コントロールリング付きマウントアダプタ

今回もカメラ関連の話題です。

私が使うカメラはキヤノンのミラーレス一眼カメラ、EOS RPです。このRPの機能に不満があります。それは露出補正機能です。

フィルムやデジタルの一眼レフカメラにもこの機能が搭載されています。そして、どの露出モードを使っても、通常は、露出補正を使えます。

ところが、EOS RPでは、RFマウントで、しかも、キヤノン純正のレンズしか、露出補正が使えないのかもしれないことにようやく気がつきました。

キヤノンのEFマウント用レンズにはなく、RFマウント用レンズにだけついているものがあります。それは「コントロールリング」です。使用者は、そのリングに自分が使いたい機能を登録して使うことができます。

RPとRF28mmとコントロールリング

このコントロールリングに「露出補正」の機能を登録すれば、すべての露出モードで露出補正が使えます。マニュアル露出であっても、ISO感度をオートにした場合は、コントロールリングで露出補正ができるようになります。

逆のいい方をすると、コントロールリングがないレンズをEOS RPにつけた場合は、露出補正ができなくなります。

私はこのところ、フィルム時代に使い、今もマウントアダプタを介して使うことが多いのが、ヤシカ・コンタックス用カール・ツァイス、プラナー50mm F1.4です。

オールドレンズですので、コントロールリングはもちろんついていません。電子接点もないので、プラナー50ミリはマニュアル露出で使うことになります。

その際、ISO感度をオートで使えたら、その分は楽になるのでは考えることがあります。そんなときは、露出補正をコントロールリングで使えたら便利に思えます。

そんなことを模索するうち、ある考えが浮かびました。

キヤノンEFマウントをRFマウントへ変換するマウントアダプタをキヤノンは4種類用意しています。

ひとつは、私が使う最も安価なタイプです。これは、EFマウントをRFマウントへ変換する機能だけを持つものです。4種類の中で最も安く、定価（以下、いずれも税別）は1万5千円です。

最上位モデルは、「可変式NDフィルター A付」がついたもので、定価は4万5千円です。「円偏光フィルター A」付きは3万円の定価です。

そしてもうひとつが、私が興味を持ったコントロールリングがついたタイプです。定価は3万円です。

EFマウントをRFマウントへ変換するマウントアダプタを購入するとき、はじめはコントロールリング付きの購入を検討しました。しかし、結局はより安いコントロールリングがついていないものを選びました。

RFマウントのカメラを使うのであれば、マウントアダプタもコントロールリングがなければ使いにくいことに、実際に使ってみて気がつきました。

そこで、プラナー50ミリをEOS RPでより快適に使うため、コントロールリング付きのマウントアダプタに買い換えました。

その結果は、私が考えた通りの使い方ができないことがわかっただけでした。

プラナー50ミリはヤシカ・コンタックス（CO/Y）マウントですから、そのままでは、EF-RFマウントアダプタを介して使うことはできません。

CO/YマウントをEFマウントへ変換するマウントアダプタが必要です。そのマウントアダプタは、キヤノンのデジタル一眼レフカメラのEOS 5Dを使ったときに手に入れて持っています。

このマウントアダプタは、下の画像でもわかるように、非常に薄くできており、マウントアダプタをつけても、あまり目立たちません。

それをつけたのちに、EF-RFマウントアダプタをつけてEOS RPに装着するのです。

それとは別に、キヤノンの社外品で、CO/Yマウントを直接RFマウントへ変換するマウントアダプタを持っています。これにはもちろん、コントロールリングはついていません。

しかし、この社外マウントアダプタのほうが使えます。マニュアル露出モードにすれば、ISO感度を変更して、適正露出にすることができます。

そうであるのに、キヤノン純正のコントロールリングがついたEF-RFマウントアダプタにプラナー50ミリをつけて使ってみたところ、肝心のコントロールリングがまったく反応しません。

コントロールリングには、次の四つの機能を割り当てられるようになっています。

F値

シャッター速度

ISO感度

露出補正

コントロールリングがついたマウントアダプタにプラナー50ミリをつけて初めて試したとき、どの露出モードにしても、どの機能を割り当てても、コントロールリングがまったく反応しませんでした。そのため、故障を疑いました。

故障していたわけではなく、そういう仕様なのでした。

私は、マニュアル露出にし、コントロールリングでISO感度や露出補正を変更出来たら便利だろうと考えました。しかし、その目論見はもろくも崩れました。

改めて考えるのは、キヤノンというメーカーが持つ排他性です。社外品を排他する傾向を持ちます。マウントアダプタやオールドレンズへの対応にもそれが表れています。

他社のマウントアダプタであれば実現できることがキヤノンのコントロールリング付きアダプタはまったく使えない構造に造られています。

結局のところ、デジタルのカメラは、そのメーカーが製造するカメラとレンズを組み合わせたとき、一番使いやすくできています。それは当たり前のことなのかもしれません。

EF-RFマウントアダプタに、キヤノンのEFレンズをつけて使えば、全く問題なく、快適に使えます。コントロールリングも、狙い通りに使うことができます。

今の時代に、フィルム時代のオールドレンズを使うこと自体が、「突飛」な行動になるのでしょう。メーカーとしても、キヤノンに限らず、そのようなユーザーを想定してカメラの設計をしていないのでしょう。

EOS RPで写真撮影を楽しむなら、RFレンズか、EF-RFマウントアダプタで、EFマウントレンズを使うのが理に適っているという結論に落ち着ざるを得ません。