何気ない日常の中で、思いがけず嬉しいことが起こることがあります。昨日の午後、それが私に起きました。
きっかけは、ソニーから届いた商品の案内メールです。そのメールで紹介されていたのは、1月17日から発売が発売が始まったばかりのデジタルオーディオプレーヤー(DAP)の”NW-ZX707 WALKMAN”です。
今に比べて、スマートフォン(スマホ)の機能が少なかった時代は、音楽を楽しむためのDAPが今に比べて使われていました。それが今は、スマホで音楽も楽しめるようになり、以前に比べてDAPの需要が減っている(?)でしょう。
そんな中にあり、ソニーが敢えて世に出したDAPといえましょう。
メールのリンクから商品の概要を見るうち、私もDAPで音楽を楽しんでみたい気分になりました。
ソニーは、音楽用カセットテープが全盛だった1979年1月、カセットテープでどこでも音楽が楽しめるWALKMANを売り出し、大変な人気となりました。
その時代、私はWALKMANの人気は知りつつ、自分で使うことはありませんでした。
音楽を聴くのなら、自宅にあるオーディオセットを使えばよく、外出先で音楽を楽しむことは考えなかったからです。
ソニーのWALKMANに限らず、外に持ち出して音楽を聴くためのオーディオプレーヤーを私は使わずに、アナログ時代を過ごしました。
そんな私でしたが、今から16年前の2006年、あるDAPに非常に惹かれるものを感じ、2007年11月に手に入れて使い始めました。それは、ソニーのWALKMANにかつて憧れて愛用したと聞く、Appleの創業者、スティーブ・ジョブズ(1955~2011)が世に送り出した”iPod”というDAPの原型である“iPod classic”(2001~2014)です。
このiPod classicにしても、発売されてすぐに飛びついたわけではありません。もうすでに世の中にその製品が出て5面目です。
私の姪が購入したiPod classicを手に取らせてもらう機会がありました。その瞬間、メカとしての完成度に驚嘆し、一遍でiPod classicに惚れ込み、自分でも愛用してみたいと考えました。
iPod classicは、発売されたときに、製品は完成していたといえましょう。大概の製品は、発売後に改良がくわえられますが、このiPod classicは、内蔵するハードディスクドライブ(HDD)の容量を大きくするぐらいで、外観と操作性は最後まで変わりませんでした。
表面は極めて平面で、ボタン類はありません。ボディの下半分には平面に平面なホイールがあり、それだけですべての操作が行えます。
これには非常に痺れ、今も痺れています。
こんな風に心底惚れ込んだiPod classicでしたのに、何年前か忘れましたが、使えなくなりました。
それ以前、最初に手に入れたiPod classicが、中古で手に入れたこともあってか、専用ソフトのiTunesとの同期に失敗するなどして、使えなくなってしまいました。
その後、今度は新品でiPod classicを購入し、愛用していたのです。
今考えれば、最後に安く購入できたタイミングで、そのあと、価格が何倍にも高くなりました。
その2代目のiPod classicが何年か前に使えない状態になりました。原因がわからず、内蔵電池が劣化したことを疑い、自分で入れ替えることも考えました。
しかし、自分にはできそうにないと考え、そのまま、箱に入れて保存してありました。
私は、1983年4月から2011年3月末まで、NHK-FMのリクエスト番組「夕べの広場」および「夕べのひととき」、そして番組名を変えた「サンセットパーク」の熱心な一リスナーとリクエスターだったこともあって、音楽アルバムは割と所有している方かもしれません。
今現在、私のiPod classicには【130109曲】の曲が入っています。私はヒット曲は基本的に好きではなく、あまり知られていないような曲が多いと思います。
iPod classicに音楽を入れるには、専用のソフトであるiTunesを介さなければならない仕組みです。そのソフトとの同期でトラブルが起き、その結果、1台目のiPod classicが使えなくなった(?)と考える私は、同期させるのが怖くなり、2代目になってからは、していません。
それもあって、それ以後に購入したCDの曲は、iPod classicでは聴けない状態にあります。
この【130109曲】には、2000年に亡くなった私の姉が持っていたレコードやCDの曲も含まれています。
アナログのレコードもすべてデジタル化し、iPod classicに入れました。その作業を集中的にしたのは2007年の終盤です。
これが一段落したあと、私の「熱」がデジタルカメラへ波及していいました。
ここまで、iPod classicとの出会いと、それをどれほど愛用していかについて書きました。そんなiPod classicが、ある日、突然のように使えない状態になったのです。
今考えれば、使えない、と私が考えてしまっただけで、実は、使えるのに、使えるようになる方法を私が確かめていなかっただけ(?)かもしれません。
昨日の午後、ソニーから届いた商品案内のメールにあったNW-ZX707 WALKMANを見て、iPod classicをもう一度使ってみたい気が急に起こりました。
それで、ダメで元々の気分で、めったに使うことがない、iTunesを起動させ、そのあと、iPod classicを、いつ以来かわからないぐらい久しぶりに、ケーブルでPCのUSB端子に接続しました。
すると、驚いたことが起きました。まったく反応しないと思っていたiPod classicの小さな液晶モニタに、内蔵電池が消耗しているので充電中の表示が現れたのです。
これには本当に驚きました。そして、PCのUSB経由で充電したら、元通り使えるようになるかも、と急激に期待が高まりました。
そのあと、iPod classicが元通り使えるようになりました。これ以上の喜びはありません。
ただ、久しぶりに使ったため、駅用モニタの表示の消す方法を忘れていました。
使っているうちに思い出しました。再生と一時停止が評されている部分を長押しするだけで表示が消えるのでした。
Appleの製品は、一般的に排他的なところがあるように私は感じています。
iPod classicを使っていたとき、内蔵電池の充電をするため、iPod classicの専用端子と電源プラグがついたコードで充電していましたが、これはAppleの社外品で、Appleが望まない充電方法だった(?)かもしれません。
昨日の午後は、Apple関連で、もうひとつ、プレゼントのような出来事がありました。
iPod classicが使えるかもしれないと考える前後頃、Appleのサイトを訪問すると、音楽ストリーミングサービスの“Apple Music”が、通常は月額1080円かかるところ、1カ月無料で利用できると表示されました。
これは、私にとってはタイミングが非常に良かったです。というのも、今月の9日で、Spotifyの2カ月無料期間が終了したばかりだったからです。
今回も、無料につられて、すぐにApple Musicを無料で聴き始めました。
ここで、Apple Musicの無料利用に関する注意点を書いておきます。
Appleはこのサービスを「無料トライアル」というようですが、この期間中にキャンセルをしてしまうと、その時点で「無料トライアル」の利用ができなくなってしまうので注意が必要です。
このあたりも、Appleはほかの同様のサービスに比べて厳しいです。たとえば、Spotifyであれば、無料サービスを利用し始めてすぐに、キャンセルを忘れないよう、キャンセルの「予約」をしても、利用期間中は無料で利用できます。
実際にApple Musicを使ってみると、やはり、この音楽配信サービスが、私にとっては最高です。
Apple Musicが私のために、エンドレスで音楽を提供してくれる「ステーション」に設定しておくだけで、私好みの音楽が延々と流れ続けます。
この快適さは、Apple Music以外では味わえません。
というのも、Appleとは、iPod classicを通じて、私が所有する楽曲の情報がApple側と共有できていることが何といっても強みとなりましょう。
次々に流れて来る楽曲が、どれも私の好みにこれ以上ないほど合致します。というわけで、私にとっては、音楽配信サービスでApple Musicに勝てるサービスはありません。
AppleのiPod classicが復活し、おまけに、ストリーミングでもApple Musicを楽しめることになり、Apple漬けの日々が始まりました。
この調子では、1カ月の「無料トライアル」が終わったあとも、Apple Musicを使い続けそうな気がし始めました。