楽も素晴らしく、その年度のアカデミー賞で作曲賞を受賞している。NHK-FMのリクエスト番組「サンセットパーク」へリクエストし、かけてもらっている。

この作品は、昔に映画館の大きなスクリーンで一度見ただけで、そのあとはLDやビデオなどで愉しんできた。ストーリーはよく憶えてしまっているが、スケールの大きなこの作品は、スクリーンで見てこそと思っている。そんな矢先、久しぶりにスクリーンで見られる機会を得、足を運んだという次第。

この機会を与えてくれたのは、今年の2月に始まった企画「午前10時の映画祭」。この企画名からもわかるように、毎日午前10時から上映が始まる映画の祭り。映画の歴史に残るような50作品が選出され、それを1週間に1本ずつ、およそ1年かけて上映している。

映画祭に参加しているのは全国25の映画館。25箇所で一斉に同じ作品を上映するわけではなく、1本の上映フィルムを順繰りに回して上映するため、それぞれで異なる50分の1本の作品が毎週上映されていることになる。

「午前十時の映画祭 何度見てもすごい50本」上映作品一覧(2009年12月8日 産経新聞)

私が今日向かったのは、千葉県の市川にある「TOHOシネマズ 市川コルトンプラザ」というシネコン(シネマコンプレックス)。

この映画館へは今回初めて行った。σ(^_^)私は自他共に認める方向音痴のため、事前に地図で確認したりして行った。今回は駅に着く前、電車の中で隣りに座っていたおじさんに尋ねたりもした。

自分が初めて降りる駅に「この電車は止まるんでしょうかね?」というようなことを訊いたのだが、駅名を間違ってしまったため、おじさんに「う~ん、そういう駅は聞いたことがないなぁ」などといわれ、「ガチョ~ン…(゚Д゚;)!」と途方に暮れた。電車内にあった路線図で確認すると、駅名を間違えていたことがわかり、「その駅なら知っている」といわれた(^m^)

駅から出たあと、通りに面したコンビニの前で清掃していた店の人に行き方を確認し、方向音痴の私にしては珍しく、迷わずに辿り着けた。しかし、それから劇場に入るまでに手間取り、上映開始2分前に滑り込んだズサーc⌒っ゚Д゚)っ

というのも、教えてもらったルートが、地図にあったルートと違い、大型ショッピングセンターの反対側に着いてしまい、そこからシネコンがある場所まで移動するのに時間がかかってしまったというわけ。上映時間が迫り、途中で一度諦めかけたが、何とか間に合うことができた。

今日行った映画館は、できてどのくらい経つか知らないが、綺麗で見やすかった。全席指定で、空いている席から自分が希望する席を選べる。私は前の方の真ん中の席が好きで、今日もその席を選んだ。

しかし、今も書いたように、チケットを買った時点で係の人に「あと2分で始まります」といわれ、急いで館内に入った。館内は真っ暗で、上映が始まっていた。暗い中でやっと自分の席を見つけ、腰を下ろしてひと安心(^◇^;) 私はサンダルで行ったが、サンダルを脱いで素足を床につけると、ひんやりしていて気持ちが良かった。

肝心の映画『ライトスタッフ』の話だが、先の大戦が終わって少し経った1940年代後半のアメリカが舞台。そういえば、更新したばかりの“天気コーナー”にも書いたように、この時代は、今に比べて平均的に気温が低かったようで、東京の熱帯夜も、40年代10年間で80日ぐらいしかなかったそうだ。平均すれば1年に8日ほどになる。それに比べ、今は10年間で300日近くもある。室内の熱気や湿気を室外に追いやるエアコンの普及も、気温の上昇につながっているだろうか(´・ω・`)?

その時代、世界の政治地図は冷戦状態のアメリカとソ連を中心に回っていた。両国はさまざまな分野で競争をしていたが、宇宙への進出で先んじたのはソ連だった。ソ連がスプートニク1号という衛星の打ち上げに成功したとのニュースが飛び込み、アメリカ当局を大いに慌てさせた(「YouTube:Sputnik-1」)。

どんな分野でも一番でなければ気が済まないアメリカは、ソ連に負けじと宇宙ロケットの開発をしていく。その当時、アメリカの大統領をしていたのは、その後暗殺されるジョン・F・ケネディ。アメリカ国内にも問題を抱えていたが、国民の関心を内政から宇宙へ向けさせる意図もあっただろう。この宇宙計画に人一倍熱心だったのは、当時は副大統領で、ケネディのあとの大統領になるリンドン・ジョンソンだ(「YouTube:Lyndon B. Johnson – The accidental president」)。

それ以前、アメリカが力を注いでいたのは戦闘機戦闘機一覧)の開発であった。当時、人類はマッハ1の“音速の壁”を破った者はひとりもいなかった。そんな中、チャック・イェーガーが人類で初めて壁を突破した。

映画ではアメリカの威信を賭けたマーキュリー計画の宇宙飛行士に選ばれた「ライトスタッフ=正しい資質」を有する7人の姿が描かれるが、彼らの処世術に終始背を向けたのがイェーガーで、彼こそがこの作品の主人公である。

イェーガーと7人のライトスタッフ。それぞれに妻がいて、女性たちも男性陣に負けず劣らず、いろいろなタイプの女性が登場してくる。昨年の1月にNHK-FMの「サンセットパーク」宛てにリクエストしたときは、ライトスタッフでリーダー格の男の妻に注目した。彼女は控えめな女性だ。7人のライトスタッフの妻の中には、ミーハーな性格で、自分の夫が宇宙へ行って生還したのに、自分が思っていたような歓迎をされないと夫に当たったりする者もいる。これはこれで自分に正直で、憎めないが(^m^)

それと正反対なのがリーダー格の妻。彼女には吃音がある。それだからか、相手を思いやる気持ちが強く、夫を心から尊敬し、夫も妻を全力で守っている。

ライトスタッフのような生き方には背を向け、独りで戦闘機の操縦桿を握り続ける夫・イェーガーに寄り添う妻が魅力的だ。彼女は乗馬が好きで、砂漠のような荒野を馬で駆け回る。黒髪で、男に媚びたようなところがない。

夫に向かって、「あなたがもしも夢を追うことをやめたら、私は家を出て、二度と戻ってこないわ」といったりする。おそらくはひとりでも生きていけるだろうが、「飛行機なんて大嫌い!」といいつつ、イェーガーのそばを離れないところを見ると、イェーガーという男と彼の生き方に惚れているのだろう。妻を演じたのはバーバラ・ハーシーという女優だ(YouTube:Barbara Hershey as Anne Shirley)。

作品のラスト近く、当時のジョンソン副大統領の野心でヒューストンに宇宙開発の基地が作られる。ここはジョンソン副大統領の選挙地盤で、センターは「ジョンソン宇宙センター」と名づけられる。その新天地へ、ライトスタッフの面々が招かれ、地元の人々から大歓迎をされた、ように演出されていただけかもしれない。

歓迎式典が行われている頃、イェーガーはひとり、最新鋭のジェット戦闘機の操縦桿を握っていた。彼は、機首を天に向け、上へ上へと昇っていく。それはまるで、一人乗りの宇宙ロケットのように見える。

しかし、哀しいかな、技術の粋を集めた戦闘機でも、ロケットのように宇宙空間に飛び出すことはできない。“天上の悪魔”に遭遇したイェーガーの飛行機はきりもみ状態となり、地面へ落下していく。

ライトスタッフのひとりが、報道陣に「世界で最も“ライトスタッフ=正しい資質”を持つパイロットは誰か?」と尋ねられる。陽気な彼の眼が一瞬真剣になり、ひとりのパイロットの姿を思い浮かべる。彼の連想の先にいたのはイェーガーだろう。しかし、すぐにいつもの陽気で脳天気な彼に戻り、「世界一のライトスタッフ? 何をいっているんだ。君たちの前にいるじゃないか。σ(^_^)ボクさ」と答えて記者の笑いを誘う。

以上、本日は見てきたばかりの映画『ライトスタッフ』についておしゃべりをしてみた。ストーリーを憶えるくらい見た作品でも、劇場の大きなスクリーンで見ると格別。このあともこの“映画祭”が続くので、機会を見つけてまた出かけようと思っている。

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