廉価版ズームレンズに良さ発見

キヤノンのミラーレス一眼カメラの廉価機、EOS RPを使い始めたのは今年の4月13日ですから、はや、4カ月が過ぎました。

どんなものでも上を見たらきりがありません。上位機には下位機にはない良さがあるのはいうまでもありません。しかし、金銭的なこともあり、私は最も安い機種を愛機に選びました。

キヤノンのRFシリーズは、それまでのEFシリーズとレンズマウントに互換性がなく、EFシリーズを使っていたときに買ったレンズは、そのままでは付けることができません。

それでも、すぐにはRFマウントのレンズは買えず、EFマントのレンズを、マウントアダプタを間に挟んで使いました。

レンズもピンからキリまであり、こちらも上を向いたらきりがありません。

私は昔からカメラで写真を撮るのを趣味としており、カメラとの関わりは長いです。

昔のことですから、フィルムの一眼レフカメラでした。

私は、カール・ツァイスのレンズを使ってみたかったことから、当時、ヤシカでブランド化されたCONTAX(コンタックス)シリーズのRTSとRTS IIを使いました。

レンズには、ヤシカ・コンタックス用に作られたカール・ツァイスの単焦点レンズ4本を揃え、使いました。その中で、プラナー50ミリ F1.4のレンズだけは未だに手元に残してあります。

手放さずにある”ヤシコン”のプラナー50ミリF1.4

今はズームレンズ全盛ですので、レンズの焦点距離の感覚があいまいになっている(?)かもしれません。

焦点距離の数字が大きくなるほど、望遠のレンズになります。50ミリの焦点距離は、標準レンズとされ、ファインダーで確認できる画像と実像の大きさがほぼ同じに見えます。

そんなこともあり、私は50ミリの焦点距離が好きで、プラナー50ミリのレンズばかり使っていました。

使い始めて4カ月が過ぎたEOS RP用に、RFレンズが欲しくなりました。今書いたような理由で、50ミリの単焦点レンズにしようとしましたが、RFマウントの50ミリには、上位モデルと下位モデルの2本が用意されています。

価格差は歴然で、上位モデルは最安値店で284000円程度で、下位モデルは26000円程度です。

上位モデルの50ミリを使いたいのはやまやまですが、素人が趣味で愉しむだけですから、レンズにだけそれだけの金額はかけられません。

それやこれやで、いろいろと迷った末に、廉価のズームレンズを選び、購入しました。私が選んだのは、”RF24-105mm F4-7.1 IS STM”です。

カメラ好き、レンズ好きの人には、まるで夢のない選択に映るでしょう。

キヤノンのRFレンズで、焦点距離が広角の24ミリから中望遠の105ミリをカバーするズームレンズには、上位モデルの”RF24-105mm F4 L IS USM”があります。

当然、写りの良さでは上位モデルに軍配が上がるでしょう。しかし、価格差が倍ぐらいとなります。

ネットの価格比較サイトに「価格.com」があります。同サイトでは、商品を自分で実際に使った人が評価を数字化できるようになっています。

同じ焦点距離をカバーするズームレンズで、上位モデルの評価は、5点満点の【4.66】です。一方の下位モデルは【4.19】と芳しくないです。

しかし、過去にも、低評価を気にせずに自分で使ってみたら、想像していたよりも良かったことがあります。そこで、敢えてこのズームレンズを購入しました。

キヤノン EOS RPにRF24-105mm F4-7.1 IS STM装着
本日の豆工夫
レンズフードとして、昔に買って持っていたラバーフードをつけてみました。これはこれで悪くないのですが、広角側にすると、周囲がけられてしまいます。その場合は、ラバーフードですので、折りたためば、けられが解消されます。やっぱり、専用のフードを買おうか考えています。

使い始めてまだ間もないです。

第一印象は、やはり芳しくありませんでした。コンパクトで軽いのは良いですが、長所はそれぐらいで、肝心の写りに満足できないものを感じました。

そこで、購入したばかりのこのレンズをすぐに買い取ってもらい、別のレンズに乗り換えることも考えました。

その考えが昨日になって変わりました。今は結構気に入っています。

考え方が変わったのは、使い方を変えてからです。

すでに書いたように、私は、フィルムの一眼レフカメラを使っていたときは、焦点距離50ミリのレンズばかりを使っていました。

それを思い出し、焦点距離をズームで変化させることができるレンズであっても、敢えて50ミリの焦点距離に固定させて使ってみました。

このズームレンズはF値が4~7.1と明るくありません。ですので、露出モードはプログラム(P)モードにし、露出補正をするだけで、気軽に撮影してみました。

これがなかなか楽しいです。

意外な発見もありました。それは、被写体に近づいてもフォーカスが合うことです。

私は家で飼っている猫たち3匹を毎日のように撮影していますが、猫たちが眠っていれば、近づいて撮影します。

レンズを被写体に近づければ、F値が小さくなくても、被写界深度が浅くなり、背景が結構ボケてくれます。

レンズのF値について話しますと、デジタルのカメラに切り替わってからでしょうか、広角レンズのF値が小さく作られたレンズが多くなり、人気となっているようです。

私はそれを一種のブームのように感じていますが、そのブームに、個人的には頷けない考えを持っています。

私がフィルム一眼レフのCONTAX RTSおよびRTS IIを使っていたとき、準広角の短焦点レンズとしては35ミリだけでした。商品名としてはディスタゴン35ミリで、F値は2.8でした。

昔の考えが今は通用しない(?)のかもしれませんが、昔は、広角レンズに必要以上に明るいレンズはありませんでした。

F値が小さい、いわゆる大口径レンズの広角レンズを作っても、使い道が限られるからです。

広角レンズですから、標準の50ミリに比べ、同じ位置から撮影しても、広い範囲が写ります。そのレンズで、たとえばF1.4のようなレンズを開放にして撮影したらどうなるでしょう。

ある部分にだけフォーカスが合い、フォーカスの合っていないそのほかの部分が多くなってしまい、全体がぼけた写真になってしまいます。

日本と欧米では写真表現の考え方に差があり、向こうでは、きっちりとフォーカスの合った写真が好まれる傾向があると聞きます。

表現の手段として、ボケた部分を広くする撮影の仕方もあるでしょうが、広角で撮影する以上は、隅々までフォーカスが合う、パンフォーカスが望ましいです。

そんなこともあり、昔の広角レンズでは、F値が必要以上に小さいものは作られなかったように記憶しています。

それが今は、広角であってもF値の小さいものが作られ、人気になったりします。日本の写真愛好者は、ボカした写真の好きな人が多い(?)ということでしょうか。

私は50ミリのレンズが好きと書きました。人それぞれで好きな焦点距離があります。私は35ミリのレンズは苦手で、フィルムの時代もあまり使っていません。

私が好む猫の撮影で、35ミリのレンズを使うと、かなり近づかないと猫が画面に大きく写りません。また、広角で被写体に近づくと、遠近感が強調され、手前に来る猫の鼻が実際以上に大きく見えるように写ったりしてしまいます。

その効果をユーモラスに使うこともできるでしょうが、いつもいつも滑稽味にするわけにはいきません。

RFマウントで作られた低位モデルの50ミリレンズを選ばなかった理由があります。そのレンズも、F値が1.4ですから、被写界深度を活かした使い方ができます。

しかし、上位モデルの50ミリでも同じですが、レンズに手振れを抑える機能が搭載されていません。

今は、スチル写真だけでなく、動画を撮影することもあります。

スチル写真だけを撮影するのであれば、手振れ補正機能がなくても、焦点距離が50ミリですから、なくても大丈夫です。しかし、同じ焦点距離であっても、動画を手持ちで撮影すれば、その機能のあるなしは大きく影響します。

ズームレンズには手振れ補正機能が搭載されています。そのレンズで焦点距離を50ミリにして撮影すれば、手振れは抑えられます。

そんなことも考え、敢えてズームレンズにしてみました。

写り自体は、上位モデルに及ばないでしょうが、ほかの性能で補える部分もあり、当面は楽しんで使えそうです。

基本的には焦点距離を50ミリに固定し、広角側が欲しい時は24ミリや35ミリに、望遠側が欲しい時は85ミリや105ミリに換え、あとは自分で撮影位置を前後して(いわゆる「足ズーム」)、被写体をちょうどよく収め、撮影することにしましょう。

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