2012/09/08 栗原家の隆盛と現在

3回続けて尖閣諸島の3島をめぐる話題を取り上げることにします。

前回は、まもなく島の所有権を国へ売り渡すことになるであろう地権者の栗原國起(くりはら・くにおき)氏とご兄弟について書くつもりで更新を始めました。が、私の悪い癖で、横道に入ったまま本線に戻ることができず、結局、肝心の話をできずに終わっていますf(^_^) ですから、今回は脇見をせず、話すべき話に徹することにします。

そういえば、車を運転中に眉毛を描くのに夢中で、自転車に乗った女性に気づくのが遅れて衝突し、そのまま逃げた女性教諭のニュースがありました(西日本新聞:交通事故の女性教諭を懲戒免職 「眉毛描いていた」)。ですから、話に集中しつつも、多少は周りに注意を払いながら話を進めることにしましょうか。

石原慎太郎都知事が尖閣諸島の3島を都として買い上げる意向を表明して以来、石原知事を支持する人々が中心になって後押しするような空気がネットでも感じられました。

それが端的に表れたのが、ネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」の関連スレッドです。私はこの種の掲示板には一切参加せず、書き込まれた意見を読むことだけに徹していますが、その種のスレッドでは、彼らと異なる意見を書き込む者が現れると、バカにしたり排除したりして、頭からまともに取り合うことをしません。

こうした排他的な空気は、陰謀論で凝り固まった考え共有し、増幅する者が集う掲示板とよく似ています。そこでも、たとえばそれが部外者から見ると常識的な考えであっても、彼らには受け入れがたい考えのため、「お前は敵の回し者に決まっているッ! 工作員は出て行けッ!」と猛反発し、あとは何をいっても聞く耳を一切持とうとしません。

それにしても、石原都知事が見込んだ地権者であるからと少しの疑いも持たずに募金に応じるのですから不思議といわざるを得ません。しかし、「尖閣は間違いなく石原都政が買い上げる!」と威勢よくアドバルーンを空高く上げたまではよかったものの、ここへきてバルーンの空気が急に抜け、シュルシュルシュルゥ~~と見るも無惨に萎んでしまいました。それに戸惑ったのが募金に応じた人たちで、東京都庁の関係部署にはひっきりなしに問い合わせや意見する電話がかかってきたそうです。

少し前までは国士(こくし:一身をかえりみず、国家のことを心配して行動する人物。憂国の士=広辞苑)にまで祭り上げられた栗原國起氏の口癖は「カネがない」だそうです。

以前から栗原家についてマスメディアが枕詞のように使ったのが「埼玉の資産家」だったように記憶しています。資産を持っているから資産家といわれるのでしょう。

それが、明日のお金にも困って「カネがない」といっているようでは資産家どころか、自転車操業をするような者と大差ないことになりかねません。ですから、この口癖が真実の反映からであれば、マスメディアは埼玉の栗原家に資産家の幻を見ていたことになります。

昔の栗原家は、「わが栗原家の辞書に“カネがない”はない」といえるほど隆盛を誇った時期があったことは確かなようです。当時を知る人の話では、かつて、埼玉県内のJR大宮駅の東西に架かる大栄橋のたもとに、栗原家の自宅兼事務所の洋館が建っていたそうです。

建物は大正時代の末に建てられたもので、当時としては珍しい木造3階建ての五層構造で、上には展望台まであったそうです。マスメディアによく登場する三男の弘行氏によれば、栗原家の先祖は甲州(甲斐国)の出で、「菱屋」という屋号を持つため、洋館は「菱屋本店」といわれたそうです。

この洋館は、橋を拡幅するため、戦後に壊されていますが、立ち退きをめぐり、当局と保証金を巡って大揉めに揉めた、という証言があります。

今の國起氏の代になってからか、結婚式業界の商売を始め、大宮周辺で結婚式を挙げるカップルには、栗原家が所有する教会で式を行い、そのあと、同じく栗原家が所有する菱屋会館で披露宴を行う、といったサービスを利用したカップルも多かったでしょうか。

栗原家の結婚式サービスがどのくらい続いたかは知りませんが、今から10年以上前に、菱屋会館を結婚式会場として使うことを止めたそうです。その代わり、建物を空きにしておくわけにはいかないと考えたかどうか、建物を利用させる契約を顕正会という宗教団体と結んでいます。

しかしその後、当時はその団体が宗教法人に登録されていなかったことなどの理由で、建物の使用を禁じて追い出したそうです。そのことを団体側が根に持ったかどうか、その後、団体が栗原家の自宅の裏に広い土地を買い、そこに同宗教団体の本部を作っています。今では朝から集団でお経を上げる声が聞こえ、近所に住んでいる人は迷惑に感じている、という証言があります。

國起氏の母親は5年前に亡くなり、今は共に独身の國起氏と妹の和子氏がふたりで自宅に住んでいるそうです。自宅は分厚く高い鉄のフェンスの奥にありますが、外部からの侵入を防ぐため、高圧電流が流れる鉄の線を張り巡らし、いくつもの監視カメラが始終見張るという物々しさだそうです。

戸籍上は、妹を國起氏の養女にしているのだそうで、外出するとき國起氏は和子氏といつも一緒だといいます。國起氏と三男の弘行氏の間に次男がいて、埼玉銀行に勤めていたそうですが、随分前に亡くなっているそうです。

三男の弘行氏が結婚して家族をお持ちなのかどうか私は知りません。國起氏は現在おひとりで、和子氏は戸籍上國起さんの養女になっているくらいですから独身なのでしょう。

國起氏を昔から知る人の話によれば、「早く結婚すると相続税も早く取られるから、結婚は遅くする」といっていたのを憶えているそうです。その國起氏は25年ほど前に結婚したものの、息子さんが生まれてすぐぐらいの1年ほどで離婚したそうです。

その息子に当たる男性と母親は、今、神戸で暮らしているそうです。今春に大学を卒業した息子は、神戸の企業に就職したといいます。國起氏は妻子との縁を切ったようで、息子は「栗原? 知りません。何の関係もありません。迷惑です」と取材しようとした記者に答えたそうです。

随分長くなってしまいまいした。栗原家の現在の経済状況と、三男の弘行氏との関係などにつきましては、次回以降の更新に回すことにします。

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