雨音を録ってみる

私は毎朝、夜明け頃に自転車で自宅周辺を30分程度走るのが習慣です。私は一度習慣ができると、それを毎日続ける傾向があります。

今朝はその自転車の散歩を休みました。起きてから天候を確認すると、関東南部の当地は風が強めに吹いていたからです。その時間雨はまだ降り始めていませんでした。

雨が降っていないのなら走れないこともなさそうでした。しかし、風も自転車には大敵です。こんな理由で、今朝は走るのを諦めました。

そのあと、当地では雨が降り出しました。予報を確認すると、関東は午前中に雨が降りやすい予報です。ところによっては、雷を伴って強く降るということです。

出かけなければならない人には、雨の日は厄介に感じられるでしょう。出かける予定がなければ、雨の日は雨の日で悪くはないものです。雨音を聴いていると、落ち着く感じがします。

雨音を聴いているうち、それを録音したくなりました。

そこで、雨に濡れないところに録音機をセットしました。私がそのような音を録る時に使うのは、ZOOMのマイクトラックレコーダーのM3 MicTrakです。

私がこれをいつ購入したのか確認しました。2年前の7月です。もう2年経つのかといった感じがします。

ZOOMのレコーダーを気に入って使っているのは、32bit floatで録音できることです。

この仕組みを私は正確に理解しているとはいえませんが、実際に使ってみて、便利さは非常に感じています。私は、もはや、これ以外の録音機器は使う気になりません。

私はM3 MicTrak以外に、同社のフィールドレコーダーのF2と、ハンディレコーダーのH1 XLRを持っていて、用途に合わせて使い分けています。

M3 MicTrakはレコーダーにマイクがついているモデルになり、私は、外界の音を収録するときに使っています。ついているマイクはステレオで、M/S処理ができるマイクになります。

ZOOM M3 MicTrak

このM3 MicTrakで特徴的なのは、録ったあとに、専用の”M3 Edit & Play”というソフトを使うことで、モノラルのほか、ステレオ幅を30°、60°、90°、120°、150°にそれぞれ変更できることです。

【ZOOM M3 #MicTrak 】これぞ究極のマイク! 32bitフロートレコーダー搭載のMSステレオマイク #M3 これさえあればインタビューから自然の迫力環境音まで

このMicTrakを三脚に固定し、今朝、雨の音を収録してみました。

32bit flatでの録音になるので、録音時に録音レベルはまったく考えません。そもそも、録音レベルを調節するつまみのようなものがはじめからついていません。

32bit float方式の録音機器を初めて操作した人は、録音レベルが調節できず、大いに戸惑うかもしれません。

録音が終わると、MicTrakには、ファイルがふたつできます。ひとつはWAVファイルで、もうひとつがMS-RAWというファイルです。録ったあとにステレオ幅の調整ができるのはMS-RAWファイルです。

録ったままの音は、Gainが-24dB以下の小さな音です。そこで、Gainを上げて音を大きくします。ステレオ幅を広げるほど、同じGainでも、音が大きくなります。

難しいのは、どれぐらいGainを上げるのが適正なのか判断しなければならないことです。

それが、たとえば、映画やテレビなどで使われることを前提に収録されたのであれば、それぞれに合わせた音量にされるのでしょう。

しかし、私が自分の楽しみのために録った場合は、自分の望みのままに音量を変化させることができてしまいます。

MS-RAWファイルでステレオ幅を最大の150°にした上で、ソフトのレベルメーターを見ながら、大きな音でも、-6dBを超えるか超えないかぐらいのGainにしてみました。

雨音のほかに、水しぶきを上げて道路を走る車の音も入っています。

更新したときに上げた音声ファイルの音が小さすぎると思ったので、同じ音源で、もう一度、音声編集ソフトのRX Standardで編集し直しました。

そのときにしたのは、Gainの調整にLoudness Controlを使ったことです。プリセットの[Video Streaming Delivery]を適用しました。また、MS-RAWからWavに書き出すときに、ステレオ幅を60°にしています。

私はM3 MicTrakの「ステレオ幅」を誤って解釈していたことに気がつきました。

MS-RAWファイルを編集するM3 Edit & Playというソフトで、録ったあとにステレオ幅が変えられ、変えられる幅は30°、60°、90°、120°、150°と書きました。

これは、ステレオの片側だけの角度になります。ステレオですから反対側もあり、それを合わせると、たとえば90°であれば、左右で180°ということになるというわけです。

今回録った雨音をWAVファイルに書き出すとき、60°にしました。ステレオでは120°になります。

ハンディレコーダーのH1 XLRは、XLR端子に、昔に購入して使っていなかったコンデンサーマイクのMXL V67を取り付け、本コーナーを更新するごとに、その冒頭部分を音訳し、それを録音データとして残すことを続けています。

ZOOMのハンディレコーダー H1 XLR
MXL-V67

ちなみに、前回の更新を音訳した録音データを下に埋め込んでおきます。

ピン子さんに見る芸人魂

音訳を録音したファイルは、iZotopeのオーディオ編集ソフトのRX 10 Standardを使い、Loudness Controlで、Podcast Deliveryを選び、その設定で決まる音量にしています。

RX 10での処理はGainだけで、音質などの加工はまったくしていません。

フィールドレコーダーのF2は、何かを紹介しながら動画を撮る時、自分の声を収録するのに使いますが、そのような動画を撮ることがあまりないので、F2の出番が減っています。

ZOOM F2と付属のラベリアマイク

ZOOMからは先頃、ハンディレコーダーの最新型となる“H5studio”が登場しました。私は録音トラックをいくつも使うような用途が思いつかないので、本レコーダーを購入する予定はありません。

手元にある3種類のレコーダーを使い、自分の趣味のため、用途に合わせて使い分けることにします。

このあと、庭でウグイスの鳴き声が聴こえるようになれば、M3 MicTrakで収録し、本コーナーで紹介するようなことをするかもしれません。

冒頭部分で書いた本日の関東の天気ですが、当地でも、雨が思っていたよりも早く上がりました。降ったのは通勤時間ぐらいまでです。子供たちはもう春休みに入っているでしょう。

このあとは日中にかけて一旦天気が回復します。そのあと、関東は夕方頃になると雨雲がかかるところがあり、雨になるところがありそうです。

こんなことを書いていると、以前の本サイトにあった天気コーナーを更新しているような錯覚に襲われます。

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