プベルル酸も程度問題

昨日(6日)の本コーナーで、今年になってから問題にされている小林製薬の紅麹を使ったサプリメントの問題のその後について書きました。

菌の培養など、専門的なことはわかりません。それだから、報道されたことから、素人の私が考えたことや感じたことをそのまま書いています。私の考え違いのところもあるでしょう。

昨日、本問題を取り上げたのは、今回問題にされているサプリの主要な原料である紅麹からは、その後、本サプリを摂取した人に「健康被害」を出した原因として注目された「プベルル酸」について、問題を指摘された小林製薬が、細かく分析し、その結果、どのような分析からも、紅麹からプベルル酸が生成されないことがわかったとしています。

プベルル酸についても、私は今回の問題で初めて聞きました。聞いただけで、それがどんなもので、どのように生成されるのかは知りません。

付け焼刃程度に、そのプベルル酸について書かれたネットの記事などを流し読みしました。その毒性については、専門家によって、捉え方が異なるようです。

ある専門家は毒性が非常に強いとしています。その根拠となる論文を北里大学が書き、厚生労働省もその論文を根拠とするようです。

その実験では、マラリアを感染させた実験用マウス5匹を使っています。その結果、プベルル酸が投与されたマウスが、3日目に5匹の内4匹が死んだとされています。

別の専門家は、プベルル酸の毒性を確かめるのであれば、マラリアに感染したマウスでなく、健康なマウスを使うべきだとしています。菌に感染させたマウスを使ったのでは、プベルル酸だけの要因でマウスの死んだのかわからなくなるからというような理由でした。

ともあれ、プベルル酸が小林製薬の紅麹を使ったサプリで、しかも、昨年7月から8月(だったかな?)の期間に製造された製品から検出され、それが「健康被害」を出したのではと疑われています。

昨日と今日取り上げている共同通信の記事を読んだ人のコメントに目を通すと、問題の時期に製造された分も含め、同社の紅麹サプリを摂取していた人のコメントもありました。

その人のコメントがすべてだとは思いませんが、その人に関しては、それを規定通り摂取していたが、「健康被害」がなかったとありました。

北里大学が論文にまとめた実験の話に戻します。

その実験では、5 mg/kgのプベルル酸を0日目と1日目に2回投与していますが、いずれも、注射器で体内に直接注入する皮下投与です。そもそも、プベルル酸は、マラリアを治療する目的で研究されたようです。

プベルル酸を皮下投与でなく、マウスに口から投与する経口投与では、抗マラリア活性は示されなかったとあります。

皮下投与では、抗マラリア活性が必要以上に強すぎ、マラリアに対抗するだけでなく、マウスそのものが死んでしまったということでしょうか。専門的なことはわからないので、それを知っても私は結果の有無がわかりません。

また、経口投与では、抗マラリア活性が起きず、そのための効果が薄いということでしょうか。また、マウスの身体への負担が強くなく、その実験に使われたマウスは死ななかったということでしょうか。

私がわからないまま書いているので、これを読まれた人も、専門的な知識を持たなければ、何を書いているのかわからないかもしれません。

小林製薬が紅麹を使ったサプリメントを開発し販売していますが、本サプリは、もちろん皮下投与ではなく、おそらくは錠剤状のものを、口から飲み込む経口投与です。

別の専門家に訊いた話が書かれたページだったと思いますが、そこには、プベルル酸の毒性は、フグ毒(テトロドトキシン)のおよそ1万分の1とありました。

昨日の本コーナーで取り上げた共同通信の記事にあったコメントには、本記事を読んだ人が、書かれた記事の本質を取り違えていると書くものがありました。

プベルル酸は青カビで培養されたもので、その青カビは、小林製薬の製造過程に衛生管理の点で問題があることが逆に明らかになったというようなものです。

国と大阪市は、今年4月中旬、小林製薬の大阪工場へ本問題の調査のため、立ち入り調査をしています。その調査に加わった大阪市の関係者によれば、工場内の壁や天井、危惧などに黒っぽい色をした汚れがあったとしています。

それらを綿棒で採取し、大阪健康安全基盤研究所などで分析し、汚れが見つかり、それを綿棒で採取した5つの部屋の24カ所のうち、6カ所から青カビであったことがわかったとされています。

そして、それらの青カビが、プベルル酸を生成するカビと同じ種類だったといわけらしいです。

ただ、それらのカビが、大阪工場が稼働しているときからあったのか、そうではないのかなどは判明していません。昨年12月にその工場での製造を中止したあと、カビが蔓延った可能性も否定できないということです。

それらの青カビですが、製造の過程で紅麹を培養させる容器に混入し、それが大量に増殖するようなことが起きたことを仮定しているのでしょうか。

直近の報道では、小林製薬の紅麹サプリを摂取したことで、80数人が死亡したことが疑われるとしてます。

途中でも書いたように、その原因物質がプベルル酸だとしても、投与は口からの経口投与です。しかも、1回の摂取量は定められています。その摂取によって80人以上の人が死亡したことはなかなか考えられないと素人の私は考えるのですが、いかがなものでしょうか。

これが正しい例えかわかりませんが、焼き魚の焦げ目を食べるとがんになりやすいというような話を昔に聞いたことがあるのを思い出しました。

それがどの程度の影響があるかわかりませんが、私は、神経質に心配するほどではないと考えています。少しの焦げ目を食べたからといって、すぐにがんになるとは思えないからです。

同じような意味合いで、危険な物質が見つかったからといって、それを必要以上に問題視することは、問題の本質を見極めるのを妨げるだけのように考えます。

小林製薬に限らず、多くの製造工場で、人々の口に入るような製品を製造する場合、それらの工場の一つひとつを厳密に立ち入り調査したら、まったく問題がない場合のほうが稀だろうと想像します。

多くの場合は、問題があっても許容範囲内のレベルで、だから、いちいち目くじらを立てていたらきりがないだろうと考えてしまいます。

夏の時期、海へ海水浴へ行ったり、プールで泳いだりする人が多いでしょう。海やプールに浸かっている人の中には、トイレへ行かず、海水やプールの中で、小便をしてしまう人もいるでしょう。

その人は、他人に自分が小便をしたことなど話しません。それを聞かされたら、自分の周りの水が汚染したように感じるでしょうが、知らなければ、自分の周りの水を手で掬って、気持ちよさそうに顔を洗ったりするかもしれません。

小便がその周囲に混じっているのを知っているのは、小便をした当人だけです。

そのまましばらくその水に浸かっていても、「健康被害」が起きるとは考えにくいです。

小林製薬の紅麹サプリの一部にプベルル酸や、ほかの本来は含まれていないはずの成分がいくつか見つかったからといって、それが直ちに、「健康被害」を起こすと大騒ぎするのは、何かヘンなことだと私は考えてしまうのです。

世の中は完璧にできてはいません。それが許容範囲のことであれば、多少の問題はあっても、知らずに過ごしていて問題の起きないことがほとんどです。

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