私は昔から道楽でいろいろなことを愉しんでいます。そのときどきで、私の興味の対象は入れ替わります。今年に入ってからは、動画への関心が再燃しています。
その中でも今は、動画における音についての関心が強まっている状態です。
私は昔から動画を愉しみにし、民生用のビデオが登場する前は、8ミリ映画を撮影しては、映写して愉しみました。こんな風に、一応年数だけは動画に接する年月を長く持ちますが、動画における音はなおざりにしていたことに、今更ながらに気づかされています。
8ミリ映画のときは、後年に音を同時録音できる8ミリフィルムが登場するまで、素人が8ミリ映画を愉しむときは、音のないサイレント映画がスタンダードでした。
それが、個人が扱えるビデオが登場し、当たり前のように、映像に音が同期されて収録できるようになりました。
ビデオを使うようになり、音が録れることに驚き、喜びましたが、私は録れた音に特別注意を払わず、映像を愉しむ習慣がついてしまったようです。それがため、デジタルで動画が撮れる今に至るまで、動画の音にはなおざりだったといえましょう。
動画への関心が再燃した今年、ネットの動画共有サイトのYouTubeで、映像づくりにおける音の専門家の桜風涼(はるかぜ・すずし)氏(1965~)のチャンネルにであったことで、俄然、動画における音の重要性に、遅ればせながら気づかされました。
今では、自分で撮影した動画は、ヘッドホンで音がどのように録れているか確認する習慣がつきました。
前回の本コーナーでは、庭から聞こえてきたウグイスの鳴き声を、音声ファイルにして紹介しました。
この音声ファイルは、私が使うデジタル一眼カメラ(デジ一)でるキヤノンのEOS RPに、1カ月ほど前に購入した”VM-Q1”という外部マイクを付けて撮影した動画から、音声ファイルだけをレンダリングして作りました。
録音レベルを上げて録音したため、ウグイスの鳴き声と共に、道路を走る車の音などがごちゃ混ぜに録音されており、せっかくのウグイスの鳴き声を邪魔しています。
そこで、動画編集ソフトを使い、余計な雑音をできるだけ削ることをしてみました。はじめにも書いたように、私はこれまで音にはなおざりだったため、こんなことをしたのは今回が初めてとなります。
私が使う動画編集ソフトはBlackmagic DesignのDaVinci Resolve Studio(DaVinci)です。このソフトを手に入れたのは1年ほど前です。その直前にこのソフトを知り、俄然気になり、その勢いで、有償版を手に入れています。
というのも、私が関心を持った1年ほど前に、DaVinciのカット編集用に特化したSpeed Editorという動画編集専用キーボードが登場しています。
それを記念してのことなのか、Speed Editorを購入すると、ほとんど同額のDaVinciの有償版がついてくるという破格の企画が組まれ、私はそれを利用して、どちらも手に入れました。
この企画にタイアップするメーカーがありました。iZotopeという米国の音楽ソフトメーカーです。
このiZotopeが、昨年の3月末までのセール期間に、DaVinciやSpeed Editorを購入した人に、同社の有料ソフトを無料で提供することをしていました。
そのことは、YouTubeの次の動画で知ることができました。
その動画で教えられたように、私も早速、”RX 8 Elements”というソフトをダウンロードし、DaVinciで使えるようにはしました。しかし、そのあと、今年になって動画を新たに作るまで、私は動画作りから遠ざかっていたことと、動画の音に注意を払ってこなかったことで、そのソフトを実際に使うことはありませんでした。
iZotopeのRX8というのは、動画撮影で得られた音の素材から、雑音を、独自の卓越した技術で取り除くソフトです。今は、RX9に進化しているようです。
RX8にはグレードが三つあり、elementsというのは最も下のグレードになります。それでも、特別のことをしないので、ノイズの除去をする人には、とっつきやすいソフトといえましょう。
私は初めてそのソフトを使ったので、どこをどう操作したらいいものか、わかりませんでした。しかし、YouTubeにあった解説などを参考にして、ウグイスの鳴き声だけがより明瞭に聴こえるようにしてみました。
私がやったことは、”Voice De-noise”をウグイスの声が入ったオーディオに当て、あとは、”Learn”というボタンを押して音声ファイルを再生し、ソフトに雑音の実態を学ばせただけです。
専門的なことはわかりませんが、これだけで、車の通過音が小さくなり、ウグイスの鳴き声だけが残されたように、素人の耳には聴こえました。
この作業は昨日しました。早速、本コーナーで紹介するつもりでしたが、DaVinciのファイル操作に戸惑い、本日になってしまいました。
私が戸惑ったのは、動画から音声ファイルだけをレンダリングする作業です。同じことは、私が使い慣れたVegas Proでは難なくできます。レンダリングのときに、レンダリングしたい音声ファイルの拡張子を選べばいいだけだからです。
DaVinciでも同じように、簡単に音声ファイルだけが得られるのだと思っていましたが、それができず、困りました。
はじめは、音声ファイルを編集するFairlightのコーナーで、音声ファイルを右クリックし、そのときに表示される「音声ファイルで書き出す」というのを実行してみました。すると、WAVファイルはできるのですが、なぜか、ステレオのLeftとRightに分かれた二つの音声ファイルになってしまいます。
昨日はそこでギブアップし、本日に持ち越しました。
本日も途中まで頭を悩ましていましたが、盲点を見落としていたことに気がつきました。なんのことはありません。レンダリングするときに、動画をレンダリングするというチェックを外せばいいだけのことです。
そうしたことで、音声部分だけがレンダリングされました。DaVinciにレンダリングされたファイルはMP4でしたので、MP3にコンバートしています。
そのようにして作り直したウグイスの鳴き声の音声ファイルを以下に紹介します。
DaVinciでVoice DE-noiseを起動し、ノイズの除去をしましたが、そのあと、今度は上に埋め込んだ解説の動画を参考にして、DaVinciを離れ、”RX 8 Audio Editor”という単体のソフトにウグイスの鳴き声が入った動画ファイルを読み込み、このソフトでVoice De-noiseを起動して、操作し直しました。
また、DaVinciを使ったときは、やり方が少し間違っていましたので、正しい方法でやってみました。
単体のソフトを使えば、レンダリングのときに、様々なファイル形式を選ぶことができます。
そのようにして作り直したのが下の音声ファイルになります。
動画における音への関心はまだまだ弱まっておらず、今は、別の関連機器の購入を検討中です。それを手に入れましたら、また本コーナーで、実地も含めて紹介することにします。