増分と差分 どちらが自分に合うか考え中

バックアップについて考えています。

物理的なものにはバックアップという考え方をしません。例えば、油彩画が一枚あるとします。それが、災害などで傷がついたり、失われたりする可能性はあります。だからといって、まったく同じ物を用意し、それをバックアップとして、どこか安全なところに保管するわけにはいきません。

油彩画は一点物で、それに代わる物がほかにはないからです。

多くの人がバックアップを意識するようになったのは、PCが一般的に使われるようになってからです。

私の場合でいえば、PCを使い出したのは1999年5月です。そして、その年の10月に本サイトを作り、運営を始めました。

今は、サイトの運営にWordPressを使っています。使い出したのは2013年2月です。

WordPressによる2013年2月から2016年7月までの分は消えてしまいました。本サイトを独自ドメインに変更する際、私の手違いで、3年間分を失ってしまったからです。

WordPressを使い始めるまでは、テキストエディタHTMLを手書きしてサイトの運営をしました。

自分が作ったHTMLファイルや、サイトで使う画像ファイルなどはすべて自分のPCに保存しました。こんなようなことをしたため、バックアップははじめから必要不可欠でした。

サイト運営のほかにも、デジタルで撮影した写真や動画は日々増えるので、これらが失われてしまわないよう、こまめなバックアップは欠かせません。

3年前の2月までは、最も古典的ともいえる方法でバックアップをしました。バックアップは、そのファイルを紛失するようなことがあったとき、同じ物を別の場所に保管しておくことで、失われたと思ったファイルなりを復元できるようにするために行います。

要するに、基のファイルのほかに、同じファイルをコピーして別のところに保管するだけで基本的なバックアップになります。

私はそれをしてくれる無料のソフトを使い、バックアップしていました。

私のバックアップ環境が変わったのは3年前の2月です。その時、ソースネクストNovaBACKUPというソフトに出会い、それでバックアップするようになりました。

一日一回、決まった時刻に自動でバックアップするようにセットし、あとはソフトに任せていたため、バックアップのことを考えることはほとんどありませんでした。

この環境に変化が生じたのは今年の2月です。毎日、その日のバックアップが自動で終了すると、正常に終了したことを知らせてくれます。

それが、2月のある日を境に、バックアップが終わるごとに、エラーがあったことが知らされるようになりました。原因はわかりません。それが毎日続いたため、鬱陶しくなり、別のフリーのバックアップソフトに乗り換えました。

そのようにして四カ月ほど過ぎた数日前、NovaBACKUPをもう一度使ってみようと思い直しました。

このソフトを使い始めたときにも書きましたが、バックアップの仕方には、「差分」と「増分」の二種類があります。

これらの前提として、差分を選ぶにしろ、増分を選ぶにしろ、一度、バックアップ対象のファイルをすべて完全にバックアップしておく必要があります。

それが済んだら、差分か増分のどちらかを選ぶことになります。

差分というのは、完全バックアップ以降に作られたり変更が加えられた対象のファイルをバックアップします。

一方の増分も基準となるのは完全バックアップです。それ以降に作られたり変更された対象のファイルをバックアップするのは同じです。違うのは、一回のバックアップごとに、前回のバックアップ以降に作られたファイルだけをバックアップすることです。

それだったら差分も同じだと思うかもしれません。同じといえば同じで、実は違っています。

差分は、何回バックアップしても、そのたびに完全バックアップと比較して、新たに作られたファイルをすべてバックアップします。

NovaBACKUPというソフトでは、バックアップを一回のバックアップごとに新たに作る方法と、ひとつのファイルに何度でもバックアップファイルに上書きする方法があります。

もしも毎回新たなバックアップを作るように設定すると、バックアップ容量が雪だるま式に大きくなることが想像できます。

1回目のバックアップで5GBのバックアップをし、2回目が1GBだけのバックアップだったとしても、2回目は1回目の5GB分も加わるため、新たに作られたファイルや変更されたファイルの容量が1GBであっても6GBのバックアップ容量になってしまいます。

要するに、5GBと6GBのバックアップファイルが2個できてしまうということです。合計で11GBです。

それが繰り返されたら、繰り返されるごとにバックアップ容量が増大してしまいます。

それに対して、増分であれば、前回のバックアップ時点から増えたファイルだけをバックアップするため、1回目が5GBで、2回目が1GBの場合は、5GBと1GBのバックアップだけで済みます。合計は6GBです。

このことは理解していましたが、今日、差分であっても、バックアップファイルを上書きする方法であれば、バックアップ容量は増分も差分と同じになるはずだと考えました。

上に書いた例になぞらえて差分でバックアップすることを考えます。

1日目に5GB、2日目が1GBです。2日目は1日目の上に上書きするので、出来上がるバックアップファイルは、何度バックアップしても1個のままで、容量だけがプラスされます。この例では、2日目が終わった時点で、増分と同じ6GBです。

ここまで考えて、実は同じでないことに気がつきます。あとは、バックアップから復元するとき、どのような復元を望むかです。

私はPCを使い始めた1999年5月からバックアップをしてきたと書きました。しかし、幸いなことに、自分が作ったファイルを失う経験はほとんどしていません。

万が一のときのためにバックアップをしながら、その恩恵に預からなければならないようなことに遭遇しないで済んだということです。

ごく希に、誤ってファイルを削除したあとにそのことに気がつき、バックアップしてあったファイルを復元したことがある程度です。

増分でバックアップしたファイルと、差分でしかもバックアップファイルを上書きしてできたファイルの違いがわかるでしょうか?

増分によって作られるバックアップファイルは、それが作られるか、更新された時点がバックアップされています。

それに対し、差分でしかもバックアップファイルを上書きしたものは、たとえば一年前に作ったファイルで、その後、変更を加えていなければ、作ったときの状態ですが、その後、ファイルに変更を加えていれば、変更を加えられた時点のファイルだけが保存されています。

私の経験上では、たとえばあるファイルを復元する必要があるとき、最も「原型」のファイルが必要になったことはほとんどないように思います。

ということから、差分でしかもバックアップファイルを上書きする方法でバックアップしても、それほど困ることがないように考えます。

そうであれば、差分を選び、しかも、前回のバックアップファイルに上書きする方法でバックアップすれば、バックアップ容量も増分と同じで済みます。

そして、仮に復元するときは、基の完全バックアップと差分バックアップのふたつがあれば済むため、シンプルで、問題が生じにくいという利点があります。

一方の増分は、百回バックアップしたら、細切れのバックアップファイルが百個できます。それらを数珠つなぎのようにつなげることで復元しますから、その分複雑です。

千回バックアップをしたら、バックアップを終えた千個のバックアップファイルが必用となり、途中で一個でもバックアップファイルに問題があると、復元に失敗します。

実際に、増分で三年間、毎日バックアップしたので、この間に、増分のバックアップファイルは千個に達しています。

どうしても、数年前に作ったファイルをそのときの状態で復元したいのであれば、増分を使うか、差分を選び、バックアップごとに新たなファイルを作る方法を選ばなければなりません。

すでに書いたように、それを差分でやったら、バックアップ容量がとんでもなく大量になってしまうことは理解してもらえるでしょう。

差分でバックアップファイルを上書きする方法で得られるバックアップファイルは、最終形がひとつだけ保存されます。

増分は、変更するごとにバックアップされ、変更の過程をあとで復元できることになります。

バックアップ方式(差分・増分・フル)データ破壊・改ざん復旧【基本情報技術者試験】応用情報技術者試験 情報処理安全確保支援士

どちらのタイプのファイルが必要になるかで、差分と増分のどちらを選ぶかが分かれそうです。

私の場合はどちらかな? 今、考え中です。

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