私はZOOMの、性格が異なるICレコーダーを3台持ち、それぞれの用途に応じて使い分けています。
いずれにも共通するのは、32bit floatで録音できることです。もはや私は、この機能を持つレコーダー以外は使う気になりません。
この機能を持つZOOMのレコーダーの多くには、録音時に録音レベルを調節するようには作られていません。それを調節せずに録音し、録ったあとに、自分が望む再生レベルに調節するのが、この種のレコーダーを使って録った音声ファイルの使い方になります。
昨年の8月末に手に入れたZOOMのレコーダーとして、H1 XLRというハンディレコーダーがあります。

このレコーダーの特徴は、商品名からわかるように、XLRコネクタを持つマイクを接続して使うことができます。
私は、昔に購入して、今は使う用途がなかったMXLのV67というコンデンサーマイクを使ってみたいことで、H1 XLRを購入しました。

昔は、普通の人はマイクで声や音を録音するのは、特別なことだったでしょう。カメラがフィルムの時代は、子供の運動会のときだけ写真を撮るのに似た感覚です。
テープレコーダーで声や音の収録をするのは、フィルムカメラ以上に特別のことだったかもしれません。
ネットの時代になり、YouTubeのような動画共有サイトが登場し、一般の個人が作った動画が簡単にアップロードできるようになりました。その大きな変化により、映像とともに音声がぐんと身近なものになりました。
YouTubeに、配信者が登場する動画も多いです。それらの動画を見ると、多くのYouTuberは、無線式も含め、ラベリアマイクが多く使われています。
プルの映像制作の現場でも、出演者にラベリアマイクをつけて声を収録することが一般的になっていると聞きます。
使うカメラによって撮れた映像に差が生じるように、音声も、使うマイクの種類により、撮れた音声に差が生じるように感じます。
ラベリアマイクは手軽な分、より大きなマイクに比べて、音が若干劣るような気がしないでもありません。素人のくせに、生意気な書き方をして申し訳ありません。素人の感覚ということで許してください。
私は、ZOOMのハンディレコーダー、H1 XLRにV67というコンデンサーマイクをつけ、本コーナーを更新するたび、冒頭部分を音訳することをしています。
私は昔から、映像と共に、音声にも興味を持っています。昔は、テープレコーダーで同じようなことをしていました。
録音した自分の声を聴くのが苦手という人がいます。私は昔から自分の声を録音しては、それを聴くことをしてきたので、それへの抵抗はありません。
本コーナーの前々回の更新も、上に書いたセットで録音しました。録音してできた音声ファイルを下に埋め込んでおきます。
私は、音声編集ソフトにiZotopeのRX10 Standardを使います。これを使い、音訳した音声ファイルであれば、Loudness Controlのを使い、音声の再生レベルを変換するだけです。
音声編集ソフトは、バックのノイズを除去したり、声を聴き取りやすくする補正機能が多数搭載されています。しかし、私はそれらを使わず、Gainの調節だけをしています。
上に埋め込んだ音訳のファイルも、Gainの調節だけをしたものです。
上の音訳ファイルを録音する前、実は、ZOOMのフィールドレコーダー、F2と付属のラベリアマイクでも録音しています。

H1 XLRで録った音を聴いたところ、原因はわかりませんが、バックのノイズが目立つように感じたからです。
そのときの音声ファイルも残しています。下に埋め込んだのがそのファイルです。
H1 XLRとV67で録った音と聴き比べて、どのぐらい違いがわかってもらえるかわかりません。私はふたつの音声ファイルの聴こえ方に違いを感じました。
私は、H1 XLRとV67のほうが好ましい音に聴こえます。
そこで、F2と付属のラベリアマイクで録った音声を、音声編集ソフトのRX10 Standardのイコライザーを使って、自分好みにできないか試してみました。
今確認したら、2023年の11月です。”Ozone 11 Equarizer(Ozone 11 EQ)”というプラグインが無料で手に入る機会があり、それを使って、自分のRX10 Standardにそのイコライザーをインストールしました。
音声を再生する機器には、低音と高音を調節するつまみがついていたりします。その音質の調節を細かくできるようにしたものがイコライザーと考えれば、それほど間違いではないでしょう。
私はイコライザーを使いこなせているわけではありません。といいますか、ほとんど使えないのと一緒です。そんな私は、自分の勘と自分の耳を頼りに、F2と付属のラベリアマイクで録った自分の声を、Ozone 11 EQで調節してみました。
その結果の音声ファイルを下に埋め込みます。
仕上がりの良し悪しは別にして、録ったままの音声よりも、自分の好みに近づけた音声ファイルになったように感じています。
そのときの設定画面も下に貼っておきます。

これを見ると、低域をカットした以外は、それほど手を加えていません。今後、同じようなことを見よう見真似で繰り返せば、自分なりの使い方ができるようになるかもしれません。
今は、プリセットで、聴き取りやすい音質にしてくれる機能があります。私が使う音声ファイルでも、そのようなことはできます。
しかし、それらを適用すると、音がシャリシャリするような感じになることが多いように感じます。それは歯切れのよい声で、発せられた言葉の「切れ」が良くなり、聴き取りやすいということなのかもしれません。
しかし、私はシャリシャリした音があまり好きではありません。そんなわけで、私がOzone 11 EQで調節した声も、シャリシャリ感を逆に抑えています。
最近、テレビの番組の音声を聴いていても、シャリシャリやジャリジャリした音声に加工したような音が聴こえることがあります。
バックのノイズを除去し、声を聴き取りやすくシャープにすることが盛んです。しかし、それが過ぎると、声が本来持つ豊かさを損なうことにつながりかねません。
それを防ぐため、録音時に最適なマイクを使い、あとで音質を換えなくてもよいよう、より最適な音質で録るようにするとよいでしょう。
音というものも、映像と同じように、こだわるととことんまでこだわれます。
これはこれで、興味深い世界です。