本コーナーでもたびたび取り上げていますように、私は映像に並々ならない関心を持っているわけですが、最近はその傾向が強まっています。
といいますのも、私のPCがいわゆる「テレパソ」化したためです。「テレパソ」というのは、テレビとパソコンをくっつけた造語のようでして、PCのディスプレイでテレビを視聴できる環境を指します。
そしてこうした環境では、ただ単に視聴できるだけでなく、内臓のHDD(ハードディスクドラブ)を録画テープ代わりにして、テレビの番組をそのまま録画できるのが一般的です。
同じようなことは市販のHDD&DVDレコーダーでもできる、といいいますか、それ専用に造られた製品であればより便利に使用できます。
しかし、それらは決して安くはなく、おいそれと購入することのできない私は、同じ機能を自分のPCに負わせてしまったわけです。ただ、これにはこれなりのメリットもあり、市販のHDD&DVDレコーダーの場合は内臓HDDや映像を取り込んだりエンコードしたりする部品構成を自分で選ぶことができませんが、自分のPCに組むのであれば自分の思うがままです。限度はあるでしょうが。
この場合の要(かなめ)となるTVキャプチャ・カードにしても、CPUにほとんど負担をかけず、PCで同時に他の作業をしていても録画された映像にコマ落ち(ムービー・フィルムのところどころのコマが抜けて、動きがカクカクするような状態)が発生しない「ハードウェア・エンコード」タイプのカードでも2万円以下で手に入ります。
さらに、HDDに録り溜めた番組の中から、残しておきたいものはDVDメディア(主にDVD-R)に焼くことも容易に行えます。このことについては、いずれまた機会をみつけて書きたいと思います。
今回は別のことについて書くつもりですので、話を先に進めます。
以上はちょっと長い前置きでして、このように映像好きな私が今、俄然購買意欲を刺激されている「ノンリニアビデオ編集ソフト」があります。
その、私を強烈に魅惑するソフトは、本日2月6日に業界大手のカノープスから発売になるEDIUS 2.0です。
この製品の発売が予定されていることは以前から知ってはいましたが、私はこれまでほとんど関心がありませんでした。というのも、私が勝手な思い込みをしていたためです。
私は当社の編集ソフトDVRaptor Neweditonを今現在も利用しています。これはDV(デジタル・ビデオ)で撮影した録画データをPCに取り込むキャプチャ・ボードと、”Raptor Edit”という編集ソフトがセットになった製品です。
この編集ソフトが実にシンプルで、動作も軽快で扱いやすく、別段凝った編集など必要のない私には、十分満足できるものです。
しかし、この製品は既に生産が終了しており、現在はより上位機種の製品がラインナップされています。ただそれらはより性能がアップしているため、その分高額になっています。今の私にはおいそれと手の出る製品ではありません。また、それを導入しなければならないほど活用しているわけでもないので、私には縁のない製品と考えてきました。
で、本日発売になる編集ソフトのEDIUS 2.0も、それら上位機種専用の編集ソフトだとばかり勘違いしていたのです。現に、製品情報のページにも、「おすすめ製品」としてそれらの上位機種の編集システムが紹介されています。
そんなわけで、全くの無関心状態でいたわけですが、いよいよ発売を翌々日に控えたおととい、新たに設けられたEDIUS 2.0の専用ページを含めてよくよく見てみると、「ノートPCでも利用可能」とあるではありませんか。
ノートPCに、DVStorm 3といったキャプチャ・ボードを新たに組み込めるはずがありません。そのノートPCでも利用可能ということは、私のデスクトップ型のPCで使えないはずがないことを意味します。
そこで、遅ればせながら気を落ち着けて説明書きを読んでみると、IEEE1394の端子さえあればどのPCでも利用可能と書かれています。
それについては以前から同ページにそう書かれていたはずで、頭から自分には関係のないソフトだという目で見ていたため、正確な情報として私の中に入ってこなかっただけということになります。思い込みの激しさは、判断を誤らせる好例(悪例?)です。
ともかくも、使えるとなったらすぐに試してみたいということで、用意されている「体験版」を早速ダウンロードし、インストールしてみました。
で、実際にソフトを立ち上げてみると、使い慣れたRaptor Editとはかなり趣が異なり、どこをどう操作するのかもにわかにはわかりません。技術が進んでいる分操作画面も近未来的になっています。
それでもわからないなりに、ヘルプを参考にしながら操作してみると、これがまた面白く感じられます。何といっても画期的なのは、読み込めるファイルの種類の多さです。
これまで私が使ってきたRaptor Editでは、唯一AVIファイルだけを扱うことができました(しかも、一般的なAVIファイルは扱えず、キャプチャ時に作成されたAVIファイルのみ有効)。その上、これにも使用制限があり、一つのファイルで2GB(録画時間にして約9分)を超えるものは扱えず、その代わりとして、いくつもの2GB以下の小さなサイズのファイルを一つのファイルとして扱う参照AVIファイルとして利用する必要がありました。
それに対し、「EDIUS 2.0」であれば、TVキャプチャ・カードで録画をしたMPEG2もそのまま読み込むことができるとのことです。
そこで、早速録画済みのMPEG2で試してみると、当たり前ですが、あっけないほどあっさりと読み込め、MPEG2では絶対に不可能だと思っていた1フレーム単位での正確な編集までもがいとも簡単に行えてしまいます(実際に1フレーム単位での編集なのか、あるいは「擬似1フレーム」なのかは、現時点で、私は未確認です)。まるで、狐につままれたような気分です。
ともかくも、このソフトにはたくさんの機能が盛り込まれており、それらを使いこなすのは難しそうですが、いろいろと遊びながらでも試していったら楽しいこと請け合いです。
というわけで、私はすっかり購買意欲を刺激されまくっており、「これまで使ってきたRaptor Editのシステムを下取りに出して少しでも“軍資金”を作るか?」などと具体的なことまで考え始めています。