ストロボ撮影時における適正露出の求め方

ここ数日、あることに悩まされていました。それが今朝、一応解決できたように感じたので、本コーナーで書いておきます。

私の頭を悩ませていたのはストロボです。ストロボを使った写真撮影については、十日ほど前の本コーナーで書きました。

デジタルカメラになってISO感度が、フィルム時代とはまったく比較にならないほど超々高感度になりました。これにより、ストロボを必要に感じない人も多いでしょう。

しかし、どんなに高感度になっても、ストロボを使った撮影は照明のテクニックのひとつです。高感度でも、ストロボを使わなければ実現できない表現はいつまでも残ります。

私は特別難しい照明をストロボでするというわけではありません。元々、ストロボを有効に使うこともできません。しかし、ストロボを使った先人たちの撮影風景を見るうち、自分でも試したくなったのです。

だからといって、自分のちょっとした望みを満足させるため、ストロボを新たに購入することも今のところは考えていません。フィルムの時代に購入した古いストロボを使って、できることを試そうと考えています。

私が使おうと思っているのは、カメラメーカー純正のストロボではなく、ナショナル(パナソニックグループ)の”PE-320S”という、カメラのホットシューに取り付けて使うことを想定して設計されたクリップオンタイプです。

ナショナル製ストロボ PE-320S

ストロボをカメラに取り付けて使用すると、カメラとストロボが一体となるわけですから、光の表現には向いていません。

そこで、ストロボをカメラから外し、ライティングスタンドに取り付けて使うことを考えました。

今の時代のストロボは、カメラからの信号をワイヤレスで送るためのコマンダーをカメラのホットシューに取り付け、コードでつながれていないストロボを発光させる仕組みのものがほとんどです。

私もストロボ撮影のおもしろさがわかったら、ワイヤレスに対応したストロボとコマンダーの購入を考えています。しかし、今のところは、どこまで手持ちのストロボで楽しめるか確かめる段階ですので、面倒でも、コードで接続するやり方を確かめています。

ワイヤレスでストロボを発光させて撮影をする例を紹介する動画をネットの動画共有サイトのYouTubeでいくつも見ました。それらを見ていてもうひとつわからなかったことがあります。それは、ストロボを発光させたときの露出の決め方です。

私はキヤノンのミラーレス一眼カメラのEOS RPを使っていますが、一眼レフカメラに比べて圧倒的に便利に感じることがあります。それは、電子ビューファインダー(EVF)で見ることで、あらかじめ、適正な露出にできることです。

しかし、ストロボの発光時間は一瞬です。ですから、EVFでも適正露出はまったくわかりません。

YouTubeでストロボを使った撮影の実例を見せてくれているおひとりにGavin Hoey氏がいます。Hoey氏はおそらく、ご自分のスタジオで撮影されているのでしょう。

Hoey氏は、ストロボやほかの照明器具を使い、さまざまな表現をされています。その際、必ず露出計を使って、ISO感度とシャッター速度F値を決めた上でシャッターを切っています。

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上の動画の作例では、スイッチが入ったテレビ受像機を小道具として使っています。受像機はインターレス信号に対応するため、「60i」になり、シャッター速度は1/30秒にして撮影しています。

それに対し、昨日見た塙 真一氏のストロボを使ったポートレイトの撮影風景を見ると、動画を見た限りでは、露出計で露出を決めているように見えません。

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ストロボをライティングスタンドに取り付け、いきなり発行させてシャッターを切っています。屋外なので、ストロボを使う撮影は難しいでしょう。

塙氏の場合は、とりあえずストロボを発光させて撮り、撮った写真を見て、ストロボの位置や、発光量を変えて、自分が望むような表現に近づけるのでしょうか。

そのあたりのことは、もうひとつよくわかりませんでした。

私が昔に購入したPE-320Sを使い、カメラから離して使う場合は、ストロボとカメラをコードで接続するのはもちろん、同じコードから枝分かれているコードのもう一方は露出計にも接続します。

今、何気なくストロボとカメラをコードで接続すると書きました。デジタル一眼レフカメラであれば、コードで接続することができましたが、ミラーレス一眼カメラに代わり、それができないカメラが多いと思われます。

私が使うEOS RPでも、アダプターを使わなければ接続できません。カメラに、ストロボと接続するための「シンクロ接点」が元々ついていないからです。

私は、昔に買ったアダプタがありましたが、今回、シンクロ接点を使えるようにするためのアダプタを新たに購入しました。

シンクロ接点アダプタ

それをカメラのホットシューに取り付け、アダプタのシンクロ接点に取り付け、ストロボと接続します。

私が使う露出計もフィルムカメラを使っていた時代に手に入れ、今も使うものです。ミノルタの”IV F”という単体の露出計です。

ミノルタ製入射光式露出計

この露出計は、通常の光源はもちろん、今書いたやり方で、ストロボを使った撮影のときにも露出が計れるようになっています。そのときは、「CODE」のモードを選びます。

カメラとストロボと露出計にコードで接続し、露出計の露出計測のボタンを押すとストロボが発光し、そのときのストロボ光に対するISO感度とシャッター速度、F値が表示されます。

あとは、ストロボの位置や発光量の強さを固定した上で、適切な露出を決め、シャッターを切るといった段取りになります。

これらの理屈がわかった上で、いざ、ストロボを使った試し撮りをしようと思ったら、ストロボが発光しなくなるトラブルが発生し、悩まされました。

40年ほど前に購入し、今まで使ってきたストロボです。急に壊れ、使えなくなってしまったのかと思いました。

ストロボをカメラから離して使うときは、ACアダプタを使います。そうでないと、一回発光させたあと、次に発光するまでのチャージの時間が長くかかってしまうからです。

ACアダプタをストロボに接続すると、すぐに次の発光ができるようになります。

私が使うナショナルのストロボは、ACアダプタをつけても、ストロボに電池を入れないと発光しない仕組みになっています。

あとで、発光しなかった原因がわかりました。

電池は単三電池を4本使い、4本を直列になるように入れます。私はその電池に、充電池のエネループを使ってきました。これであれば、電池が減るたびに充電で補えるからです。

このエネループを使って使用すると、昨年の後半からだと思いますが、カメラのホットシューに取り付けて使おうと思っても、なかなかチャージが終わらず、発光できない状態になりました。

理由はわかりません。40年ほど前に手に入れて使ってきたストロボなので、寿命が尽きたのかと考えたりしました。

エネループを入れたストロボにACアダプタを付けて使おうと考え、実際に試しました。すると、ACアダプタで電源は十分なはずなのに、チャージが終わったことを示すランプがいつまでも点灯せず、ストロボが発光しないことが起きました。

いよいよダメかと考え、一旦は、このストロボを使うことをほぼ諦め、新たに、現代のストロボの購入を検討しました。

そして今朝です。もう一度試してみようと、試しに、エネループの代わりに、単三の乾電池を入れてみました。すると、なんの問題もなく、発光してくれました。

一回発光させるごとに、次の発光までのチャージ時間がかかりますので、カメラから離して使うときは、ACアダプタを使うことになります。

ACアダプタを使った撮影をする限り、一度発光させたあとでも、すぐに発光できる状態になるので、テンポよく撮影できるでしょう。

そして、発光させる前は、露出計を使って、しっかりと露出を求めることが欠かせません。

将来的には、コードレスのストロボを使いたいと考えています。しかし、その場合、コードレスのストロボを使って撮影する人は、露出をどのように計測しているのでしょう。

すでに書いたように、私がYouTubeで見て参考にさせてもらっているHoey氏は、毎回、必ず露出計で計測しています。

しかし、日本でワイヤレスのストロボを使って撮影する人が、露出計をどのように使っているのか、今のところ情報が得られずにいます。

単体の露出計がワイヤレスのストロボで使え、私が使っているミノルタの露出計でも使えそうなことがわかったら、ワイヤレスのストロボに移ってもいいと考えています。

私の古い露出計でも、「NON.C(ノン・コード)の計測もできますから、私が使い方を知らないだけかもしれません。

本日の豆理解
コードを接続しないで発光するときの露出計測方法が理解できました。
すでに書いたように、私が使う露出計には「NON.C」の露出モードがあります。これまで、ワイヤレスのストロボを使ったことがないので、このモードを使ったことがありませんでした。
使い方は簡単です。
そのモードを選び、露出を計測するボタンを押すだけです。すると、露出計測モードに入り、ストロボが発光するのを待機する状態になります。あとは、ストロボを発光させるだけです。
コードを接続する時との違いは、自分が手に持って、計測したいところで発光できないことです。
助手でもいれば助手にストロボの発光してもらえばいいですが、私はひとりで撮るため、露出計を計測したいところへ置き、自分でストロボを発光しなければならないことになります。

いずれにしても、露出がわからずにストロボの撮影をするのは、私にはできそうもありません。

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