今回もまた、カメラ周りの話にお付き合い願います。
前回の本コーナーでは、クリップオンストロボを使うときの露出について書きました。
私が使うストロボは、フィルム時代から使い続けるナショナル(現パナソニック)の「PE-320S」というモデルです。
それとは別に、同じナショナルPEシリーズの「PE-381SG」というストロボも持っています。こちらは、カメラのアクセサリーシューにはつかない構造です。

PE-320Sに比べて大きく、320Sよりグレードが上ということになりましょう。
これを購入したのもフィルム時代です。当時からいろいろなことをやってみたいたちで、ストロボ光を反射させてバウンスした光を被写体にあてるため、アンブレラやライトスタンドなども購入しました。
ただ、私は身の周りの物が主な被写体です。モデルを使ってポートレイトを撮影するようなことはありません。そんなわけで、道具を揃えただけで、出番はあまりありませんでした。
ストロボは、長期間使わない状態にするのは良くないと聞きます。長く放置したままにすると、発光しなくなる恐れがあるらしいことからです。だから、実際に使わなくても、定期的に発光させると良いという話です。
それはわかっていたつもりでした。しかし、PE-381SGを、長く使わない状態にしてしまいました。
数年前になってストロボに関心を持ち、長く放置したままのPE-381SGを使ってみようと思ったことがあります。長く放置されたストロボは、発光しないだけでなく、液晶の表示パネルに文字さえも表示されない状態でした。
それで、一度は、もう使えないのかと諦めました。
今朝、そのPE-381SGを使えないか考え、無駄とは思いつつ、電池を入れてみました。単3電池を6本使う構造です。電池をセットし、スイッチを入れました。やはり無反応です。
PE-381SGとPE-320Sは、同じメーカーの同じシリーズのストロボです。共通で使える電源アダプタも持っています。それをPE-381SGにつなぎ、1時間程度、そのままにしておきました。
何か考えがあってそのようなことをしたのではありません。単なる思いつきです。
そのことがPE-381SGには効果がありました。
少しして様子を見ると、PE-381SGが反応していました。それまでは何も表示ていなかったパネルに、ISO感度とF値の表示が現れ、ボタンを押せば変更できます。
しかし、そのときは、発光準備が整ったことを知らせる赤ランプは消灯したままでした。それでは、発光しないストロボのままです。
それでも、「復活」しつつあることを感じた私は、淡い望みをかけ、さらに30分ほど電源アダプタを接続したままにしておきました。
それぐらい経った頃、様子を確認すると、発光できることを知らせる赤ランプが点(とも)っています。発光テストのボタンを押すと、PE-381SGが発光してくれたのでした。
PE-381SGが元通り使えるようになったのであれば、オフストロボ・ライティングにPE-381SGが使えます。PE-320Sは、クリップオンストロボの用途に専念させられます。
PE-381SGのグリップ部分には、アンブレラの柄を挿すためのアダプタを取り付けてあります。プロの真似ごとをしたいと思い、昔に揃えた道具です。
素人の私がこれを使う機会は多くないでしょう。それでも、たまに使うことがあれば、PE-381SGを重宝に感じそうです。
今後は、またPE-381SGが発光しなくならないよう、定期的に発光させてやりましょう。復活してくれたPE-381SGの「恩」に報いるためにも。