季節の変わり目は、人間の心身にも影響を与えます。
そのせいかどうか、私はこのところ気分が落ち込み気味でした。私は元々テンションの低い人間ですが、それに輪をかけてテンションが下がったといいますか、気持ちが一向に盛り上がらず、鬱(うつ病)に近い状態にありました。
今から思い返せば、2020年の五輪開催都市が東京に決まったあとぐらいからだと思いますので、かれこれ半月近く気持ちが鬱々としていることになります。
そんな私の様子に気がつき、気分転換のきっかけにでもなればと声をかけてくれたのか、昨日の午前、義兄(← 2000年10月に亡くなった私の姉の夫)に、「飛行機が不時着した現場に連れて行ってやろうか?」といわれました。
全国的にはこのニュースがどれほど知られているかわかりませんが、23日の午後2時25分頃、4人が乗った軽飛行機が、千葉県八千代市の水田に不時着するトラブルが起きました。このトラブルで、副操縦士の男性が顔に軽傷を負ったそうです。
これを伝える報道によりますと、その飛行機はおそらくは「エアロスバル(FA-200)」で、その昔、私はプラモデルで作った記憶があります。前についているプロペラで飛ぶ飛行機です。
これは個人が所有する飛行機だそうで、それを操縦士と副操縦士が操縦し、30代の夫婦を乗せ、午後2時15分に茨城県の大利根飛行場から飛び立ったそうです。2時間ほどかけて東京湾を遊覧飛行する予定だったということです。
しかし、操縦士の話では、飛び立って10分ほどで突然エンジンの出力が低下し、やむなく稲刈りが済んだ水田に着陸した模様です。
この不時着した飛行機を見に行ってみようと誘われたわけですが、冒頭でも書きましたように、気分が沈んだ状態にあるため、すぐに行く気にはなりませんでした。それでも、どんなところに着陸したのか見てみたい気が起こり、手に入れたばかりのビデオカメラを持って車の助手席に乗り込みました。
あとは、カーナビゲーションの案内に従って目的地を目指しました。ただ、いくらカーナビが進歩したとはいえ、前日に不時着したばかりの軽飛行機がある場所までは教えてはくれません。第一、すでに現場から撤去されてしまったかもしれず、翌日にその地点を探し出せたとしても、その飛行機を見られる保証はまったくありません。
最後は人間の勘でその場所を見つけ出しましたが、時間がかかった分、ベストタイミングの幸運に恵まれました。たまにはこういうことも起こります。
飛行機はまだその場所に置かれていましたが、そこへ早く着きすぎても、遅くても、機体には青いシートがかけられていたでしょうから、肉眼で見ることは叶わなかったハズです。
あとになって気がつきましたが、私たちがついたその時間、運輸安全委員会の調査官による調査がちょうど始まったばかりのようでした。そのため、機体にかけられていたのであろう青いシートがはずされ、水田に機体が姿を現していました。
もっと広々とした水田地帯をイメージしていましたが、水田の周りには民家もあり、道路も走っています。そんな水田に大事故にならずに不時着できたのは、不幸中の幸いといえましょう。
私が見物した側には、牛が何頭もいる牛舎が建っていました。そして、飛行機の向こう側に小さく人影が見えます。私はすぐに、それが報道陣であるのに気がつきました。昨夜、午後7時前の関東ローカルニュースを昨夜も見ていましたら、その終わり頃に、この不時着機を調査する様子が短く流れました。おそらくは、あの映像は、私も気がついた報道陣のカメラが撮影したものでしょう。
私は、機体の向きのままで進入し、着陸したと思っていましたが、そのニュースによれば、飛行機が着地したときの衝撃で3つの車輪が破損し、バウンドして機体の向きが90度回転した、と伝えていました。そういえば、田の上にカギ型の跡が残っていました。私が見つけた跡がその痕跡であるとすれば、牛舎の側から着陸を試みたのでしょうか。
ともあれ、周辺の民家にも被害がなく、乗っていた乗員乗客に大きな怪我がなかったのは幸いです。
その場で撮影したビデオがあります。短いですが、もしよかったらご覧ください。。