Log動画撮影に必須のNDフィルター

今は、デジタルカメラのほぼ全てで動画の撮影ができます。スマートフォン(スマホ)も、動画が撮影できない機種がほぼない(?)と思います。

それらを使って動画をどのくらい撮影するかは、人それぞれです。動画を多く撮る人のうち、シャッター速度まで気を使って撮影する人は、割合にすればかなり少ないのではなかろうかと想像します。

かくいう私も、大昔に8ミリ映画の撮影を楽しむなど、長いこと動画の撮影を趣味にしていますが、デジタルカメラで動画を撮影するときは、お手軽なオート撮影ばかりでした。

今、私はSONYのデジタル一眼α7 IIを使い、スチール写真の合間に、愛猫の動画を撮ることなどをしています。

こんなタイプの動画ですから、気軽にササッと撮れればいいという考えから、面倒くさい設定はせず、カメラが絞りとシャッター速度をあわせてくれる「プログラムオート」に設定していました。

動画撮影時のシャッター速度については、ちょうど10年前、本コーナーで取り上げています。

基本的な考えは、映画が誕生したときに出来上がっています。毎秒24コマで撮影する映画のシャッター速度は、1コマごとに1/48秒です。

この原理の素は、撮影済みの1コマを送り、撮影する1コマをセットするための時間です。これを考案したときに、1コマの静止画がどのように写り、それが映像にどのような効果を与えるかまではどこまで想像できていたのでしょう。

結果的には、このシャッター速度は、これ以上ないほどの効果を生みます。

この速度で速い動きを撮影し、撮影されたコマを確認すれば、ブレた被写体として定着されているはずです。

しかし、これらを連続で再生すると、ブレた画像が滑らかな動きになります。

デジタルカメラを使い、たとえば光の強い条件でオートの動画撮影すると、シャッター速度が極端に速くなります。

一昨日の午後5時ころ、私はオートで愛猫を動画に収めました。最近試しているSONYのS-Logの写り具合を確認するためもありました。

そのときは、撮影そのものよりも、撮影したLog動画を、動画編集ソフトのDaVinci Resolve Studioで、適正な色合いにするカラーコレクションをすることに主眼がありました。

あとで、そのときに撮影した動画のデータを確認し、驚きました。本当のことをいいますと、撮影しているときに、シャッター速度が異常に速くなっていることには気がついていました。

私はこのとき、毎秒24フレームである23.976 fpsで撮影しています。被写体の愛猫は、磨りガラスに西日が強く当たる窓際でまどろんでいました。動きはほとんどありません。

このショットのシャッター速度は、なんと、というべきか、1/6400秒でした。本来であれば、24フレームの約倍の1/50 sec、あるいは1/60 secであるべきところ、猛烈な速度です。

仮に1/60と比較すると、約100倍の速さと考えられるかもしれません。しかし、写真や、今では動画でも、露出を考えるときは、1段、2段といったように数え、確認したりします。

レンズの絞りでいえば、F1.4から1段絞った値がF2.0で、そのあとは、2.8、4.0、5.6、8、11、16、22と1段刻みで絞り込んでいけます。

シャッター速度も、1/30秒より1段速い速度が1/60秒となり、以下、1/125、1/250、1/500、1/1000、1/2000、1/4000と続いていきます。

フィルムで写真を撮っていた頃、露出を左右する要素は、レンズの絞り値とシャッター速度のほぼ二つだけでした。フィルムの感度は、ポジフィルム(リバーサルフィルム)のコダクローム64であれば、ISO感度(昔はASA感度といっていました)64と決まっており、これを変更することはできず、それを前提にレンズの絞り値とシャッター速度で適正露出を得ました。

デジタルカメラを使う今は、露出決定の要素にISO感度が加わりました。デジタル技術の進歩により、信じられないほどの感度にしても、それほどの影響を受けずに撮影できるようになったことによってです。

そうはいっても、ISO感度を高くするほど、ノイズがのりやすくなるなど、画質は悪くなるといわれています。それは細部を拡大してわかる程度で、気にするほどでもないのかもしれませんが。

デジタルカメラの時代になり、ISO感度においても、1段、2段の考えを適用しなければならなくなりました。レンズの絞り値やシャッター速度のように考えれば、次のようになるでしょう。

ISO100より1段感度が高いものがISO200で、以下、400、800、1600、3200、6400、12800、25600といった具合です。

動画のLog撮影では、使用できる最低のISO感度が高くなります。私が使うSONYのS-Logの場合は、ISO1600未満のISO感度を使えません。

フィルムのカメラを使っていた頃の感覚でいいますと、ISO1600は高感度です。そんなこともあり、Logで撮影するときは、ノイズがでないように気をつける必要がある、とされています。

日中の光が強い撮影条件であってもISO1600未満のISOを使えないため、何も対策を採らなければ、レンズの絞りを極端に絞る必要に迫られます。

一昨日の夕方に愛猫を動画で撮影したときのデータをこれに当てはめますと、Logの撮影ではISO1600未満を使えないため、あとは絞りを最高に絞る必要があります。

私はプログラムオートで撮影してはいましたが、このときに使ったレンズは、昔、ヤシカのコンタックスRTSとRTS IIというフィルムカメラを使っていたときに揃えた、カール・ツァイスの単焦点レンズ、プラナー50ミリF1.4です。

レンズとカメラのマウントの間にマウントアダプタを挟んで使っています。

このレンズを使った撮影の場合は、レンズの情報がカメラに伝わらないため、プログラムオートの設定の撮影であっても、レンズの絞り優先モードで撮影したのと同じになります。

使ったレンズの絞り値がデータに残らないため、1/6400秒で撮影した動画のとき、絞り値がいくつだったかは確認できません。

そのあとに動画を2つ程度撮影していますが、それらは1/200と1/400ですので、うっかりして、私が好きでよく使うF2.8ぐらいで撮影してしまったものかもしれません。

このレンズの最小絞り値はF16です。シャッター速度がそれなりに抑えられたそのあとの動画は、絞って撮影しているものと思います。

シャッター速度が1/6400秒というとんでもない速さで撮影した動画を再生させてみましたが、被写体の愛猫が、日向で横になっているだけで、動きがほとんどないこともあり、特別ヘンに感じることはありませんでした。

これが動きの速い被写体であれば、おかしさには気がつかずにいられないでしょう。

この間の土曜日(6日)の夜10時から、NHK BS1で「ザ・ヒューマン」というドキュメンタリー番組が放送され、私は録画して翌日に見ました。

この番組は見たことがありませんでしたが、新聞でこの番組が紹介されており、興味を持ちました。私の好きな落語家柳家小三治1939~)を追ったドキュメンタリーであったからです。

私は昔から、小三治が好きです。

柳家小三治 【粗忽長屋】

番組紹介の記事は、今月1日の朝日新聞「フォーカス オン」に載りました。番組ディレクターは飛田陽子氏で、元々小三治のファンなのかどうか知りませんが、新コロ騒動で公演が中止される中、小三治が騒動とどう向き合っているか、追いたくなって番組を企画したそうです。

撮影は、昨年末から今年2月にかけてで、公演が再開されて、全国を飛び回る小三治に同行し、その様子をビデオカメラで撮影しています。

あるときは、ディレクターの飛田氏が1人で巡業バスに乗り、デジ樽カメラで撮影を続けた、と記事にあります。

番組は録画してありますから確認しようと思えばできますが、ここでは記憶だけで書いておきます。あれが、飛田氏の撮影したバスでの移動場面だったかわかりませんが、窓の外の景色に、シャッター速度が速すぎることで発生するチラつきのようなものが確認できました。

おそらくはプログラムオートで動画を撮り、外が明るかったため、高速シャッターで、小三治の背後の景色が定着したのだろうと思われます。

作品の出来不出来には影響しませんが。動画のシャッター速度について書いていて、そんなことを思い出しました。

まだまだ話は続きます。よかったら、この先もお付き合いください。

オートで撮影した動画のシャッター速度があまりにも速かったことを確認した昨日の朝、ネットの動画共有サイトYouTubeで次の動画を見ました。この動画は、私が見たあと、本サイトの動画コーナーで紹介しています。

動画の露出設定について【絞り・ISO・ND・シャッタースピード】

本動画の配信者は、露出をすべて自分で設定するマニュアル露出で動画を撮影すると話しています。デジタルカメラの今では露出決定の要素となったISO感度も、ISOオートにすることはないと話されています。

本動画の刺激を受けた私は、すぐに配信者を真似、自分もフルマニュアルで動画を撮影しようと思いたち、実行に移しました。

ここからが今回の本題です。

デジタルカメラで撮影する動画で、一番のネックは、明るすぎる現場での撮影です。Logにおいては、すでに書きましたように、私が使うSONYのS-Logの場合は、ISO感度がISO1600未満で撮影できません。

スチール写真であれば、光が強ければ迷わずISO100で撮影します。段で比較すれば、スタートからして4段感度が高い状態です。これをレンズの絞りだけで調整しようとすることを考えてみましょう。

被写体が人物で、背景をぼかしたいと思い、本当はレンズの絞り値をF2.0にしたいところです。しかし、レンズの絞りを4段絞り、F8にする必要に迫られることになります。

それで適正露出が得らればいいですが、強い光で、被写体が真っ白に飛んでしまうのであれば、最小絞り値のF22にしなければならないこともあるでしょう。

これでは、背景をぼかすだのなんのとはいっていられなくなり、情緒も何も度外視です。そこまで妥協しても適正露出に収まらなければ、お手上げです。

こんな状況下で登場する切り札が、NDフィルターです。

私も、フィルムカメラの時代に買って持ってはいますが、これまで、ほとんど使うことがありませんでした。

私は昔から一貫して身の回りのものしか撮らず、フォトジェニックな被写体に向き合う機会がなかったせいもあるでしょう。強い日光の下、被写体の背景をぼかしたといった撮影条件を経験すれば、NDフィルターの必要性はとうの昔に身についたかもしれません。

NDフィルターは、レンズの前につけて、レンズに入る光の量を弱める役目を持ちます。眩しいときにかけるサングラスを思い浮かべれば、その効果を想像できるだろうと思います。

NDフィルターは数社から発売されており、減光量の強弱で様々な種類が用意されています。

私が昔に買って持っているのは、富士フイルムの製品です。富士フイルムのNDフィルターの特徴は、素材が、薄いシート状であることです。

メーカーのサイトで確認すると、トリアセテート(TAC)という材質で出来ているそうです。

富士フイルムの品揃えでは、フィルターの濃度が最も薄い【ND-0.1】から、濃度が最大の【ND-4.0】まで用意されています。

私が持っている同社のNDフィルターは、中間に位置する【ND-0.9】と濃度が最大の【ND-4.0】の2枚です。

私は、昔、コンタックスRTSとRTS IIにカール・ツァイスの単焦点レンズを使っていましたが、NDフィルターは、プラナー50ミリで使うことを想定し、コンタックスが用意したアクセサリーの専用フィルター・ホルダーに挟んで使います。

プラナー50ミリのフィルター径は55ミリです。

このフィルターについては、10年前に動画にしてありますので、よかったらご覧ください。

DMC-GF1とNDフィルター

前日とほぼ同じ昨日の午後5時頃、NDフィルターを使った動画のテストをしました。一昨日も昨日もよく晴れた日で、光の状態はほとんど変わりません。

はじめにND-4.0を試しましたが、こちらは効果が強すぎて、日常的にはほとんど使えなさそうなことがわかりました。

このフィルターを挟む真ん中が円で切り取られた紙の端に、私が購入したすぐあとに書いたのであろう文字が残っています。それには「131/3」とあります。

富士フイルムの該当ページで確認すると、これは「露光係数」のことのようです。

庭に出て、陽のあたっている方向に、このNDフィルターをつけたレンズを向けてみました。

この条件では、明るく照らされた木々は、ISO感度を最高のISO25600、レンズの絞り値を開放のF1.4にして、訂正露出より1段オーバーぐらいでした。

ちなみに、Logで動画を撮影するときは、最も低いISO感度でもIS1600始まりであることもあり、ノイズが発生しやすいからか、1段から2段ぐらい露出オーバーで撮影したほうがいい、といった指摘もあります。

なお、このテストのとき、シャッター速度は1/60 secにしてありました。撮影速度は24 fps(正確には23.976 fps)です。

蛍光灯の光が入る条件で撮影するとき、東日本は1/50 secか1/100 sec、西日本は1/60 secか1/120 secにする必要があります。これは、蛍光灯が点滅することで発生するフリッカー現象を消すためです。

東日本と西日本で発光間隔が異なることで、設定も影響を受けます。

富士フイルムのNDフィルター【ND-0.9】は、午後5時頃の光の状態では使いやすく感じました。ちなみに、今日の東京の日の入り時刻は午後5時49分ですから、日没の50分前ぐらいの光の状態になります。

前日と同じ条件で、窓辺に寝そべる愛猫を動画に収めました。磨りガラスから強烈な光がガラスに射し、それを隔てた室内で愛猫が寝そべっている条件です。

前日は、レンズの絞り値がおそらくはF2.8近辺で、ISO感度はISO1600、フレームレートは23.976fps、シャッター速度は1/6400 secでした。

その条件で撮影した動画のデータを下に示しておきます。

  • ISO感度 1600
  • フレームレート 23.976 fps
  • レンズの絞り値 F5.6(これは自分で憶えておきました)
  • シャッター速度 1/60 sec
SONY α7 IIに富士フイルムのND-0.9を装着したところ

そのあと庭に出て、見えるものを動画に収めましたが、絞り値をF5.6にして、シャッター速度1/60 secで撮影できることが確認できました。

晴れた日の正午前後で撮影する場合は、もっとレンズを絞る必要があるのかもしれません。レンズの開放に近い条件で撮りたい場合は、もう少し減光効果が高いNDフィルターを購入する必要がありそうです。

手に入れましたらテストし、本コーナーで取り上げるかもしれません。

ほぼ適正な露出で撮影した動画であれば、カラーコレクションをするのも楽しくなるでしょう。

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