選抜高校野球大会の決勝戦があったのは今月1日ですから、その日から今日で4日になります。たった4日前ともいえますが、終わってしまえば、随分前のように感じなくもありません。
決勝戦の前日は休養日にあてられましたので、準決勝があったのは先月30日です。
準決勝の第1試合は、優勝した山梨学院(山学)と広陵が対戦しました。結果的には山学が6-1で勝利していますが、8回が終わった時点では1-1の同点でした。
私はところどころをテレビで見ており、終盤は続けて見ていました。それを見ていて感じたのは、野球という球技は結局はアバウトなスポーツだ、ということです。
陸上の短距離や水泳であれば、電子時計や画像判定で、1秒以下の差であってもしっかりと判定します。その点、野球は人間が判定を下すため、ときには、勝敗を大きく左右します。
最も判定を左右するのは、球審のストライクとボールの判定です。どんなことでも、「たられば」で論じるのは不毛です。しかし、どちらをひいきするのでなく見ていても、明らかに微妙な判定というのは、時として見られます。
準決勝の広陵-山学戦にしても、そのときどきのストライク、ボールの判定が逆で「あったら」、逆の結果になっていたかもしれない、と考えなくもありません。
後攻めの広陵が8回裏、2アウトで二塁と一塁に走者が出ていました。ここで、打者がヒットを打てば、広陵が一気に活気づくでしょう。
ヒットが出なくても、その打者がフォアボールで一塁に出れば、2アウト満塁になり、山学の林投手にはプレッシャーとなる場面です。
私もその場面をテレビで見ていました。カウントは、3ボール、2ストライクのフルカウントとなりました。そのあとに投じられた球は、ストライクコースよりもやや高めに見えました。
打者はボールだと思い、一塁へ向かおうとする仕草が見られました。しかし、球審の判定はストライクで、広陵の攻撃はここで断たれました。
野球という競技には面白い現象がいくつもあります。
たとえば、守備の選手が交代されると、必ずといっていいほどの確率で、替わったばかりの選手の守備位置に打球が飛んで行ったり、転がって行ったりすることがよく起きます。
また、高校野球で一日に3試合組まれると、それぞの試合のスコアが似たようなものになることがあります。
ほかにも、守備でピンチをしのぐと、次の攻撃で得点をしたりします。
広陵と山学の試合では、ピンチをしのいだ山学が、9回表の攻撃で集中打によって5点を奪い、試合を決めています。
その場面を私はテレビで見ていました。
9回表の山学の攻撃は、最初のバッターがレフト前ヒットで一塁に出塁しています。
続くバッターは犠打で走者を二塁へ送っています。これで、1アウト二塁です。
勝負の分かれ目は次の打者に対する球審の判定であった、ように私は記憶しています。
打者は、見逃しストライクとファウルで、2球で追い込まれました。3球目はボールで、打者は2球続けてファイルでしのぎました。
広陵の高尾投手がその次に投じた6球目が、決勝進出が山学に決まることにつながる投球になった(?)ように、素人の私には感じられました。
6球目を球審はボールの判定をしました。が、テレビで見ていた私にはストライクのように見えました。このあたりが、人間が判定をする野球という球技の難しいところです。
広陵の高尾投手にしても、6球目をストライクと判定してもらえたら、2アウト二塁となり、この回に5点を失点することにはつながらなかった可能性があります。
この判定のあとに投じた7球目を、山学の打者がセンター前に痛打し、1-1の均衡を破る2点目が山学に入ります。
8回裏と9回表に球審が判定したストライク、ボールが、この試合の行方に大きく作用したように感じられた一戦となりました。
所詮、「たられば」の話として、こんなことを書いてみました。