朝日新聞における男女不平等実例

人は、自分を棚に上げて偉そうなことをいいたがりがちです。もちろん、私にもそうした面が多分にあることは重々承知しています。

そんな私が、自分のことを棚に上げ、今月1日の朝日新聞で見つけた記事に批判を加えてみることにします。

その日の「耕論」というコーナーでは、「ビジネス英語の極意」と題し、三人の識者にこの事に関する持論を述べてもらっています。

私が問題にしたいのは、三人によって披露された持論ではなく、識者を紹介する朝日新聞の扱い方です。

同じようなことは、昨年6月末の朝日新聞にあり、本コーナーで取り上げました。

朝日がこのような企画を立て、識者を三人選ぶような場合は、多くが、男性二人、女性一人です。だからといって、男女を平等に扱うのなら、男女の比率を同じにしろ、といいたいわけではありません。

女性が二人で男性が一人でも構いません。

私が問題にしたいのは、前回と同じで、なぜに、男性識者の生年は明らかにしているのに、女性識者だけ、なぜそれを明らかにしていないのか、ということです。

今回の記事で登場するお三人を紹介した部分を、記事を画像にしてそのまま紹介します。

何年生まれであろうと、男性識者お二人は生年がしっかりと記載されています。その一方で、なぜか、女性識者の生年がありません。本当に、なぜだろうかと私は疑念を持ってしまいます。

個人のプロフィールを作成するのは、それぞれの識者の考えを聞き、記事にまとめた記者ではないでしょう。新聞社でまさざまな資料を扱う部門の職員がそれにあたるのかもしれません。

そういえば、以前読んだ松本清張19091992)の作品に、新聞のそうした部門で働く大学を出たばかりの女性が登場しました。その女性は、ある人物の資料を別人と間違え、トラブルに発展するというような話だったと記憶します。

好意的に受け留めれば、その部門にも、今回登場した女性識者の生年がわかるものがなく、仕方なく、彼女だけ生年なしとしたのかもしれません。

もっともこの場合は、当人に記者がお考えを訊いているわけですから、当人に生年を確かめれば事足りるはずです。取材した記者が、そこまで神経が回らなかったといえましょうか。

今回のことに限らず、男女平等を謳いながら、男性を笑い者にする風潮が日本にはあります。

本コーナーでは、2006年11月末にも、同様の趣旨で投稿しています。

当時、NHKが地デジのコマーシャルを流していましたが、その中で、その家の主が、家族の女性陣にダメ出しされる様子が描かれていました。

それを見ながら、当時の私も疑問を持ち、同じ扱いを男性家族が女性に向けて行うことはできないだろう、と書きました。

日本では、ドラマでも漫画でも、ダメ男を描く例をあげれば枚挙にいとまがないのに対し、女性がそのように描かれたものは稀な印象です。

映画『男はつらいよ』は、TV版がもととなっています。その放送が始まる前、『男はつらいよ』の題名を思いつく前、『愚兄賢妹』にするつもりだったという話があります(ウィキペディア:男はつらいよ 製作)。

兄と妹が逆で、『賢兄愚妹』の設定だったら、国民的なシリーズにはならなかったでしょうね。

男性を叩いている分にはどこからも苦情が来ないが、同じことを女性にしようと思わない。反応が怖いから、といったところだろう、と私は勘ぐっています。

仮の話、三人の識者を新聞に登場させ、女性だけは生年を記し、男性にそれをしなかったら、意識を持つ女性から必ずや批判が新聞社に届くでしょう。

新聞社やテレビ局が男女を平等に扱う気持ちを本当に持つのであれば、男性を蔑ろに扱ったり、描いたりすることはしないはずです。それをどこまでも突き詰めたら、それはそれで息苦しいですが。

拡大解釈をするつもりはありません。少なくとも、新聞で男女の識者を登場させるなら、最低限、同じ扱いをするぐらいの配慮はしましょう、ということです。

朝日の記事に目を通して気になったので、忘れないうちに書いておきます。

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