ドビュッシー:音とかおりは夕暮れの大気に漂う(ミシェル・ベロフ)

リクエストカード(303)

種村さん、こんにちは。今回は「初秋のクラシック」で募集宛てです。今年の夏は大変な猛暑となり、無事に秋が訪れる(?)のだろうか、と心配したりしましたが、ようやく秋の気配が漂い始めました。▼秋の始まりに似合いそうなピアノの曲を選んでみました。本人は嫌っていた(?)ようですが、ドビュッシーの曲は「印象主義音楽」といった捉えられ方をします。専門的なことはわかりませんが、本人の思いとは別に、印象派絵画に近い印象を持ったりします。▼この曲にしても、始まりがあるようでなく、また、いつ終わるともなく、ピアノの音色がずっと続いていくような感じがします。奏でられる旋律も、寄せては返すことを繰り返す波のよう。それは、高まっては鎮まる人の感情にも似ています。▼夏の暑さが収まり、大勢の人々で賑やかだった海辺も静けさを取り戻したでしょうか。夕暮れ時、静かな砂浜に腰を下ろし、沈みゆく夕陽を眺めれば、あたりに漂うのは、潮の香りと波の音だけ。遠くで聞こえた子供の声に、幼い頃の自分をふと思い出したりして。

番組で私のカードが紹介された部分の音声ファイル
(※私のカードを読んでくださっているのは種村祐美子さんです)

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