レンズ交換式カメラ用レンズの話です。
昨日、マップカメラから届いたメールで、個人的に興味が持てそうなレンズが昨日(22日)、レンズメーカーのTAMRON(タムロン)から発売になったのを知りました。
同社から発売されたのは、“TAMRON 50mm F4.5-6.3 Dilll VC VXD A067S”というソニーEマウント、35ミリフルサイズ用ズームレンズです。
私は今、キヤノンのEOS RPというミラーレス一眼カメラを使っていますが、そのカメラのためにズームレンズを1本持っています。
そのレンズの焦点距離は24ミリから105ミリで、広角から中望遠をカバーするレンズです。
このように、多くのズームレンズは、35ミリフルサイズの標準焦点距離である50ミリを中心に、広角から中望遠をカバーするものが一般的です。
焦点距離について最近の傾向は、広角を好む人が増えたことです。中でも、ネットの動画共有サイトのYouTubeで、自分をカメラに写してVlogをするような人は、自分が手にしたカメラで自分を写すため、広い画角がどうしても必要になります。
私はといいますと、フィルムの一眼レフカメラを長年使っていました。そのためにレンズを揃えましたが、私は50ミリの焦点距離が大好きで、そればかり使っていました。
35ミリフルサイズのカメラに50ミリの焦点距離のレンズをつけてファインダーを覗くと、自分の眼の延長のような映像がファインダーに映し出されます。
要するに、人間の眼で見たのとほとんど同じ距離感が得られるのが50ミリのレンズです。
今回、TAMRONから発売になったばかりのズームレンズは、これまでになく、50ミリの焦点距離から始まることに私は興味を持ちました。
Vlogをするような人には、まったく購入対象に入ってこないレンズになるでしょう。このズームレンズの最広角が50ミリでは、自分で自分を撮るのが困難なだけだからです。
もっとも、Vloggerであれば、レンズ交換式のカメラにこんな重いレンズ(1155g)をつけて使うことは考えられません。小型のアクションカメラやスマートフォンを使うのが主流のようですから。
ここで、未だに私が現役で使っているビデオカメラの話をします。
今は、ネットに動画を上げるような人の中で、ビデオカメラで撮影する人は少数派(?)かもしれません。どんなカメラにも動画撮影機能が搭載されており、すでに書いたように、アクションカメラやスマホで撮影する人が大半でしょうから。
私は人間が古いのか、今もビデオカメラで撮影するのが好きです。
これは個人的な考えになるでしょうが、今のミラーレスは、動画を撮るのに適しているスタイルには思えません。
たとえば、Blackmagic DesignからPocket Cinema Cameraのシリーズが出ていますが、動画に特化するのであれば、スチルカメラの形にこだわらず、デザインの段階から動画用のスタイルにすればいいのに、と常々思っています。
ビデオカメラでスチルカメラの形をしたものはありません。当たり前といえば当たり前ですが。
私が使うビデオカメラは、今から9年前の2013年9月に中古で手に入れたキヤノンのiVIS HF M41です。
今はメーカー各社も、民生用のビデオカメラにはほとんど力を入れていません。それどころか、撤退する方向で動いています。
昔はビデオカメラにはファインダーが必ずついていたものですが、今はファインダーがついたビデオカメラは限られます。
私が9年前に手に入れたビデオカメラにはファインダーがついており、それで購入する気になりました。そしてもうひとつ、私が気に入ったのがレンズの焦点距離です。
このカメラの焦点距離は、6.1ミリから61ミリの10倍ズームです。カメラには1/3型の撮像素子が搭載されているため、35ミリフルサイズに換算すると、約43.6ミリから436ミリの焦点距離をカバーすることになります。
そこで話がつながるのが、昨日、TAMRONから発売になったばかりのズームレンズの焦点距離です。
繰り返しますと、このズームレンズは50ミリからスタートし、400ミリの望遠域までをカバーしています。
私が使うビデオカメラに搭載されているズームレンズの焦点距離と極めて近いことがわかると思います。
私が使うビデオカメラにつくズームレンズの焦点距離が50ミリ始まりであることに不満を持つ人が少なくありません。しかし、私は逆に、50ミリ始まりであることが気に入りました。
スチル写真の撮影でもそうですが、私は広角側をあまり好みません。フィルムの時代に50ミリが好きだったと書きましたが、標準域の焦点距離を好みます。
フィルムの時代には、200ミリの望遠レンズを持っていましたが、それが必要になることはあまりありませんでした。
それでも、時には遠くのものを大きく写してみたいことはあるもので、そのときに400ミリ程度までカバーしていれば、助かることもあるでしょう。
レンズを自分の眼の延長と考えれば、普段は、眼で見えるような画角の50ミリで撮影し、ときに、それ以上の望遠域を使うというのが、私には理に適っているように思えます。
そんな風に考える私にとり、TAMRONの50ミリ始まりのズームレンズは魅力的に思えます。
そうはいっても、35ミリフルサイズ用レンズですから、このタイプにしては小型で軽量といわれても、柄は大きいです。
しかも、レンズのマウントがソニーEマウントですから、私が使うキヤノンでは使えません。
今後、このレンズに刺激され、他社が同じように、50ミリ始まりのズームレンズを出してくれたらおもしろいと思います。しかし、50ミリ始まりを好む人は少数派(?)かもしれませんので、あまり期待しない方がいいでしょうか。