G7サミット議長国メローニ首相の総括は是

マスメディアは、自分たちの報道姿勢が正しいと勘違いしています。マスメディアの報道が「勘違い」なのですから、彼らの主張の反対が正しいことが多いです。

彼らは、西側諸国が「極右」とする政治勢力を嫌います。しかし、彼らがいう「極右」がまともなのであれば、彼らを「極右」と決めつけるマスメディアこそが偏見に満ちているということです。

このことについては、本コーナーで取り上げたばかりです。

本日の朝日新聞・国際面にあった記事を見て、その感を強くしました。

イタリアであったG7サミットが閉幕したことを受け、「『合法な中絶』消えた声明 伊首相『すでに保証』」の記事が本日の紙面に載っています。

今回のG7の議長国はイタリアで、同国のジョルジャ・メローニ首相(1977~)が、G7閉幕に際し、「イタリアの能力を示した」と成功を強調したことを記事の冒頭で書いています。

それを読んで、私はイタリアのメローニ首相を頼もしく感じました。それと比較して、昨年のG7議長国だった岸田文雄首相(1957~)がいかにダメだったかを思い知らされます。

メローニ氏は、次のように述べています。

西側諸国を世界の他の国々と対立させる物語を解体することが重要だった。

岸田首相に限らず、日本の首相でこのように発言できる人はいないでしょう。

まず、このような問題意識が日本の為政者にはありません。世界政治を操る勢力の思惑がどのようなもので、日本が置かれた立場がどうであるか、理解していないからです。

メローニ首相のいうように、西側諸国を操る勢力は、グローバルサウスの国々と西側諸国を対立させようとしています。国内の報道を見れば、政治的に右も左も、同じようにロシアと中国を敵視する書き方です。

グローバルサウスの国々がロシアや中国と接近しているといった書き方がよくされます。

グローバルサウスの国々は、これまでの長い歴史の中で、西欧の列強に虐げられ、搾取されてきました。それを民族として身に染みて知っているのです。それだから、彼らは西欧諸国に常に警戒しています。

そんな国々が頼るのが、西欧諸国の対立軸に置かれるロシアであり中国なのです。彼らがその二国に接近するのは当たり前の話です。

このような世界情勢を日本の政治家や官僚はほとんど認識していないでしょう。日本の立場はいつも同じで、西欧諸国の一番うしろに、金魚の糞のようにくっついているだけです。

日本は国際政治の場で、自分の意見をいいません。これは、いじめられるのを恐れて、ほかのみんな、その中にはいじめっ子もいる球友に、逆らわずに従うのと同じです。

昨年のG7は日本の広島で開かれ、このときこそ、核廃絶を世界の指導者を前に問うのかと思いきや、原爆を投下した米国に頭が上がらない日本には、米国に面等向かって異議を唱えることなどできないことが、サミットの場で世界へ知らしめる結果となりました。

メローニ首相が「(今回のG7議長国として)特に誇りに思う」としたのが、移民を巡る議論をしたことだとしています。

この移民については、欧米諸国の今現在の操られた代表とそれに沿うマスメディアは、「移民を受け入れろ」一辺倒です。

欧米に暮らす一般庶民の正直な考えは、「移民受け入れ反対」です。このあたりも、マスメディアは、勘違いしているか、国民に勘違いさせる報道に徹しています。

日本のマスメディアは、米国のジョー・バイデン大統領(1942~)が「日本は移民受け入れに消極的だ」と発言すると、それに飛びつき、日本も移民をもっと受け入れろ、と米国の尻馬に乗って報道するありさまです。

移民を受け入れた結果のことをマスメディアは想像しません。

日本に移民が増えることで、入って来た移民の一部が、犯罪に走るケースが増えています。犯罪の質も、日本人よりも過激であることが多いです。

今以上に移民の導入が進めば、日本社会の安全がどのようになるか、マスメディアも責任を持って報じるべきです。

G7サミットの議長を務めたメローニ首相は、サミットに参加した各国首脳を取りまとめ、「国境管理を強化する」「密入国や人身売買目的の国際犯罪組織を解体する」「合法的な移民のルートは確保する」との声明を取りまとめています。

日本が議長国になって、このような声明を取りまとめられることは想像できません。

もうひとつ、ジェンダー平等の考え方では、昨年の広島サミットで明記された「安全で合法な中絶」の文言が消えたことを朝日新聞は問題視し、それが本記事の見出しになっています。

サミットに参加した欧州の外交関係者の話では、議長国のイタリアが、これは譲れないとして「拒否権を発動した」ということらしいです。

このあたりも、譲れないものは最後まで譲らないメローニ首相の意思の強さが反映された結果であり、何もできなかった岸田首相の情けなさばかりが浮き彫りになります。

ジェンダーの問題は、ここ十年とかそれぐらいでクローズアップされるようになったように考えます。

当事者にとっては歓迎すべきことかもしれません。しかし、性同一性障害を抱えるような人はごく一部で、どこまでいっても「性的少数者」です。「正常な人」が大多数です。これはいい悪いでなく、現実です。

今の動きは、「性的少数者」に配慮しすぎています。当事者の「性的少数者」も、自分たちが「性的少数者」であることを自覚し、それなりの振る舞いをすることが求められています。

日本の為政者にも、イタリアのメローニ首相のような、主張すべきことを当たり前に主張できることを求めたいですが、無理でしょうか?

少なくとも、メローニ首相は、マスメディアがいう「極右」の政治家ではなく、いうべきことをいってくれる、頼もしい政治家です。

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