相変わらず、動画編集に接する時間を長く持っています。起きている時間は、ほとんど、その使い方を調べたり、自分で試すようなことに使っています。
私が今月12日から使い始めた動画編集ソフトは、Blackmagic DesignのDaVinci Resolve 17です。
このソフトは無償版が用意されています。それを使い始めた一週間後、有償版のDaVinci Resolve Studio 17に乗り換えています。乗り換えた理由については本コーナーで書いたとおりです。
今、有償版の動画編集ソフトを購入すると、なんと、同じ価格に設定された編集キーボードのDaVinci Resolve Speed Editorがついてくるキャンペーンが展開されているのです。
編集キーボードは、編集ソフトのカット編集にほぼ特化された仕様になっており、本ソフトのもう一つの目玉機能である、色彩を編集する作業では使えません。
この色彩の編集ですが、これも非常に奥が深く、ちっとやそっとでは使いこなすことができません。それで、ネットの動画共有サイトのYouTubeに上がっている関連動画を見て、それを自分で真似するようなことに時間を割いています。
これまで、長いことPCを使った動画編集を自分なりにしてきましたが、色彩を編集したことがなく、その可能性に驚いている状態です。
昨日、ある色彩効果を紹介する動画を見て驚き、本サイトで紹介しています。
普通に撮影した動画に写った赤い草を、デジタル技術で緑の草に変えてしまうエフェクトです。動画で紹介されたとおりにやってみると、簡単に実現でき、びっくり仰天しました。
同じエフェクトを人間の肌に適用すれば、肌の色をどんな色に変えることも簡単にできてしまいます。しかも、その人が画面の中をいどうしても、動きをトラッキングさせることで、対応させる範囲を移動させることができます。
トラッキング効果は、私が本ソフトの前に使っていた動画編集ソフトのVegas Proでもできましたが、もっと面倒な設定が必要でした。
同じ効果を使い、モノクロの画面で、あるものだけをカラーにすることもできます。
そんなこんなのやり方を知り、自分で試すようなことをしていますと、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
覚えたい技法は数限りなくあり、それを自分で実現しようとすれば、どれだけの時間がかかるかわかりません。
あるテクニックを使えるようになることで、それを自分なりに工夫して、バリエーションを広げることができるようになるでしょう。
そうやって、テクニックの引き出しを少しずつ増やしていきたいと考えています。
色彩の編集には、カラーコレクション(カラコレ)とカラーグレーディングというものがあり、自分なりの色彩を表現であるカラーグレーディングを実現するには、その土台となるカラコレをはじめにきっちりする設定しておく必要があることも知りました。
カラコレですることは、本来あるべき色相・彩度・明度(映像の場合は輝度)にすることです。
私はこれまで、カメラ任せで動画を撮影し、撮影が終わった動画の色に編集を加えることはありませんでした。
静止画であれば、RAW画像で全て撮影し、撮影後にデジタル現像のようなことをし、その際に、必要があれば露出を調節しますが、私は基本的には、色を変更するようなことは積極的にしません。
動画は、繰り返しになりますが、撮影後に色彩の編集は一切してきませんでした。
しかし今回、DaVinci Resolve Studioで色彩の編集をし、撮影したままの色彩が、本来あるべき色彩ではなかったことに気が付きました。
撮影したままの動画の色彩は、大雑把にいえば、深みが足りません。編集前と編集後を比較すれば、一目瞭然です。
カラコレのあとに本格的にカラーグレーディングしたい人は、静止画と同じように、動画の撮影時はRAW動画で撮影するそうです。
RAW動画は、静止画のRAWで連続撮影したものと同じことになり、ファイルサイズが巨大になります。しかも、本格的な映像クリエイターは4Kかそれ以上の解像度で撮影するのが常識になっているようです。
4Kは、私も使うフルHDに比べ、画素数が倍になり、面積比較では4倍になります。ファイルサイズが単純に4倍なるのかどうか私はよく知りませんが、ファイルサイズが増大することは間違いありません。
私は4Kで撮影したことはありません。身の回りの愛猫を撮影したりすることが多い私には、4Kの画質が必要には思えないからです。ま、気が変わり、4Kを使いだすかもしれませんが。
RAWで撮影した動画は、色相・色彩・明度がフラットで、カラコレして使うのが前提となります。
その上で、自分なりの色彩にしたい場合は、自分で色彩調整をすることになるようです。
私はまだカラーグレーディングまでは届いていませんで、カラコレの仕方を、繰り返し試すことで、自分のものにしようとする段階です。
色彩を調整するときは、DaVinci Resolve Studioのカラー部門で、さまざまな値を動かし、目的の色彩へ近づけることをします。
ホイールやカーブをマウスポインタで動かすことになりますが、微妙であればあるほど、マウスだけでは調節が難しくなります。
その調節に、トラックボールを勧める人がいました。
それを見た私は、以前使ったトラックボールを試してみようと考えました。
しかし、すぐには見つかりませんでした。また、トラックボールを使わなくなった理由も思い出しました。使っているうちにトラックボールの動きが悪くなり、普通のマウスの方が使いやすいのではないかと考え、また、元のマウスに戻した遍歴があります。
そんなことを考えているとき、あるアイデアが浮かびました。PCで絵を描くのに使うペンタブレットを使ってみたらどうかというアイデアです。
私はワコムのIntuosペンタブレットを持っています。専用ペンをタブレットの上で動かして、デジタルで絵を描けるほど細かい動きが得られます。
そのペンで、カラー調節するためのホイールやカーブを操作したらどうか、というわけです。実際にやってみると、十分すぎるほど使えることが確認できました。
色彩の調節は、ほんの少しの動きでも大きく変化します。それだけ微妙な操作になり、ペン先で調節できる絵画制作用のタブレットとペンが有効な道具になることがわかりました。
今後はこれを、色彩編集に利用することにします。
動画編集ソフトのDaVinci Resolve Studioには、あらかじめ様々なLookup table(LUT)がセットされています。
これは、それぞれに独自の色彩がセットされたフィルターのようなものです。それを自分の動画に適用することで、手軽にその色合いを持つ動画にすることができるというわけです。
正直な話、あらかじめセットされているLUTが、それぞれどのような意味合いを持ち、どのように扱うのばベストなのか、模索している段階です。
本ソフトにセットされたLUTには、RAWで撮影した動画の色彩を最適化するためのものと、最適化したあとにかけるクリエイティブなものがあるようです。
クリエイティブなLUTが、カラーグレーディングになりそうです。これは本来は自分で設定していくもので、用意されたクリエイティブLUTは、LUT作業の入り口に当たるものという位置づけでしょうか。
よくわからないながらも、カラーコレクションを終えた動画に、試しにひとつのLUTをかけてみました。
上から順番にLUTの効果を見ていき、自然の色彩に感じたAstrodesignのAlog to ARRI log CというLUTを当ててみました。
アストロデザインというのは日本のメーカーで、放送機器も扱う映像機器メーカーのようです。
そのアストロデザインが作ったLUTになりましょうか。ARRIというのは「アーノルト&リヒター」の略称で、レッド・デジタル・シネマカメラ・カンパニー(RED)と二分する、世界を代表するドイツの映画機材メーカーです。
Alog to ARRI Log Cは、ARRIのカメラを使ってRAW撮影した動画に適応したLUTとなるのでしょうか。よくわかりませんが。
それを昨日、自分が適当に撮影した愛猫の動画に適用してみると、色彩がほとんど一緒でした。猫の動画には、あらかじめ自分でカラコレを済ましておきました。
ということは、ARRIのカメラでRAW撮影した動画に、基本的な色彩をもたらすLUTになりましょうか。
猫の動画は、昨日の夕方近い時間、窓際でまどろむ猫を撮影したものです。それを自分なりにカラコレしたものが、Astrodesignが作成したのであろうARRIのLog用のLUTの色彩とほぼ同じであることが確認でき、見様見真似でやった自分の色彩補正が、それほど間違っていない(?)かもしれないことが確認できた次第です。
私は基本的に、本来あるべき色彩であれば良いと考え、色彩を自分なりに変更することは考えていません。
他の人が作ったLUTを紹介する海外のサイトがあり、そこで気に入ったLUTがあっったら、それを自分の動画に適用することが簡単にできるようです。
カラコレでホワイトバランスの調節をすると、これがなかなかおもしろく、時間が経つのを忘れてしまうほどです。
こんな感じで、毎日DaVinci Resolve Studioに接していれば、それなりに使いこなせるようになるでしょうか。
問題は、それを使ってどんな動画を作るかです。こちらはどこにもチュートリアルは用意されておらず、自分で一から考え出すしかないですね。
動画制作で一番難しいのは、技術的なことではなく、何を生み出すのか? ということでしょう。