2008/2/25 Vegasで作った8ミリ・フィルム紹介動画

暇にまかせてといいますか、映像好きの気持ちにまかせて動画を1本作ってみました。

いろいろな小物が入った引き出しを引っ張り出し、あれこれと捜し物をしました。先日の本コーナーで書きました、8ミリ映画に関係する小物です。

それらは自分にとっての宝物のようなものばかりです。他人から見たら、どうということもないものに見えてしまうかもしれません。

それで思い出しました。我が家が火事になったときのことです。自分の家が火事になるなんて考えたこともありませんでしたので、火事を対岸の火事と考えていました。それが、火の粉が自分に降りかかってしまったのでした。

その時のことを思い返せば、自分もショックでしたが、その時すでに視力を完全に失っていた亡母を避難させるのに必死だったことを思い出します。

英国を代表する画家・ターナー17751851)の作品に、1834年10月16日深夜に炎上した国会議事堂を描いた作品があります。

手元にある『巨匠の絵画技法・ターナー』(ウィリアム・ハーディ 著|倉田一夫 訳|エルテ出版)(1989年6月10日:第一刷発行)で確認してみます。

色彩に魅せられていたターナーであればこそ、この大火災にも魅了されてしまったようです。その火災をターナーは、ウェストミンスタのテームズ河岸に集まった群衆のひとりとして目撃したそうです。興奮してスケッチをする様を、同書からの抜粋で紹介しておきましょう。

この火災は、自然には、熱帯地方の落日でさえほとんど見られない、文字どおり燃え上がるような色彩を広く現出させた。炎のピンクやスカーレット、イエロー、そして白熱する木材や熱灰が、冷たく深いブルーの夜空やこれらの映ったテームズの川面と対照をなし、画家にとって思いがけない魅力的光景となった。ターナーはこのスペクタクルに興奮し、視点を変えようとして対岸を駆け回って、目にしたままをデッサンや水彩に残した。

興奮してスケッチに走り回るターナーの姿が、映画のワンシーンのように、目に浮かぶようです。

私もターナーに倣い、自宅の火災時に現実を忘れてスケッチにかけずり回りたかった、ところですが、その時の私はといえば、すぐ上で書いているような自分にとっての宝物類を必死に外に運び出しました。

通りかかった人が荷物の運び出しに加勢してくれましたが、「そんなものよりもっと大事なものを運び出せ」といわれた言葉が私の記憶に残っています。その忠告には耳を貸さず、私はその人には「そんなもの」にしか見えないのであろう自分の宝物を必死に運び出し続けたのでした。

そのような災禍をくぐり抜けて今も私の手元にあるものを紹介する動画を作ってみました。途中まで撮影し、現像にも出さずにとってあった8ミリ・フィルムです。フィルムを入れた袋に、サインペンで【20ft】(「シングル8」は1本【50フィートです】)と書いてありますから、20フィート分撮影が済んだか、それとも【20フィート】分残っているフィルムです。

本動画のナレーションは、性懲りもなく、私、インディの鞭が担当しています。

フジカシングル8のカートリッジ紹介動画

動画中でも説明していますが、ここに登場する8ミリ・フィルムは、スーパー8シングル8と2つあった規格の内のシングル8方式のフィルムです。この方式の開発元である富士フイルムが製造・販売・現像までのすべてを請け負っていました。

フジカシングル8 R25 パッケージ

ご覧になればおわかりのように、フィルムはカートリッジに入っています。そのため、途中でフィルムをムービーカメラから取り出しても、中のフィルム全体が露光してしまうということはありません。ですので、入れ直せば続きの撮影に使えます。

動画に登場するフィルムは「RT200」というタイプでして、「RT」の「T」は「tungsten(タングステン)」の「T」。また、「200」はISO感度(かつては「ASA感度」でした)です。

今はデジタルカメラ(デジカメ)が普及し、民生用のコンパクト・デジタルカメラ(コンデジ)のほとんどがフルオートになってしまったため、撮影環境に応じて色温度を調節することもなくなりました。

当時は8ミリ・ムービーフィルムでもその辺はしっかりとした意識が求められ、電灯光下で撮影する場合には、こうしたタングステンタイプのフィルムを用いました。タングステンタイプを用いても、蛍光灯下では綺麗な発色は望めませんでしたけれど。

一方、太陽光では「デイライト・タイプ」を用い、「シングル8」でいえば、「R25」(「R」のうしろの数字は感度で、数字が小さいほど感度は低く、粒子が細かくなります。スチル写真のフィルムでいえば、【ISO100】が標準で、ポジフィルムの「ベルビア」は【ISO50】といった具合です)という製品がありました。

今も出てきた「色温度」ですが、これは絵画の世界でも非常に重要な位置を占めます。偶然、火災の話でターナーの名が登場しましたが、ターナーこそが西欧絵画で色彩の魔術師の名を欲しいままにする存在といえましょう。

技術的に水彩画の要素が多分にオーバーラップするため、ターナー独自の表現になっています。

人を「色眼鏡(いろめがね:先入見や感情に支配された観察=広辞苑)」で見るのはまずいでしょうが、眼に映るものすべてに「色温度」が感じられるのは、絵画でなくても、心楽しいものです。

なお、今回の動画を作るのに使用したソフトは、現在試用中のビデオ編集ソフトVegas Movie Studio 8です。

本ソフトを立ち上げますと、今日時点では「期限切れまであと26日」と表示されます。このソフトの試用期限は30日。ということは、使い始めてまだ4日しか経っていないことになります。それでも、ビデオ編集ソフトには共通する使用方法というものがあり、特別戸惑うこともありません。

また、使うことで発見する機能もあります。昨日発見したのは、録画済みの映像を手直しできる機能です。

デジタルビデオ(DV)カメラに収めたビデオは、全体的に明度彩度が低く(=映像が暗く、鮮やかさに欠ける)、肝心のフィルムに磁気コーティングされた部分がよく見えませんでした。それで、撮り直そうと思いました。が、ものは試しで映像を明るく、彩度を上げる修正してみたら、これが案外いい感じになりました。

そんなこんなで、今ではこの動画編集ソフトのVegas Movie Studio 8に惚れ込んでいます。

以上本日は、8ミリ・フィルムを紹介するためにVegasで作った動画を紹介しながら、色彩にまで話を広げてみました。

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