新しい CPU を購入したことは、本コーナーで書きました。
今は、AMD製のRyzen というモデルな人気となっています。組み上がった市販の PC を使っている人で、その方面に特別関心がなければ、自分の使う PC に、どのような CPU が使われているか関心を向けないかもしれません。
このことは本コーナーで何度か書いていますが、私は2003年6月から、自作 PC を使っています。自作 PC とは、必要なパーツを自分で選び、組み上げるものです。
このように書きますと、何かとても難しいことをしているように思われるかもしれません。しかし、実際にやってご覧になるとわかると思いますが、想像されるほど難しいことではありません。何しろ、私にもできるほどですから。
PC のパーツはそれほど多くなく、基盤となるマザーボードの他に、CPU、メモリ(主記憶装置)、SSDやHDD、必要であれば、グラフィックボードなどを組み上げていくだけです。
自作 PC についての話はこのくらいにして、今回私が購入した新しい CPU の話に移ります。
私は、いま人気のRyzen を横目に見ながら、これまで使って慣れ親しんでいる、Intel 製のCPU にしました。特別高性能のものでなく、実力としては、4ランクあるうちの上から3番目ぐらいのCore i5というモデルです。
前回パーツの交換をしたのは5年ほど前で、その時に選んだ CPU もCore i5ですので、CPU を新しいものに交換したからといって、体感できるほどの性能差は感じられないだろうと考えていました。
その CPU が届いたのはおとといぐらいでしたか。昨日の午前、CPU の交換をしました。
CPU は PC の心臓部とはいえ、交換するのに時間はかかりません。一度でも交換したことがある人なら、5分程度で作業は終わるはずです。
ネットの動画共有サイトの YouTube には、自作 PC を作る様子などを動画にして上げている人が少なくありません。たまにそういう動画を見ますが、それを見て感じるのは、CPU と CPU クーラーの間に塗るグリスの量が多すぎるのでは? ということです。
昔と今で、常識が違ってきているのかもしれませんが、私はそのグリスを、米粒一粒程度しか塗りません。初めて自作 PC を作る時、参考になる本を買い求め、確かその中に、グリスの適量は米粒大程度、とあったように記憶しているからです。
グリスはCPUの上に絞り出すだけで、ヘラで伸ばすようなことはしません。
グリスの役目は、PC を駆動させることで CPU の温度が上がりますが、その熱を冷ますための CPU クーラーのヒートシンクに、熱を伝えることです。
CPU クーラーには、空冷式と水冷式があります。私は、CPU クーラーだけを別に買い求めたことはありません。CPU についてくる純正の空冷式クーラーを使います。
空冷式クーラーは、ファンが回転して、熱を逃がす構造です。水冷式は使ったことがないですが、水を使って熱を冷ますのでしょう。ちょっと大げさに感じます。それはともあれ、それぞの CPU クーラーの底と、CPU が密着する形となりますが、その間にグリスを塗ります。
グリスにも様々な種類があり、それぞれの製品が、優位性を宣伝しています。私は、過去に購入したグリースの使いかけがあり、昨日はそれを使うことになりました。
CPU クーラーが付属した CPU を新品で購入しますと、CPU クーラーの底にはあらかじめグリスが塗られています。自分でグリスを塗る必要はありません。それなのに、私は昨日、グリスを3回塗りました。
ということは、初めに新品の CP をつけた以外に3回、 CPU を付け直したことになります。つまり、1回でうまくいかなかったということです。その結果、5分程度で終わると思っていた作業が、途中で作業を中断したのち、夕方ぐらいまでかかりました。しかも、新しい CPU に交換できずに終わるという残念な結果です。
新品の CPU を交換し、PC のスイッチを入れました。すぐにOS が起動するものと思ったところ、起動するどころか、スイッチを入れたのに何の反応もありませんでした。
CPU クーラーのファンは回らず、電源のファンも、熱を外に逃がすためのケースのファンも停止したままです。何の音沙汰もなく、シーンとしています。これまでに何度もパーツの交換をしていますが、それをしたあとに電源スイッチが入らなくなったのは初めてです。
うっかりミスで、電源のスイッチを入れ忘れたのかとさえ考えました。
シーンとした PC の内部を眺めていても、原因が思い当たらず、途方にくれました。
一旦は作業を止め、タブレット PC でネットなどを見ていました。
私が PC でする作業には、自分のサイトの更新があります。タブレット PC を使う前は、PC がなければ自分のサイトの更新もできないと考えていました。しかし今は、タブレット PC でも更新できることがわかっています。
しかも、今回もそうですが、音声入力で更新をしています。これであれば、サイトの更新のためだけであれば、PC はどうしても必要というわけではありません。
そんなことをぼんやりと考え、いっそのことをこれを機会に、PC なしの生活にしようかとも考えました。
そうはいっても、PC がなければできない作業もあります。私は写真撮影を趣味としていますが、これも PC が必要です。私は常にRaw 画像で撮影します。これはフィルムのネガのようなもので、デジタル的な現像をして、通常のJPEG ファイルに変換します。その作業には PC が必要です。
他に PC が必要なのは、これも私が好きな、動画の編集です。こればかりは、PC を使わないわけにはいきません。
そんなことを考えているうちに気が変わり、再び、全く反応しない PC に向かいました。
原因が思い当たらない私は、それならと、今まで使っていた CPU に交換することを思いつきました。実際にそれをやってみると、当たり前のようにスイッチが入り、普通に使うことができました。
その確認をしたあと、今度はうまくいくかもと淡い期待を抱き、CPU を新しいものに交換してスイッチを入れました。しかし私の期待は裏切られました。またしても、うんともすんともいわなかったのでした。
新しい CPU に交換することを諦め、今まで使っていた CPU をマザーボードに載せ、そのまま使っています。
自作 PC を使う人には、トラブルがつきものです。私もこれまでに何度かトラブルに見舞われました。それを思い出してあることに気が付きました。
あれは何年前でしたか、PCを使っていると急にバチン! と電源の切れることがありました。それがいつ起こるかわからず、不安な気持ちになったものです。ついには、バチン! 恐怖症にまでなりました(?)。
その原因は、メモリにありました。メモリを挿すスロットに完全に挿さっていなかったことで、それが起きていたのです。このことからわかるのは、メモリーと電源は関係が浅くないことです。
それを思い出したことで、今回のトラブルの原因にもメモリが関係しているのでないか、と見当をつけています。本当のところはまだわかりませんが。
今使っているメモリ(4GB のものを2枚で8GB )は5年前にパーツを交換した時に購入したものです。そして今回購入した CPU は、第9世代で、新しいです。
ということで、5年前に交換したメモリとのあいだで、何かしらの問題が起きているのかもしれません。
メモリといえば、CPU よりも前に注文を入れてあります。
今回は、1枚16GB のメモリが4枚で、合計64GB にする予定です。メモリは作業机の広さに例えられます。机が広いほど、さまざまな作業をするのに楽です。
半導体が不足する事態の影響を受けてか、私が注文したメモリが届くのは、早くて来月初めになりそうです。
それが届いたら、新しいメモリに交換し、新しい CPU との相性を確認してみたいと考えています。それで上手くいけば、CPU とメモリが新しいものに入れ替わることになります。
新しい CPU が使えないとなれば、仕方がありません。諦めて、下取りに出すことにしましょう。
結果は本コーナーに書くことにします。
市販の CP をそのまま使っているのであれば、故障したら、PC のメーカーかショップに修理を依頼するでしょう。自作 PC の場合は、トラブルを自分で解決しなければなりません。
しかしこれも、自作 PC ユーザーの楽しみのひとつと前向きに考え、対処していくことにします。