のっけから自己紹介しているわけではありません。日本語入力ソフトにローマ字入力で「あいうえお」と入れて変換キーを押したところ、変換候補に「愛飢え男」とあったので紹介しています。
日本人で「あいうえお」と入れて変換する人は少ない(?)でしょう。ほんの遊び心で試したら、意外な発見をした気分です。
PCでネットを利用する人が大半だった頃は、日本語入力ソフトを使わない人も多かったでしょう。それが今は、スマートフォン(スマホ)を多くの人が利用しますから、誰もが日常的に日本語入力の機会を持つはずです。
そこで問題になるのが、どのようにして日本語の文字に変換するかです。それが手軽であればあるほど、入力したい人には助かります。
私のことを書きます。
私は1999年5月にPCを購入して使い始め、PCのキーボードを使った日本語入力を始めました。
変換するために日本語の文字を入力する方法には、ローマ字入力とかな入力の二通りがあります。私ははじめからローマ字入力を選びました。
キーボードで日本語を入力するのが夢だった時代、私は英文を入力できるタイプライターに憧れを持ちました。思っただけでなく、タイプライターを購入し、キーの打ち心地を楽しんだりしています。
その経験があったため、アルファベットのキー配列は、キーボードを使い始める前から馴染んでいました。
入力した文字は、変換ソフトで変換します。私が使うOSのMicrosoft Windowsには、はじめから日本語変換ソフトのMicrosoft IMEが入っています。
しかし、日本語を理解する日本のメーカー、ジャストシステムのATOKを使いました。これはしばらく使っていましたが、有料ソフトであるため、その後、無料で使えるIMEに戻しました。
今は、Google日本語入力を使っています。これも無料で使える上に、IMEよりも優れているように感じるからです。
たとえば、改良されるまで、IMEで「100まんえん」と入れると、必ず「100蔓延」と変換されました。私としては「100万円」に変換してほしかったのですが。
それが、Google日本語入力は、はじめから「100万円」と変換してくれました。
Google日本語変換を選んだのには、ほかに、デスクトップPCの他に、タブレットPCを併用するようになったことも影響しています。私が使うタブレットPCのOSはAndroidで、元から入っている日本語変換ソフトがGoogle製です。
タブレットPCには、デスクトップPCのような物理的なキーボードがありません。そのため、狭いスペースでも日本語入力しやすいよう工夫されています。
タブレットPCで日本語入力する必要があるとき、今はGoogleのGboardを使っています。これはローマ字入力とはまるで違い、かな入力を進化させたようなもの(?)です。
はじめは入力しにくく感じました。しかし、慣れてしまえば、これはこれで有効な入力手段です。とはいえ、それで自分のサイトの更新をする気にはなれませんけれど。
この入力ソフトには、それを補う機能が備わっています。音声入力です。タブレットPCであれば、マイクが搭載されていない機種はなく、簡単に音声を端末に読み込ませることができます。
それを使い、話した自分の言葉を文字に変換する仕組みです。
Googleの音声入力は少しの間で大きく進化しています。滑舌が悪くない限り、ほぼ思い通りの変換をしてくれます。
私はそれを試すまで気がついていませんでしたが、本サイトの更新に使うWordPressがいつの間にかGoogle日本語入力に対応しています。
これは私が使うAndroidのタブレットPCの例で、私のタブレットPCは、WordPressの音声入力は未だにできません。
数年前、私は音声入力によるサイトの更新を思い立ち、試したことがあります。そのときは、まだ、WordPressがGoogleの音声入力には対応しておらず、善後策として、Googleドキュメントで一旦音声入力し、そののち、日本語化された文章をWordPressの編集画面にコピーペーストすることを試したりしました。
サイトの更新をする人の中には、音声入力で違和感なく出来ている人もいるでしょう。私はキーボードからの入力の方が自分に合っているように感じ、音声の入力はしていません。
ただ、用途によっては音声入力が力を発揮します。それは、新聞や雑誌などの文章を引用する場合です。これであれば、文章を読み上げるだけで文字になり、非常に便利に感じます。
実際、本コーナーで前回更新した中に産経新聞の記事を引用した部分がありますが、それも音声入力を使っています。なお、サイトの更新で音声入力の更新をする場合は、タブレットPCを使います。
音声入力であれば、自分の声で発したものが文字になるわけですから、キーボード入力より遥かに楽です。長文も苦になりません。
日本最初のカフェは明治44年に銀座にできたカフェプランタン永井荷風は米仏からの帰国の友人達と国を訪れたが思わぬ災難にあってしまう日記断腸亭日乗の大正14年1月16日にその時の思い出を記している摘録断腸亭日乗上下館によるとその日かフーが友人たちと店で歓談していると偶然作家の押川春浪が総司風の男たちと酒を飲んでいたカフー達に気づくと絡んできたカフーは何とか難を逃れた押川春浪18761914は冒険小説作家今で言う SF を書いたしかし歌風には印象が悪かったのだろう日記に書く春朗は暴飲の果てついに発狂し23年ならずして死亡せしなり相当の酒乱だったようだカフェは昭和になって流星した女優によるサービスが人気になったカフーは銀座の人気店タイガーによく出かけたがここでまた酒癖の悪い分子に遭遇してしまった日常昭和2年7月6日このよる分子辻ママ辻潤と称する者よに対して暴行をなさんとす証拠をして暴れ走行して逃げ帰る辻井淳は正しくは辻井淳18084944ダダイストの詩人放蕩無頼で泥酔して警察に保護されたこともあるし精神病院に入ったことも酒場で酒癖の悪い客と出会うことをどう不快なことはないかふうは運が悪かったちなみに荷風は酒は嗜む程度だった
これは昨日の夕方、試しに音声入力したものです。テキストに利用させてもらったのは、『週刊新潮』2020年12月24日号にあった評論家・川本三郎(1944~)の連載コラム「名作コンパス」の文章です。
この回は「酒乱」をテーマに、「荷風がカフェーで遭遇した酒癖の悪い文士たち」として書かれています。
Google音声入力は、「、」は「とうてん」ということで入力できますが、ここでは使っていません。また、「。」は「くとうてん」と発音すると「句、」と変換されてしまい、使えません。
ということで、「、」も「。」がひとつもありません。また、登場人物の生まれた年と亡くなった年、「(上下巻)」も「()」を省いています。
「」や『』も音声入力できませんが、私が気がついていないだけで、便利な方法があるのでしょうか。ついでがあれば、ネットでやり方を探ってみます。
読み間違えて、読み直した箇所が1カ所程度あると思います。
その他は正確に読んだつもりですが、私の滑舌が悪く、誤った変換になっているところがあります。
特徴的なのは、永井荷風(ながい・かふう)(1879~1959)の「荷風」の認識が甘く、「カフー」や「かフー」になっていることです。
私が知らなかった冒険小説作家の押川春浪(おしかわ・しゅんろう)(1876~1914)を正確に変換しているのは見事です。
もうひとりの酒乱気味の文士を、Google音声入力ははじめ「辻潤」(1884~1944)と正しく変換しておきながら、「正しくは辻淳」と訂正した部分で間違った変換をしているのは愛嬌というものでしょう。
なお、「分子辻ママ辻潤と称する者」の部分は、荷風の有名な日記『断腸亭日乗(だんちょうていにちじょう)』に記されたままを川本が「文士辻順と称する者」と「辻潤」を「辻順」と荷風が間違って書いたまま載せ、「順」の脇に、そのままである意味で「ママ」とふったのをそのまま読み、このような変換になっています。
「カフェー」で統一されていますが、私の発音ではすべて「カフェ」に変更されて変換されました。
いずれにしても、これだけの文章をキーボードで打ち込むのは億劫です。多少の誤変換は自分で訂正すれば良く、「、」は「とうてん」で入れられ、「。」は自分でいれれば良いですから、私の場合、文章の引用にはGoogle音声入力が今後とも便利に使えそうです。
私が本サイトの更新に音声入力を使わないのは、考えながら文章を入力しているからでしょう。これが、印刷された文章のように、淀みなく出てくるような人は、印刷された文章を読むように、自分の頭に浮かぶ文章を音声入力でスラスラと入力できるのかもしれません。
これも訓練次第だとすれば、私もそれなりに訓練してみましょうか。