580ミリの望遠で月動画

1カ月ほど前の1月11日、ソニーのミラーレス一眼カメラ(ミラーレス)のα7 IIで撮影した月の動画を紹介しました。

明け方、外へ出てみると、また、満月(本日正午の月齢が15.3)が浮かんでいるのに気がつき、動画で撮影しました。それを動画にしましたので、下に埋め込んでおきます。

PENTAX Qで月動画(2023.2.6)

前回の動画は、α7 IIに24-240ミリのズームレンズをつけ、最望遠の240ミリで撮影しました。それに比べ、今回の方が月が大きく見えるでしょう。

およそ580ミリの望遠レンズをつけて撮影しました。

撮影に使ったカメラはα7 IIではなく、最近、再び使い始めたペンタックスPENTAX Qです。このカメラで通常使うレンズは、35ミリフルサイズ換算で47ミリの単焦点レンズです。

PENTAX Qに単焦点レンズの01 STANDARD PREIME

そのレンズをつけて撮ったら、肉眼で見たのと同じ大きさの月しか撮影できません。

そもそも、私がQを使おうと思ったのは、昔、8ミリ映画を趣味にしていたときに手に入れた、富士フイルムの8ミリカメラ、フジカZC1000用のレンズをQにつけて使おうと考えたことです。

8ミリカメラのほとんどは、カメラのボディにズームレンズが固定されており、レンズを外して交換することはできません。そんな中にあって、ZC1000は例外的に、レンズが交換できる8ミリカメラでした。

そのZC1000用には、10倍ズームのレンズと、35ミリフルサイズ換算で35ミリ程度の単焦点レンズを持っています。

PENTAX Qに搭載されている撮像素子は、8ミリフィルムの1コマのサイズに近い1/2.3型であり、なおかつ、レンズが交換できることを知り、昔に使ったZC1000用のレンズが使えそうだ、とQを手に入れました。

ZC1000のマウントは、16ミリフィルムのムービーカメラと同じCマウントです。そこで、CマウントのレンズをQで使えるようにするためのマウントアダプタを入手しました。

このマウントアダプタ購入ではドタバタがあり、はじめはDマウントだと思って購入し、購入したあとにCマウントであることに気がつき、買い直しました。

結局のところ、ZC1000のレンズはフォーカスが合わないなどの理由で、今の時点まで、使い物になっていません。

8ミリを趣味にしていた頃から、私はマウントアダプタというものを使っていました。

今よりも情報が得にくい時代でしたが、8ミリの専門雑誌『小型映画』を毎月購読しており、そこから情報を得ていました。

8ミリに夢中になっていた頃、私は写真の趣味はまだ持っていませんでした。しかし、父がニコンの一眼レフカメラのニコンF2フォトミック(このうしろに何かアルファベットがついていたような?)を使っていました。

ニコンF2フォトミックに50ミリのレンズ

といっても、父は機械音痴だったため、使いこなせず、もっぱら、私がそのカメラも撫でまわしていました。

ニコンの一眼レフ用のレンズは、50ミリの単焦点と標準ズームレンズ、そして、今回の月動画を撮影するのに使った105ミリの単焦点レンズの三本だけです。

ニコンのレンズが三本あったので、それをCマウントに変換するマウントアダプタを手に入れ、それをZC1000につけて、望遠の撮影などをしました。

ほかに、フランスのアンジェニューから出ているズームレンズに憧れ、いつか使ってみたい、とマウントアダプタを購入しました。こちらは、レンズを手に入れることなく、アダプタだけが今も手元にあります。

ZC-1000用「アンジェニュー(レンズ)」マウントアダプタ
写真家が使うオールドレンズを紹介【Angenieux】

そのマウントアダプタをQに使い、Qでニコンの105ミリのレンズを使い、月の動画を撮影した、というわけです。

私が普段Qで使う専用のレンズの焦点距離が8.5ミリで、35ミリフルサイズ換算で47ミリになるということは、つけたレンズを約5.53倍すれば、フルサイズ換算の焦点距離になることになります。

105を5.53倍すると、約580ミリの望遠レンズ相当になる、という計算です。

仮に1000ミリの望遠レンズがあれば、5530ミリ程度の超望遠レンズになりますね。

これだけの望遠レンズでありながら、レンズの開放F値はf/2.5で、最短撮影距離は1メートルです。

PENTAX Qにマウントアダプタでニコンの105ミリレンズ

ここまで、月動画の撮影に使った機材について書きました。

レンズをつけたカメラを三脚に固定し、あとは、月が西の空に移動して画面から消えるまで撮影してみました。

露出はマニュアル露出で、設定は以下のとおりです。

ISO125がQの最低ISO感度です。

写真家でカメラマンの渡部さとる氏(1961~)のYouTube動画で教えてもらった「感度分の16」を動画に応用して撮影しました。撮影済みの動画は、露出もぴったりで、色合いも含めて、一切修正してません。

この場合、シャッター速度の1/125秒は、撮影フレームレートが30(29.97)fpsですので、本来は2倍の1/60秒にすべきところですが、あえて、1/125秒にしています。

色合いなどを決めるカスタムイメージは、明暗差を強調する仕上がりになる「リバーサルフィルム」を選んでいます。また、ホワイトバランスは、オートホワイトバランスです。

6分程度の動画になりました。4倍速程度の動画に短縮しようと考えましたが、画角が狭いために月の移動が十分感じられるので、実時間のままにしました。

今回使ったニコンのレンズとマウントアダプタなどを含め、手に取って説明する動画を近い内に撮影しようか、と考えたりしています。

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