昨日(21日)の本コーナーで、可変NDフィルターを写真の撮影に使った話を書きました。
その中で、可変NDフィルターをつけて撮影した画像が「いい感じ」に見えると書きました。続けて、そのように感じる理由についてはまだわからないので、何か気がついたことがあったら書く、と書きました。
まだ「途中経過」で、断定的なことは書けませんが、昨日の夕方、同じように可変NDフィルターをつけて撮影している時、あることに気がついたので書いておきます。
NDフィルターは、レンズから入る光の量を減らす効果のために使われます。その効果によってどのような利点が生まれるかといえば、たとえば、F値の小さなレンズを、晴れた日中などに使い、より小さなF値で撮影できることがひとつあります。
小さなF値を使うことで、フォーカスが合った部分以外をぼかした表現が使えます。
また、より強いND効果を使い、シャッター速度を極端に遅くすることで、通常の撮影ではなかなか実現できない表現ができます。
これを使って滝を撮影し、滝の水流を煙のように見せることができます。
また、街角が見渡せるところにカメラを設置し、長時間露光することで、カメラに写るはずの車や人が消え、建物だけが写る表現にすることもできます。
こんな風に、NDフィルターは、F値を小さくしたり、シャッター速度を遅くするのが一般的な用途といえましょう。
私が思いつきで可変NDフィルターを使い、撮った画像を見て感じた「いい感じ」は、一般的な用途から生まれたものとは違うものを感じました。
それがどんなことか、昨日の夕方、庭に出て、可変NDフィルターをつけて撮影している時に、何となく気がつきました。
昨日のその時間、関東南部の当地は、薄い雲の間から青空や陽射しが覗くような空模様でした。陽が射すと、途端に強い明暗の状態となる。そんな感じでした。
写真を撮っていて難しいと感じるのは、明るい部分と暗い部分が混在するような撮影状況です。明部に露出を合わせるか、それとも、暗部に露出を合わせるかで、出来上がる写真が極端に異なります。
それとは別に、明部と暗部をうまい具合に一枚の写真に収める表現もあります。しかし、明と暗の対比が大きければ大きいほど、それはとても難しくなります。
昨日の夕方の空も、それに近い難しい光の状態でした。
その空に、可変NDフィルターをつけたレンズを向け、可変によって、NDの比率を小さめにしたり、大きめにしたりして、その見え方を電子ビューファインダー(EVF)で確認しました。
それをしているとき、ちょうどいい感じにNDをかけると、NDフィルターをつけないときには得られないような、明部の白飛びが押さえられているように感じました。
それに加えて、ISO感度で全体の明るさを変化させることで、可変NDフィルターを使わなくては撮れないような写真にできる可能性を「発見」しました。
言葉だけではわかりにくいかもしれません。手元に可変NDフィルターがある人は、自分で同じようなことを試すことで、私が書いたことが、少しはわかってもらえるかもしれません。
はじめに書いたように、私がそう感じたというだけのことで、断定しているわけではありません。
今後も、可変NDフィルターをつけっぱなしにして、しばらく、明暗の対比が大きい被写体で、その「効果」を確認してみようと考えています。