2013/09/17 より良いビデオ映像を求めて自分なりに設定

キヤノンのビデオカメラ iVIS HF M41を中古で手に入れて1週間ほど経ちました。

どんなモノでも手に入れて間もない頃はワクワクし、それがカメラなどであれば、毎日手にとって過ごす時間が長くなります。キヤノンの M41もこの1週間ほど、ウキウキしながら毎日ファインダーを覗いては撮影しています。といっても、私の場合は出不精ですので、撮影のためにどこかへ出かけたりすることをまだしていませんで、撮影対象は我が家の愛猫・にゃんこおチビちゃんファミリーのみなさん(=^ω^=) ばかりですf(^_^)

中古で手に入れたビデオカメラ iVIS-HF-M41

「餅は餅屋」ということわざがあります。これを当てはめれば、動画の撮影にはビデオカメラが一番適しているのでしょう。今ではデジタルカメラのほとんどすべてで動画撮影ができます。私はミラーレス一眼カメラでも動画の撮影を楽しんでいますが、動画を撮影するのが楽で、仕上がりに満足できるのは、やはりビデオカメラであることを、M41を使い始めて再認識しました。

カメラの性能を左右するパーツのひとつである撮像素子のサイズが大きいほど撮影された映像の表現力が増すのはわかります。ただその分、大きな撮像素子での動画撮影には、扱いの難しさが加わります。

フォーカスの合う範囲を示す被写界深度が、撮像素子が大型になるほど狭くなります。それを活かし、背景をぼかした幻想的な表現が、一般の個人でも可能になりました。しかし、これは諸刃の刃で、1枚で成り立つ写真であれば効果的であっても、動画でそればかり用い、どれも同じように背景がぼけた映像ばかりではヘンな感じになってしまいかねません。

私がこのほど手に入れたキヤノンの M41に搭載されている撮像素子のサイズは、プロ用のビデオカメラで使われているのと同じ1/3インチで、いわゆるデジ一に比べれば小さなサイズですが、一般的な動画撮影には、これぐらいのサイズが扱いやすいのでしょう。

M41についているズームレンズは10倍で、35ミリフルサイズに換算した焦点距離は、43.6ミリから436ミリです。

焦点距離50ミリのレンズが標準レンズといわれますので、ほぼその焦点距離からスタートしていることになり、人によってはもっと広角寄りにシフトして欲しいと考えるでしょう。

私は、スチル写真を撮影するときも50ミリのレンズばかりを使ったりすることもあり、それより広角で撮影したいと思うことはそれほど多くありません。

そんな感覚を持つため、ほぼ標準レンズと同じ焦点距離で始まるこのズームレンズを逆に使いやすく感じました。ビデオカメラを自分の眼の延長のように使うことを考えれば、自分の目線で撮影を始め、注目をしたいものをより大きく見たいときは望遠側にズームできるというのが理にかなっているように考えるからです。400ミリを超える焦点距離はかなりの望遠です。

このビデオカメラには、撮影モードが3つあります。すべてをカメラに任せる【オート】と映画のフィルムで撮影したような効果を持つ【シネマ】、そして、自分で好みの設定をできる【マニュアル】です。

自分なりにいろいろとテストをし、今は【マニュアル】モードを使っています。【オート】でもそれなりに写り、画質に特別こだわらなければ、面倒くさい設定などせず、購入したときの状態で撮影してもいいでしょう。ただ、コントラストが強すぎるなどと気になり出しますと、どうしても自分なりの設定がしたくなります。

すぐに変えたくなってしまうかもしれませんが、私は次のような設定で今のところは満足しています。

  1. フレームレート:PF60i(60フィールド・インターレース
  2. 録画モード:FXP
  3. ホワイトバランス:AWB(オート・ホワイト・バランス)かその場の光に合わせる
  4. ピクチャー設定:シャープネス -1
  5. ピクチャー設定:コントラスト -1
  6. ピクチャー設定:明るさ -1
  7. 自動逆光補正:OFF
  8. AGC(Aoutomatic Gain Control)リミット:18dB
  9. オートスローシャッター:OFF

「8」の「AGCリミット」というのは知らない人もいるかもしれません。デジ一で写真を楽しんでいる人であれば、ISO感度の上限設定のようなものをイメージしてもらえればわかりやすいと思います。

ビデオカメラの場合は、ゲインによって同じような効果を狙っているようです。正直な話、私も詳しいことはわかりません。これの単位は、dBのようです。

ご自分のお子さんを撮影するためにビデオカメラを求める人の多くは、暗いところでも明るく綺麗に撮影したいといった要望をお持ちのようです。そのニーズに応えた結果、一般向けのビデオカメラを使い、オートで撮影しますと、あら不思議! というくらい、室内などの暗いところでもそれなりに明るく写せます。

私の M41もオートのまま撮影するとそのような映像になります。ただ、ゲインを目一杯近くまで上げて無理に明るい映像にしているため、どうしてもノイズが増え、醜い画像になってしまいます。そして何より、本来は暗く写るべきものが明るく写ってしまうのは矛盾しています。私は写真でもそうですが、暗いところは暗く沈むように撮影するのを好みます。

ですから、暗い部分は暗く写るように、必要以上にゲインが上がらないよう、「AGCリミット」でゲインの上限を設定することになります。

私は今のところ【18dB】にしてありますが、これはまだテスト段階で、もう少し下げることになるかもしれません。また、たとえば打ち上げ花火を撮影するときは、ホワイトバランスを【太陽光】にし、AGCリミットは【0dB】にセットするかもしれません。真っ暗な夜空は暗いままでいて欲しいですから。

「1」の「フレームレート」は、ムービーフィルムの「コマ速度」と同じような意味になります。劇場用のムービーフィルムは、毎秒【24コマ】で撮影し、上映します。ビデオカメラの「60i」というのは、テレビ放送が始まったときからの規格のようです。詳しいことは、ネット上にも詳細に説明されているページがありますので、それをご覧になって理解してください。

私の M41には、ほかに毎秒30コマ撮影する【PF30】と毎秒24コマの【PF24】でも撮影できますが、いずれも記録段階で【60i】に変換される、と説明書に書かれています。具体的には、どのような技術で【60i】に変換しているのか気になりますが、私にはよくわかりません。

1秒間に撮影するコマ数が多くなればなるほど動きが滑らかになることは容易に想像できます。しかし、多くなることで困ることも出てくるだろう、とド素人のσ(^_^) 私は考えてみたりもします。

ムービーフィルムとビデオでは、技術がまったく別なのかもしれませんが、ムービーフィルムで考えれば、毎秒のコマ数を増やすには、それだけシャッター速度を速くしなければ物理的に撮影を行えないだろう、と単純な私は考えるからです。

私が使っていて、今も使える状態にある8ミリ映画のカメラ「フジカ・シングル8 ZC-1000」は、シャッター速度を自分で変えられるようになっています。

本日の豆知識
フィルムのシネマカメラでシャッター速度を変更する場合は、「シャッター開角度」を調節します。毎秒24コマで撮影される映画のカメラは、回転する円盤型のシャッターに180度の角度で円盤の切れた部分(つまり開いた部分)があるそうです。そこから光がフィルムに届き、感光することになります。その開角度では、シャッター速度が48分の1秒になります。私が使う8ミリカメラ ZC-1000はシャッター開角度が160度で、シャッター速度は40分の1秒です。

では、どのようなときにシャッター速度を変えて速く設定するかといえば、たとえば、ゴルフのスウィングなど、動きの速い被写体を鮮明に撮影したい場合です。映画の上映フィルムを手にとって眺めてみれば、1コマ1コマは小さなスライド・フィルムのような静止画で、それが1秒間に24コマのスピードで上映されることで動いて見える仕組みです。

その撮影の際、シャッター速度を速くすることで、1コマに写っている静止画に写っている被写体がより静止した状態で記録されるようになります。それで、連続して再生しても動きがシャープになるというわけです。

しかし、速いシャッター速度で撮影されたフィルムは特殊で、映画のフィルムは通常【1/48秒】で撮影するそうです。

速い動きをする被写体であれば、1コマだけ確認すればブレて写っているでしょうが、それだからこそコマ同士の動きがつながり、滑らかに見えることになります。

こうした原理を考えた場合、コマ速度を無闇に増やすことが動きを滑らかに見せることにどれだけつながるのか、私には疑問に感じる部分もあることはあります。もっとも、【1/48秒】がたとえば【1/60秒】になってもそれほどの影響はないでしょうか。

ともあれ、今後は様々なものを様々な条件で撮影することで、マニュアルの設定に変更の必要性が出てくるかもしれません。そのために、このたび手に入れたビデオカメラ M41をどこへ行くのにも持参し、せいぜい活用することにしましょう。

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