WBはこだわると面白難しい

どんなことであっても、ある程度突き詰めてやろうとすると、逆に難しいことが増えたりします。

私は昔からスチルや映像の撮影を楽しんできました。今はそれらを、ソニーのミラーレス一眼カメラ(ミラーレス)のα7 IIで楽しんでいます。

どちらも趣味で愉しんでいるだけですから、突き詰める必要はありません。それでも、逆に趣味だから、突き詰めたい気持ちがなくもありません。

先週の本コーナー(14日)では、ソニーのS-Log2ガンマで撮影する際に、ホワイトバランス(WB)を、カメラ任せのオートホワイトバランス(AWB)ではなく、自分でWBを合わせることをしたらどうか、と考えたことを書きました。

前回、WBについて書いたとき、晴れた日にその設定でテスト撮影してみることを書きました。昨日、天気が回復した午後にその撮影をしました。

今回は、ピクチャープロファイル(PP)のPP1のMovieガンマではなく、本来の目的であるPP7にあたるS-Log2ガンマで撮影しました。

その結果となる動画を下に埋め込みます。

可変式NDフィルターをつけホワイトバランスを「太陽光」にして撮影

撮影時の設定は次のとおりです。

本動画を、ネットの動画共有サイトのYouTubeで写真について動画にして配信されている写真家でカメラマンの渡部さとる氏(1961~)に動画で教えてもらった「感度分の16」の考え方を当てはめると、ISO感度をISO50で撮影できれば、NDフィルターなしで、青空を青く表現できることになります。

ただ、私が使うα7 IIのS-Log2ガンマで撮影する場合は、ISO感度をISO1600より低感度にはできません。

ISO1600は、ISO50より、【50→ 100→ 200→ 400→ 800→ 1600】5段感度が高いことになります。ちなみに、露出設定で1段変わるごとに、光の量が、低いほうに向かっては1/2、高いほうに向かっては2倍の差になります。

私は少し前から、Log撮影においては、適正露出より1と2/3段露出オーバーにして撮影するようになりました。

今回のテスト動画でもその設定で撮影しています。ということは、ISO感度を2段弱低くして使えるわけですから、5段から2段を引き、3段強ほどをNDフィルターで補って撮影したことになります。

NDフィルターをつけると、どうしても色が変色することが起きやすくなりますが、WBを「太陽光」にして撮影したからか、色の編集で色温度を調節しなくても、青空が青く写っています。

動画編集ソフトのDaVinci Resolve Studioのカラーページで調整していますが、手を加えたのは明度コントラスト彩度のみで、色温度とティントは、撮影したままで、まったく手を加えていません。

また、これは少し前からやっていることですが、「カラースペース変換」の入力カラースペースに”Sony S-Gamut”、入力ガンマに”Sony S-Log2″を選択しています。

これをひとつのノードにあてるだけで、ほぼ、色彩が復元されます。あとは、明度とコントラスト、彩度をそれぞれのノードで微調整する程度で済みます。

このように、自分で実際に試してみて、WBを「太陽光」にしておけば、NDフィルターの影響が出にくいことが確認できました。

こんなことをした私には実にタイミングよく、ネットの動画共有サイトのYouTubeで、動画や音楽についての解説動画を配信されているmillioneon うえでぃー氏が、次のような最新動画を配信されていました。

いつオートホワイトバランスは使う?設定を間違えても直せる方法教えます

millioneon うえでぃー氏は、依頼されて、月に一本ぐらいのペースで動画を作られているそうです。

私のように趣味で動画を撮るのではなく、仕事として動画を納品する場合は、色にはとても気を使われるのでしょう。それだから、millioneon うえでぃー氏は、AWBで撮影することは、短いカットを数多く撮るなど、特定の条件でなければ、ないそうです。

millioneon うえでぃー氏は本動画の中で、WBを測定できるアプリを紹介しています。それは有料版で、三百数十円ということでした。

動画を見たことで、私も自分でWBを測定するアプリを使ってみたくなりました。私はスマートフォン(スマホ)は使っていないの、タブレットPCで使えそうな無料アプリを見つけ、実際に使い出しました。

私が今日使い始めたのは”Light meter”の無料版です。このアプリには、有料の上位版もあるようです。

Light Meter – Tutorial 1.6 – White Balance

このアプリは、色温度を測定できるだけでなく、ほかにも、撮影条件から適切な露出設定を選べる「手動電卓」など、実に様々な機能が備わっています。

Light Meter – Tutorial 1.5 – Manual Calculator

そのひとつに「グレーカード」というのがあり、それを選ぶと、ホワイトとブラック、反射率18%グレーが液晶画面に表示されるようになっています。

たとえば、ホワイトをカメラのWB設定で読み込み、その場の色温度を測ることにも使えるでしょう。

そんなことをしなくても、「ホワイトバランス」の機能で、スマホやタブレットPCのカメラで撮りたいものに向ければ、色温度を数字で示してくれます。

ただ、実際にやってみると、私の場合はタブレットPCですが、ほんの少し動かすだけで、色温度を表すケルビンの数字がくるくると変化します。

本日の豆理解
アプリを使い始めてすぐに書いたため、理解しないまま書いてしまいました。このアプリに搭載されている「ホワイトバランス」の機能は、スマホやタブレットPCのレンズで、白やグレーの紙を写し込み、色温度の数値を読み取るのが正しい使い方(?)のようです。
これであれば、カメラにも、同じような機能が搭載されています。私のカメラでは、WBの条件を三つ保存できるようになっています。

私はこれまでもっぱらAWBを使ってきましたが、これだけ微妙にWBが変化するのであれば、AWBを使って撮影するのもそれほど間違ってはいない(?)ように感じないでもありません。

ちょっとしたきっかけで使い出した”Light meter”無料版ですが、使ってみるとなかなか面白そうなアプリです。

Light Meter – Tutorial 1.1 – Introduction
Light Meter – Tutorial 1.2 – Light Meters
Light Meter – Tutorial 1.3 – Camera Meter
Light Meter – Tutorial 1.4 – Sensor Meter

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