京アニ放火事件と生長の家から見える風景

昨日、ネットの動画共有サイトYouTubeで気になる動画を見ました。少し前からお勧めの動画として表示されていましたが、昨日まで見るのを先延ばししていました。

先延ばしした理由には、台風15号の影響を受け、私の家でも約55時間停電したこともあります。電気が来ないのですから、ネットで動画を見るどころではありません。

今年の7月18日、京都にある「京都アニメーション」のスタジオが放火され、35人が死亡する痛ましい事件が起きました。

私はアニメへの関心が強くないため、事件が起きたことでそのようなアニメスタジオがあったことを初めて知りました。そんなわけですから、その会社がどんな作品が手掛けたのかも知りませんでした。

放火の犯人はすぐに特定されましたが、放火の際に大やけどを負ったとかで、一時は生命も危ぶまれました。今も取り調べができる状態にまで回復していないようで、動機や事件の全容解明はお預けの状態です。

私はテレビのニュースは、本サイトの“天気コーナー”「天気の話」を更新する関係上、午後6時台のNHK総合で放送される首都圏向けのニュース番組「首都圏ネットワーク」を辛うじて見るだけで、ほかはまったく見ることがありません。

そんなわけで、その番組以外のニュース番組がこの事件をどのように報じたのかはわかりません。新聞(家では朝日、日経、産経、地方紙の4紙をとっています)の報道にざっと目を通して感じたのは、同社のアニメ作品に愛着を持つ人々が悲しむ様子を盛んに報じていた印象です。

それに目を通すうち、私は報道に違和感を持つようになりました。どんな事件の背景にも裏と表があるものですが、表の部分だけが必要以上に強調されているように感じたからです。

もちろん、放火事件で命を落とした人は気の毒に思いますが、アニメの制作現場が過酷であろうことは知っています。そんな職場ですから、ブラックな部分がないはずはないのに、そうした面に目を向けることがありません。

長寿アニメ『サザエさん』でマスオ役を長年務めた増岡弘氏が年齢を理由に、今年の8月にそのキャラクターの声優の仕事を降りたニュースがありました。それを伝える朝日新聞の記事に、声優が置かれた立場の厳しさについて触れた部分がありました。

30分の番組の仕事では3時間ぐらい拘束されるそうですが、それで受け取るギャラは1万5千円程度とありました。そんな状況であるため、よほどの売れっ子でないかぎり、声優だけで食べていくのは大変であるようです。

ましてや、アニメの制作現場は、夜も昼もないように仕事をし、賃金もそれほど恵まれていないでしょう。

また、どんな職場であっても人間関係にはトラブルがつきもので、京都アニメだけそうしたことが一切なかったとは思えません。それなのに、そうした負の面が放火事件を伝える報道ではまったくなく、読者の同情を誘うようなことばかりで埋め尽くされました。働くスタッフも全員が聖人君子のように書かれています。

私の勝手な想像はともかく、この放火事件発生直後から、ネットの一部では事件そのものに不信感を持つ者が一定数いたようです。私はネットの掲示板やSNSの類いからは距離を置いているため、そうした声が挙がっていることは知らずにいました。

そんな私が昨日になって、YouTubeのお勧め動画として少し前から表示されている動画を見ることをしました。それは、昨日、本サイトで既に紹介した下の動画です。

本日の豆告知
下に埋め込んだ動画は、2022年4月3日、YouTubeから削除され、見ることができなくなりました。

顔出しで動画を配信されているのは、Kawataさんという女性です。Kawataさんのほかの動画を見ますと、彼女は四国の愛媛県在住のようです。それだから、加計学園問題にも無関心ではいられないのでしょう。

彼女はブログの更新もしており、動画で話されていることを文字化した記事も投稿されています。

Kawataさんがする主張の内容は、動画とブログの記事で確認してみてください。また、そこで展開されている内容をどのように受け取るかはその人次第です。

Kawataさんは、新宗教団体の1つ、生長の家がこの事件に深く関わっていると話しています。

生長の家を、私はある時期までほとんど知りませんでした。知ったきっかけは森友学園を巡る問題が起き、それに関心を持ったことです。

この問題は本コーナーでたびたび取り上げ、数多く投稿しましたが、本サイトが独自ドメインに移行する際、私の不注意で、WordPressへ移行後に投稿した約3年5カ月分(2016年2月途中から2019年7月8日)が消えてしまうという失敗をしました。

そこに書いたことは、その時限りで得た情報や知識であるため、復元できないのが今となっては残念です。ですので、自分の記憶をもとにこの宗教団体についても書いていくことになります。

私の認識では、森友学園が開校を目指した瑞穂の圀記念小学院は、安倍晋三首相を中心とする勢力によって生まれたもの、というものです。

この事件の真相は今も闇に置き去りにされたままですが、政官財が官邸のコントロールのもと、疑獄事件さえもないものにされようとしています。

この事件について書こうと思い、YouTubeでも関連の動画をいくつも見ましたが、その中で私が府の落ちたのは、瑞穂の圀記念小学院が開校される予定だった大阪・豊中で市議をされている木村真氏が、真相を語る以下の動画でした。

これを見ることで、この事件の背後で日本会議という極右の団体が動いていることは間違いないと考えました。森友学園の前理事長・籠池泰典氏も、日本会議のメンバーだったことがわかっています。

開校予定の小学校は、教室の床に畳を敷ける仕組みになっており、日本会議のメンバーが集まる催しをするなら、教室が宿泊施設にも利用されただろうという指摘をネットで確認しました。

森友学園が運営する塚本幼稚園は、園児に時代錯誤な教育勅語の暗唱を強制していました。そんな経営者の幼稚園では、事件が発覚する直前まで、日本会議の広告塔である櫻井よしこ氏や青山繁晴氏、百田尚樹氏というような、その方面では御馴染の連中を招き、講演会を開いていたと聞きます。

もしも事件が発覚しなかったら、安倍首相も昭恵夫人と2人で連れ立って幼稚園を訪れ、籠池理事長と友好を深めていたでしょう。

そんな仲であったのに、発覚後、国会で籠池氏との関係を繰り返し質問されると逆切れし、籠池氏を「しつこい人」と切り捨てています。

櫻井よしこ氏ら安倍首相の腰ぎんちゃく連中も右へ倣いで、森友学園とは無関係であったと逃げの一手に出ました。

私は日本会議という団体も知りませんでしたので、菅野完氏が書かれた本などを読み、知識をにわか仕込みしました。

私の記憶では、学生運動が盛んだった1960年代以降、時の政府に逆らう学生たちを尻目に、反政府の学生運動を抑止するような運動をした学生たちがいたことを知りました。

それが長崎大学で起こり、それがほかの大学にも広がっていったようです。その運動の中心にいたのが生長の家の信者の家の息子であったり、若者が信者であったことを知りました。その活動は、彼らが学生でなくなったあとも続き、その運動から日本会議が生まれた、との内容であったように記憶しています。

千葉県内を中心に台風15号の影響により、大規模な停電が続いていたさなかの今週水曜日(11日)、安倍首相は内閣改造を行い、誇らしげに各省の大臣を紹介しています。

大臣に任命された1人、衆議院議員として4期目の衛藤晟一(えとう・せいいち)氏は注目に値します。衆議院議員4期目でありながら、これまで大臣に任命されたことはありません。今回が初入閣です。

この衛藤氏は、学生時代から長崎大で始まった反政府の学生運動抑止の運動に関わった人物です。おそらくは生長の家の信者でしょう。大学を卒業後も活動を続け、日本会議の中心に近い存在であると記憶しています。

日本会議の悲願は日本国憲法第9条の改正です。

その実現のためだけに活動しているともいえる日本会議の中心メンバーである衛藤氏を隠さず表舞台に引き出したのですから、安倍首相の改憲意欲がいよいよ高まってきたと見るべきでしょう。

主要メディアは、憲法改正に賛成の読売新聞や産経新聞と、反対の朝日や毎日などに分かれているように一般国民は考えるかもしれません。しかし、裏で各社は足並みをそろえているのであり、朝日や毎日も改憲を徹底的に阻止することはしないだろうと思います。

それぞれの新聞社も、末端の記者は様々な政治信条を持つでしょう。しかし、トップに就く人間が体制になびいているのですから、下の人間にはどうすることもできません。

朝日新聞グループのテレビ朝日にしましても、代表取締役会長の早川洋氏は、安倍首相とは“飯友”の関係です。生長の家の本部は山梨県内にあります。早川氏の出身も山梨ですが、これは偶然でしょうか。

こんな人物がトップに座るテレビ局ですから、同局の看板ニュース番組「報道ステーション」で、安倍政権を叩くわけにはいきません。表面上は叩くふりをしても、視聴者に気づかれないようにフォローするような作りになっているはずです。私は同番組を見たことがないので実情はわかりませんが。

「報道ステーション」は、先週でしたか、桐永洋チーフプロデューサーを辞めさせています。桐永氏は早川会長のお気に入りで、現政権に従順な番組作りにするため、彼を任命しています。

桐永氏がプロデューサーになる以前から番組に関わっていたスタッフには、桐永氏に反発する者が少なくないという話です。それが今回の追放の動きに力を与えたのかどうかわかりませんが、セクハラ問題を起こしたかどで任を解かざるを得なくなったのはご承知の通りです。

日本会議と生長の家の関係の話に戻します。

日本会議について私なりに調べるうち、今の生長の家は政治的な運動からは離れ、日本会議とは一切関係を持たなくなったという情報があり、私も生長の家と日本会議の関係は切れたものと見ていました。

ところが、今回、Kawataさんの動画を見ますと、依然として関係は続いているばかりか、京都アニメの放火事件は、生長の家が協力しているというような話になっています。

ネットには玉石混交な情報があり、それらを取捨選択した結果導いた結論であろうと思います。それが真相に近いのか、私にはまだ判断できません。

生長の家の創設したのは谷口雅春という人物です。森友学園事件が起きたことで、いろいろと調べていく中で、私もこの人物を知りました。谷口が著した『生命の實相(せいめいのじっそう)』は多くの人に影響を与えているようです。

影響を受けた1人に、森友学園事件でも主要な人物として名前が上がる稲田朋美元防衛相がいます。彼女の旧姓は椿原(つばきはら)で、父は椿原泰夫です。稲田氏は父をとても尊敬していたように記憶しています。

父・椿原泰夫は、福井県内の被差別部落(部落問題)出身です。

その生まれもあったからか、生長の家を信仰していたようです。その家庭で育った稲田が谷口の教えに従うようになるのは自然の流れともいえ、稲田氏は成人に達する過程で『生命の實相』をボロボロになるほど愛読したそうです。

森友学園の籠池前理事長も生長の家の信者ですから、稲田氏とも通じやすい関係にあります。弁護士になった稲田氏は、夫共々森友学園の顧問弁護士を務めたはずですが、事件発覚後は、それらをすべて否定しています。

当時、森友学園との関係について国会で質問を受けた様子が上の動画ですが、見ているこちらが気の毒に思うほど動揺しています。答弁のあと、自分の席に戻るときにまごつくほどです。顔つきも正常には見えません。人間、嘘をついたら態度に現れずには済みません。

京都アニメ放火事件につきましては、私なりに調べられることがあり、真相に近いと確信できることがありましたら、本コーナーで改めて取り上げることにします。

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