私は写真や動画のほかに音声の録音にも昔から興味を持ちます。
昨日の朝、庭に出るとウグイスの鳴き声がしたので、それを録音しようと思い、録音しました。
このところ、鳥の鳴き声など、自然の音を収録するのに使うのは、ZOOMのマイクトラックレコーダーのM3 MicTrakです。

このレコーダーを取り上げる時はいつも書くように、これは、デュアルADコンバータ―回路を持つ32bit float録音ができるレコーダーに、M/S方式のマイクがついています。
メーカーとしては、ミラーレス一眼カメラなどで動画を撮るとき、より良い音を収録する目的のために開発したものでしょう。レコーダーにはショックマウントがつき、カメラのアクセサリーシューに簡単に取り付けができます。
私は動画の音を収録するのではなく、フィールドレコーダーとしてこれを購入して使っています。
このように、M3 MicTrakを昨日の朝も使おうと思いましたが、ふと別の考えが浮かびました。同じZOOMの商品で、自分の声を録るのに使うフィールドレコーダーのF2を使って収録してみたらどうかと。
F2には専用のタイピンマイク(ラベリアマイク)が付属しています。

ピンマイクにもさまざまな指向性を持つものがあるでしょう。ただ、基本的には胸元に取り付けて使います。口元に近いところにつけて使うため、必要以上に指向性を狭くする必要がありません。
指向性が狭すぎると、マイク先端の角度が少し違っただけで、録れる音も違ったりし、却って困ることがありそうです。
F2に付属するピンマイクは、おそらくはそのあたりの使い勝手を考えた上、どの方向の音も拾うことができるよう無指向性に作られています。
また、ナレーションの録音をするのであれば、ステレオである必要がなく、レコーダーはモノラルでのみの録音です。
このF2と付属の無指向性のピンマイクを使い、自然の中で鳴くウグイスの声を収録したらどのように録れるのか興味を持ち、収録しました。
その結果の音声ファイルを下に埋め込みます。
いかがですか? 人の声を収録するのに特化したようなF2と付属のピンマイクで、ウグイスの鳴き声が綺麗に録れているように感じませんか? 私はそう感じました。
ピンマイクの先にはスポンジ製の風防がついていますが、昨日の朝、関東南部の当地は風が吹いていなかったので、風防を外して使いました。
F2とマイクを収録場所に置き、15分ほど録音を続け、私はその場所から家の中に戻りました。
デュアルADコンバーターを32bit floatで録音した音声ファイルは、そのままでは音量が小さいので、私はオーディオ編集ソフトのiZotope RX 10で音量を大きくしています。
自然音を録音した音声ファイルの場合、私はRX10のLoudness Controlを使って音量を変更します。プリセットがいくつもあり、私はVideo Streaming Deliveryを選びます。
RX10でやることはこれだけです。
今回、ウグイスの鳴き声を収録するのに、M3 MicTrakの代わりにF2と付属のピンマイクを使ったのにはある理由があります。
少し前、ネットの動画共有サイトで、ZOOMのレコーダーについて解説する動画を見ました。その配信者は、32bit floatを使った録音にも精通されている印象です。
その人がある動画の中で、指向性を持つマイクよりも無指向性のマイクの方が、風切り音を拾いにくいと話されていました。
それを思い出し、F2と付属のピンマイクでウグイスの鳴き声を収録して見ようと思ったのです。
自然音を収録するならステレオ録音というのが一般的な考えかもしれません。しかし、今回モノラルで録ってみて、ステレオでなくても構わないように感じました。
映画やドラマで自然音を音の効果として使う場合を考えると、モノラルで録っておいた方が、意図した方向からそれを使うことができ、却って便利なのではないでしょうか。
今回の経験を踏まえ、F2に付属するピンマイクはコードが長くできているため、コードがないか、あっても短く、しかもモノラル専用の小型マイクがあれば購入したいと考え始めました。
音の世界も、写真や動画と同様、関心を持つと興味の幅が広がります。