ウイルスの変異についてM氏とY氏の対話本で付け焼刃学習

Amazonの電子書籍版で『新型コロナとワクチン わたしたちは正しかったのか』という本を読みました。

本書は対話形式になっており、「はじめに いま、立ち止まって考える」と「おわりに 何が正しいのかを見極める思考法」以外はすべて(だったと思う)口語体です。

ですから、専門的な話も頭に入りやすいです。そうはいっても、私は元々専門的な知識を持たないため、入りが簡単な分、出も簡単になってしまうのですけれど。

専門家の立場から話をされているのはウイルス学・免疫学が専門の峰宗太郎氏で、編集者をされている山中浩之氏が一般人を代表する形で素朴な疑問を峰氏にぶつけ、峰氏が初心者にもわかりやすいように、かみ砕いた話し方をしてくれています。

本日の豆疑問
峰宗太郎氏のウィキペディアがないのはなぜでしょうか。

峰宗太郎氏といいますと、ひとりでも多くの人に新コロウイルスのために作られたとされるmRNAワクチンの接種を呼びかけるために作られた(?)らしい「こびナビ」の活動に参加されています。

そんなこともあって、私もそうですが、新コロワクチンに懐疑的な人には評判がよろしくないようです。

新型コロナウイルスについて専門家に質問しました(前編)

峰氏は「アメリカ国立衛生研究所(NIH)」「アメリカアレルギー・感染症研究所(NIAID)」の博士研究員という肩書なのですよね。NIAIDというのは、NIHの研究所のひとつで、所長はアンソニー・ファウチ氏(1940~)です。

ということは、陰謀論にされそうですが、新コロ騒動の中枢にいる人の下で働いていることになります。であれば、騒動を疑う人は、陰謀論にしてしまわざるを得ない立場の人間になりませんか? 峰氏がファウチ氏の考えに逆らうことができるとは考えられません。

「こびナビ」に参加している峰氏ですけれど、昨年12月に出版された『新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実』も、本作と同じように、峰氏が山中氏の質問に答える形で、ご自分の考えを述べているそうですが、その対話をされた頃は、今のワクチンについて「開発を急ぎ過ぎて、検証が十分になされているのか、不安が残る」との考えを持たれていたそうです。

その本の対話後、接種の結果やいくつものエビデンスを見て、ワクチンのリスクよりも利益が大きいと判断する考えに変わったそうです。その発言を受け、山中氏に「現在はもう、イケイケどんどんに」なったでしょうといわれ、次のように反応しています。

 いや、 科学者、 医療者はイケイケどんどん になったらダメですよ。私も勢いがついて強い言葉を発したこともありますけれど、健全な懐疑心を持つことは専門家の必須の条件だと 思っています。自分としては、イケイケどんどんになったつもりはまったくありません。

峰 宗太郎; 山中浩之. 新型コロナとワクチン わたしたちは正しかったのか (Kindle の位置No.2728-2731). 日経BP. Kindle 版.

私が本書を読むことになったきっかけを書いておきます。

せっかく収まりつつあったコロナ騒動が今また、オミクロンとかいう変異体が出てきたとかいうことで、欧米ではまた大変なことになっている、とマスメディアが騒ぎ始めました。

世界中を騒がせている新コロとされたウイルスですが、問題のウイルスを単離したという話は、騒動が始まって2年になろうというのに、未だに一例もありません。それだから、そのウイルスの存在を信じていません。

そして、基となるウイルスの存在が証明されていないのに、どうして変異体ができ、それが今また、世界の脅威になりつつあるのか、理解できません。

そんなことを先週末に本コーナーで書こうと思い、途中まで書きました。結局更新しませんでしたが、その中で、ウイルスの変異の仕組みを知ろうと検索し、今回の本と同じ、峰氏とY(山中)氏の対話形式で、変異の仕組みについて解説したページを見つけました。

二人の対話による本があることを知り、それで理解をより深めたくなり、購入して読んでみたというわけです。

峰氏は、議論する大前提として、言葉の定義をしっかり共有しておく必要があると述べます。その上で、マスメディアの報道に見られる「変異種」や「変異株」の用法の間違いを指摘されています。

「種」というからには、新コロウイルスとは別のウイルスに変異するぐらいじゃないと「変異種」とはいえないそうです。また、「株」についても、「たとえば、 いままではヒトにしか感染しなかったウイルスがブタにも感染するようになるとか、鳥にも感染するようになるなどの場合。これならば変異株」(峰 宗太郎; 山中浩之. 新型コロナとワクチン わたしたちは正しかったのか (Kindle の位置No.1354-1356). 日経BP. Kindle 版.)にしても良い、ということのようです。

私は、新聞でそのように書いているのだからと、本コーナーでそれを扱ったときは「変異株」などと書きました。本書を読んだあと、本コーナーで使った「変異株」は「変異体」に書き換えました。

峰氏は、本書で「変異体」と呼びたいところ、世の中であまり使われていないからという理由で、「変異ウイルス」とぼかして使うとしています。私も「変異ウイルス」にしたかったのですが、その分、字数が多くなるため、私は「変異体」とさせてもらいます。

ほかにも、「感染力」ではなく「伝播性」が用法としては正しいということですので、私が本コーナーで使っていた「感染力」も「伝播性」に変更しました。

私が本書を読もうと思ったのは、ウイルスがどのように私たちの細胞に入り込み、増殖するのかを知りたかったからです。

細胞には核があり、その中に遺伝情報がデオキシリボ核酸DNA)のデータとして保存されているそうです。一方、新コロとされたウイルスがあるとすれば、遺伝情報はDNAからコピーしたリポ核酸(RNA)の形で持つのだそうです。そして、ウイルスの変異は、RNAに書き込まれた遺伝情報が書き換わることで発生することになります。

DNAとRNAは、以下のアルファベットで表される塩基によって構成されるとあります。

この5つの内、TはDNAのみ、UはRNAのみに使われるそうですから、今回問題にしているRNAでいえば、A・G・C・Uの4つの内、3つの塩基の組み合わせによるゲノム配列を使い、たとえば「AUG」の場合は、「メチオニンというアミノ酸をつなげよ」といったデータになるそうです。

新コロとされたウイルスが存在するとすれば、そのウイルスは、エンベロープという糖質二重膜の中に、ウイルスのRNAデータを有していることになります。

ウイルスの周りにはスパイクタンパク(Sタンパク)の突起があり、それが細胞のACE2という受容体にくっつき、細胞に侵入するのだそうです。

ここから先も私が知らなかったことです。

ウイルスは自分だけで増殖することはできません。

細胞への侵入を果たしたウイルスは、3万塩基あるゲノムRNAをリポゾームと呼ばれるヒト細胞の小粒子に渡します。リポゾームは、ゲノムを1本に伸ばして短く分割し、コピー機の機能を持つRdRpや、ゲノムRNAの複製の鋳型に必要なパーツなどにします。コピー機のRdRpとウイルスの鋳型ができたら、あとはRdRpでどんどこウイルスをコピーし、それろ体液にばら撒く、といった流れになるのでしょう。

上に書いた流れは、何も知らない私の理解ですから、事実とまったく違っていたら申し訳ないです。

ともあれ、こんな実に精妙なことが、眼に見えない小さなウイルスと細胞によって行われているなんて信じられないです。

─ ─   ちなみにゲノムRNAは、一度リボゾームに翻訳させたら消えるんでしょうか。

 いえいえ、何度も何度も翻訳されてどんどんRdRpが増えて、そのRdRpがまたどんどん必要なパーツをコピーして、娘ウイルスを作り始めるんです。1つの細胞内に数万個以上のRdRpができたりします。

峰 宗太郎; 山中浩之. 新型コロナとワクチン わたしたちは正しかったのか (Kindle の位置No.763-768). 日経BP. Kindle 版.

数万個のコピー機がコピーウイルスを量産するとしたら、ウイルスの増殖速度たるや、凄まじいものとならざるを得ませんね。驚きの一言です。

峰氏の説明には頷けない部分も多いです。日本で接種に使われているワクチンは「確実といっていいほどの効果がある」と話すのも頷けません。そして、日本でも、第5波ほどにはならないものの、第6波が起きるだろうといい、そのときは、ワクチンを接種していない人が感染するだろうと述べています。

そう考える理由として、そうした人は感染予防策を守らず、科学も信じないだろうからとしています。

他人のことはわかりませんが、私もワクチンは接種しておらず、接種する必要も感じていません。だからといって、感染予防策をまったく採っていないわけではありません。

私は騒動が始まってから、電車やバスなどの公共交通機関はまったく利用していません。用がある時は、外気の中を自転車で移動するだけです。人との接触は、もともとがそうですが、極力避けています。コンビニを利用するのは、ATMを利用する時だけです。

人が集まるところへも行きません。イベントや飲食店への入場に接種証明が必要になっても、私は困りません。はじめから行くつもりがないからです。

ワクチン被接種者には、私のような人がいることも、峰氏には認識して置いて欲しいところです。ワクチン被接種の態度と、感染予防策に無関心が、私の場合は、結びつかないです。

峰氏が本書のまとめとして書く「おわりに」は、騒動の捉え方が違い、途中で読むのを止めました。

何十年かあとに今の騒動を振り返り、何が正しくて、何が間違っていたかが明らかになります。今正しいとされていることが何十年後にも正しいとされる保証はありません。ワクチンについてもそうです。

将来まで待たずとも、今の時点で、ワクチンを打ったことで体調が悪くなって仕事ができなくなったり、学校へ行けなくなった人がいます。最悪の場合は命を落とします。そうしたワクチン被害者の数がデータとして積み上がった時、峰氏は、今の考えを改めることになるでしょう。その場合も、被害に遭った人に起こったことを、なかったことにはできませんが。

「わたしたちは正しかったのか」の答えは、未来に待っています。

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