本日も、本コーナーは思いつきの独り語り「気まぐれトーク」の形式にて更新しています。なお、トークは前日の夜に行っています。
本日分の内容につきましては、音声ファイルでご確認下さい。で、そうされない場合は、下にトークを要約して書き起こしていますので、それをお読みになって、トークのだいたいの流れをご想像下さい。
なお、音声ファイルはMP3方式にて紹介しています。再生箇所は前後に自由に移動させることができるますので、下の書き起こしで見当をつけ、聴いてみたい部分だけを“つまみ聴き”するようなこともできます。ご自由にお楽しみ下さい(^ー^)ノ
トークを要約した書き起こし
今回も夜にトークをしている。今回のトークは、長々と無駄話をしがちな私にしては珍しく、寄り道をせず、本題へ入っている。だからといって、内容の濃いトークになっているかどうかは保証の限りではないけれど。
今回は、いや、今回も、このほど手に入れたばかりのミラーレス一眼カメラ、パナソニックの「LUMIX DMC-GF1」から派生した話をしてみることにする。
私が昔、フィルムの一眼レフカメラで写真を楽しんでいた頃、将来、記録メディアがデジタルに変わり、しかも、同じカメラでビデオカメラのように動く映像まで撮影できるようになるとは思いもしなかった。
技術の進歩はめざましく、今、新しく発売になるデジタル一眼レフ(デジ一)は、ほとんどが動画撮影機能を搭載している。
ただ、私が昨年のゴールデンウィーク明けに手に入れたキヤノンのEOS 5Dは、発売されたのが今から6年前の2005年8月で、デジ一に動画機能が搭載される前の設計になり、純粋に写真を撮影するカメラとなっている。
5Dは既に生産が終了しており、その後継機となるEOS 5D MarkIIでは、フルHD(フルハイビジョン)で動画を撮影できる。
考えてみれば、これは驚くべきことだ。なぜなら、それ以前、同様の映像を撮影しようとしたら、目の玉が飛び出るほど高価な機材を使うしかなかったからだ。だから、一般人には無縁の世界だった。
5D MarkIIとて決して安いとはいえない。それでも、手に入れられなくもなく、それで、映画館で上映する映画と同等の映像を個人が撮影できてしまうのだから、映像好きを自認する私としては強い興味を持たざるを得ない。
ただ、そうしたカメラを使えば、誰でも気軽にプロ並みの映像が撮影できる、というわけでもない。身の回りのものをメモ代わりに撮影するのであれば、家庭用のビデオカメラの方が手軽だ。しかし、自分でコントロールした映像を撮影したいとなれば、面倒でも、この種のカメラを用いるしかない。
既に述べたように、私が昨年手に入れた5Dでは動画を撮影できないので、それを補うカメラを欲しいと思っていた。その目的もあって一週間ほど前に、GF1を手に入れている。
もっとも、このカメラで撮影できる動画は、AVCHD(=Advanced Video Codec High Definition) Liteという規格で、フルHDよりも劣る。しかも、撮像素子のサイズが、フルサイズの約半分(面積は約4分の1)のマイクロフォーサーズ。それでも、家庭用のビデオに搭載されている撮像素子より断然大きいため、理屈上は、より劇場用映画の映像に近い映像が撮れる、のではないかと考えている。
今回、GF1を手に入れたことで、動画を撮影する仕組みについてにわか勉強をした。今はネットで知りたいことが手に入るので、こうした勉強をするにしてもとても助かる。同じことを、ネットがない時代にしたら大変だろう。それはともかく、動画の仕組みをほとんど知らないまま動画の撮影を楽しんでいたことを気づかされた。
動画の仕組みに行く前に写真の仕組みを簡単におさらいしておこう。
一眼レフカメラには、45度の角度で反射鏡が取り付けられている。写真を撮影していないとき、レンズから入った光は反射鏡に反射し、真上に向かった光は、フォーカスを合わせるためのピントグラスに像を結び、それをファインダーで確認することができる。
シャッターボタンを押すと、反射鏡は上に跳ね上がり、光はシャッター幕の前まで進む。シャッター幕は超低速から超高速のスピードで開き、フィルムカメラであればフィルムに、デジタルカメラであれば撮像素子に感光する。
一方、ムービーカメラの仕組みについては、わかっているようでわかっていないことが多かった。まず、写真撮影において欠かせないシャッター速度だが、映画の場合は、それがいつくかご存じだろうか?
私は、昔から動く映像が大好きで、8ミリムービーでの撮影も楽しんでいたので、ほかの人よりもムービーカメラにも親しんでいるつもりだったが、その構造については、これまでほとんど知らずにいた。
ムービーカメラの場合は、フィルムの直前に、45度の角度で鏡状の円盤が取り付けられている。この円盤は高速で回転するようになっている。この円盤が一眼レフカメラの反射鏡とシャッター幕、両方の役目を果たす仕組みになっている。
45度の角度で回転する円盤の鏡面に当たった光は、一眼レフカメラと同じように反射し、イメージスクリーン上に結ばれた画像をファインダーで確認することができる。
360度がすべて鏡面であれば、ムービーフィルムにレンズの光は届かず、映像を撮影することはできない。そこで、360度の半分の180度は切り取られている。それを「シャッター開角度」というそうだ。この半円状の鏡面円盤が回転しながら、劇場用の映画であれば、1秒間に【24コマ】のスピードで撮影していく。
ならば、ムービーにおけるシャッター速度は【24分の1秒】かというと、そうではない。
ムービーのシャッター速度を導く計算式があることをネットで教わった。その式の通りに計算してみよう。
1秒間に【24コマ】で撮影するムービーの場合、円盤の角度【360(度)】に毎秒撮影コマ数の【24(コマ)】をかける。出てきた数字は【8640】。これを、シャッター開角度である【180(度)】で割る。答えは【48】。ということで、1秒間に【24コマ】の速度で撮影する場合のシャッター速度は【48分の1秒】になる。
私が使っていた8ミリムービーカメラに「フジカシングル8 ZC-1000」があり、実は私も所有していたりする。
このムービーカメラのシャッター開角度は、180度よりほんの少し狭い【160度】だそうである。同じように計算すると、8ミリムービーは毎秒18コマなので、「360×18=6480」「6480÷160=40.5」になり、約【40分の1秒】のシャッター速度であることがわかる。
このZC-1000というカメラは凝った造りになっており、シャッター開角度が【160度】の状態から【0度】まで無段階に変更できる。この操作を撮影中にすれば、ちょうどフェードアウトをかけたように、明るい画面を徐々に真っ暗にしたり、その逆の効果も実現できる。
また、シャッター開角度を通常より狭くするとそれだけ速いシャッター速度になり、1コマ1コマの静止画をハッキリ撮影することができる。それが過ぎると、いわゆる動きがぎこちない「パラパラ漫画」のようになってしまうが、たとえば、ゴルフのスウィングをより速いシャッター速度で撮影すると、その動きがより鮮明に撮影できる効果がある。
なお、通常、ムービーで撮影した1コマ1コマを肉眼で確認すると、写真でいえば失敗になるような「被写体ブレ」といわれる静止画であることが多い。しかし、そのような静止画が1秒間に24コマずつ再生すると、ぎこちなくない滑らかな動きに見える。それだから逆に、シャッター速度がある段階を超えて速くなると、コマ同士がつながって見えなくなり、不自然になる。
トークで、「(シャッターの役目をする)円盤は、1秒間で1回転する」と何度もいってしまっているが、これは明らかな言い間違い。正しくは「半円状の円盤は1コマごとに1回転」している。
では、なぜ半円になっているのか? それは、露光が済んだフィルムを1コマ送る時間が必要になるから。デジタルカメラになり、フィルムを巻き取ることを忘れているが、私も昔は1コマごとに自分で巻き上げて写真を撮影していた。
ムービーの場合も、1コマずつ送りながら露光する。その1コマ送る時間はフィルムに光が当たってしまっては困る。だから、シャッターが閉じる時間も作らなければならない。それが回転する円盤の半円部分になる。レンズ面は鏡状になっており、そこに当たった光が45度の角度で反射してファインダーに届く。
つまり、1コマ撮影の工程は、シャッターが開いた180度の部分が回って来たとき、フィルムが感光し、フィルム面が半円で塞がれたとき、すなわちシャッターが閉じている間にフィルムを1コマ送ることを1秒間に24回繰り返していることになる。ということは、当然、フィルムを1コマ送る速度は【48分の1秒】以下でなければならないことになる。いずれにしても、実に精密な動作が求められる機器である。
デジ一、あるいはミラーレス一眼カメラに専用のレンズを付けて動画を撮影するのであれば、特別構造について知らなくても綺麗な動画を撮影できるだろう。しかし、私が今回手に入れた「GF1」はボディのみで、レンズはフィルム・カメラを使っていた頃に揃えたオールド・レンズで、それをマニュアル感覚で使って動画を撮影したいと考えている。そのため、どうしても動画を撮影する仕組みが知りたくて今回のようなトークになった。
ひと通り、文章に書き起こす作業を終えたあと、気になって、私が持っているZC-1000のマウント部分を確認した。ほかの8ミリ・カメラはレンズを外せないが、このZC-1000は例外的に外すことができ、内側を観察することができる。
たしかに、反射鏡が45度の角度で付いているのが見えるが、一眼レフカメラに付いている反射鏡に似ていて、円盤状ではない。ということは、このZC-1000の場合は、スチル・カメラと似た構造で、1コマごとに、ドアを向かって右側に閉めるようにパタパタと開閉を繰り返す、のではなかろうか? ほかのカメラの構造はわからない。ましてや、映画を撮影するカメラの内部は見たことがないのでなおさらわからない。もしかしたら、カメラごとにシャッターの仕組みは異なる可能性もないではない。
次回は、今回のおさらいをしつつ、明るすぎる光を減光するための「NDフィルター」の話などをする予定。