前回の本コーナーでは、私が今また興味を持ち始めたLog撮影について書きました。
ミラーレス一眼カメラや、今ではスマートフォン(スマホ)でも撮影できる機種があるというLog撮影です。しかし、それを日常的に使っている人は限られるかもしれません。
撮影したままのLog動画は、うすぼんやりしたもので、とても見れたものではありません。それを通常の動画の見た目に「戻す」のには手間がかかります。
ですので、身の周りのものを撮影することがほとんどの私には、Logでの撮影は必要ないといえば必要ないです。それでも、その撮影に一年半ぶりに興味を持ってしまったのです。
そのきっかけにつきましては、前回の更新で書いています。
その撮影に興味を持っても、それが撮影できるカメラがなければ撮影できません。私がここ一年半使ったのはキヤノンのミラーレス一眼カメラとしては、最も廉価に35ミリフルサイズで撮影できるEOS RPです。
キヤノンはプロ用の撮影機材も販売していますが、その割には、Logの撮影に熱心でない印象がないでもありません。そんなことからか、廉価のRPではLog撮影ができないようになっています。
そこで、なるべく安くそれを実現するため、一年半前に手放すまで使っていたソニーのα7 IIを再び使おうと思い立ちました。このカメラは2014年12月6日に発売されたもので、8年経った今は生産が終了しています。
そのため、中古で手に入れるしか方法がありません。注文してあったα7 IIが手元に届きました。前回手放すまで何年も使ったカメラであるので、説明書を見なくても一応は使えます。
もっとも、それを見たくても、中古品ですから、印刷された説明書は入っていませんでした。なくても、ネットでデジタル版の説明書を入手していますので、不自由はありませんけれど。
それにしても、今新たに手に入れたα7 IIは、それまで使っていたRPに比べて重いです。おまけに、これに10倍のズームレンズをつけますと、それまでのシステムに比べ、2台分ぐらいの重量になります。
ただ、モノとしての魅力は、RPよりも上に感じます。RPはペンタプリズムを内蔵する部分(ミラーレス一眼カメラですので、ペンタプリズムが内蔵されているわけではないです)を模したところがほぼ平らです。
一方のα7 IIは、角ばった格好になっていて、久しぶりに見ますと、結構格好よく見えます。ボディの材質も、α7 IIはダイカストボディ(?)で、昔使ったフィルムの一眼レフカメラのコンタックス RTSを彷彿とさせます。
ちなみに、RTS IIのシャッターは、今のカメラでは当たり前になっている、触れただけでシャッターが切れる、フェザータッチシャッターでした。
α7 IIを手放すまで、私がスチルの撮影をするときは、ほとんどプログラムモード(Pモード)でした。もっと本格的に撮影するのであれば、レンズの絞りとシャッター速度を自分で設定すべきです。
しかし、私が唯一、α7 II用に購入した10倍ズームレンズは、元々F値が大きいため(この数値が小さくなるほど、いわゆる「明るいレンズ」になります)、絞りやシャッター速度を操るより、手軽に撮影した方がこのレンズに合っていると考え、もっぱらPモードで、気軽に撮影していました。
今またα7 IIと使い始めても、同じ10倍ズームレンズで撮影するのですから、撮影環境は前と同じです。しかし、キヤノンのRPで最近はマニュアルモードでばかり撮影し、それにすっかり馴染んだため、α7 IIでも、引き続きフルマニュアル撮影をすることにします。
で、実際にマニュアル撮影をすると、α7 IIの方が、マニュアル撮影に適しているのを感じます。
マニュアル撮影では次の項目を自分で設定します。
RPでも、絞りとシャッター速度は、ビューファインダーを覗きながら(私はビューファインダーでほとんどの撮影をします)設定できますが、ISO感度と色温度の設定を、私はカメラの背面液晶に表示される画面でしていました。
特に、色温度は、液晶に映像を映し出すようにし、それを見ながら、実際に見える色温度と液晶画面に映る映像の色温度を近づけることをしました。
これらすべてを、α7 IIは、ビューファインダーを覗いたまま変更できます。これは非常に便利です。しかも、ファインダーに表示される数字が大きく、見やすいです。
肝心のLog撮影は、カメラがまだ手元に届いたばかりですので、今は設定をする状態です。
一年半前にしたことを、忘れかけていました。
α7 IIでLogの撮影をする場合は、S-Log2しか選べません。そのあとに出たLog対応のカメラはS-Log3が使えます。ただ、ネットにあった動画の解説によりますと、2の進歩系の3の方が全面的に良い、というわけでもないようです。
上に埋め込んだ動画の解説者は、S-Log3よりS-Log2を好んで使っていると話しています。理由は、3の方がダイナミックレンジが広いものの、より淡い映像(?)になり、その分、色編集で色を強めにのせたりすると、ノイズが目だったりするかららしいです。扱いが3の方が難しいのでしょうか。
私はS-Log3を使ったことがありませんので、話を聴いて、そうなのかと思うだけですが。
私は久しぶりにα7 IIを手に取り、Log撮影の試し撮りをしました。しかし、ビューファインダーを覗いても、Log撮影特有の淡い映像ではありません。
また、S-Log2の場合は、ISO感度がISO1600始まりであるところ、スチル撮影と同じように、ISO100を選べたりします。
はじめは、動画フォーマットの”XAVC S”で撮るものだとばかり思っていました。実際にはそんなことはなく、α7 IIでほかに扱える”AVCHD”でも”MP4″でもLog撮影ができます。
そして、AVCHDを選べば、最低ISOを800から使えます。1600より一段低いところから使え、その分、日中戸外で撮影するときに楽になります。
それで、ピクチャープロファイル(PP)の設定をしていなかったことに気がつきました。
それでは、Log撮影をしたつもりでも、ごく普通の録って出し動画の撮影になってしまいます。一年半ぶりに使ったため、肝心の設定を忘れていました。
なお、RAWの撮影では、「ブラックレベル」「ブラックガンマ」「ニー」「色の深さ」の設定は反映されないそうです。
本ページで紹介した動画の配信者が話すように、時と場合に応じて、その撮影でふさわしい形式の動画を撮影するのが望ましいです。Logの撮影ができるからといって、必ずLogで撮影しなければならないわけではないです。
取って出しの動画で十分の私は、趣味として、ときにはLogで撮影する、といった具合に、α7 IIと付き合っていくことになります。
ともあれ、すべてマニュアルで撮影してみて、α7 IIが、とても魅力的なカメラに思えてきました。発売から8年経ち、すでに生産は終了していますが、自分なりに使いこんでみようと考えています。