2016/01/13 名が体を表さない公明党

「名は体(たい)を表す」といいます。同じことは政党の名前にもいえるでしょうか。たとえば、公明党の場合はどうでしょう。

この党ができるとき、党名に「公明」をつけたのは、「公平で、不正や隠し立てがない」党を目指したからでしょう。とすれば、公明党という党名は「名は体を表さず」といいますか、実態が名に圧倒的に劣っていることは指摘せざるを得ません。

そもそも、この党は、新興宗教の一団体でしかないはずの創価学会の下部組織に位置づけられる政治団体です。公明党の存在理由は、創価学会を守ることだけと決めつけてしまっても真相からそう離れているとはいえないでしょう。

公明党が最も力を入れる選挙戦が何かご存じでしょうか。国政選挙ではなく、東京都の議員を選ぶ都議会選挙であると指摘されています。公明党を下部に持つ創価学会の本部は東京・新宿区の信濃町にあります。同団体の歴史をネットの事典「ウィキペディア」で確認しますと、昭和27(1952)年に、東京都知事より宗教法人の認証を得、翌年には現在の場所に本部を完成させています。

私はその方面のことは疎いので詳しいことはわかりませんが、宗教法人宗教法人一覧)の資格を持っていれば、通常の活動には税金がかからないとされています。これは、一般企業にしてみれば夢のような話です。どれだけ利益があっても税金はまったく引かれず、利益のすべてを懐に入れておけるからです。

こんな美味しい話は世の中にそうあるものではありません。ですから、この特権を持つものは、それを手放そうとはしません。はじめは宗教法人の資格を守るために体を張る兵隊ぐらいの意味合いで政党を結成したのではなかろうか、となんの証拠も示さずに私は想像してみます。

東京の都心部をぐるりと結ぶ山手線を、東西に横切るように中央本線総武本線がのびています。

両線が信濃町駅に近づきますと、電車の中からも公明党の本部が目に入ります。創価学会の本部は電車からは見えないと思いますが、線路を挟んだ反対側に創価学会の下部組織である公明党の本部があることになります。

これは偶然ではありません。公明党本部は創価学会本部から直線距離にして500メートル以内に収まるそうです。なんでも、公党の建物から一定距離の場所では、街宣車が活動できない取り決めがあるそうで、学会本部を守る意味で今の場所に公明党本部が設けられたとの話を以前知り、合点した覚えがあります。

いってみれば、創価=公明にとり、信濃町周辺は“城下町”ともいえ、“お国”を守る都議会議員選挙は国政選挙以上に重きを置かざるを得ないことになるのでしょう。

また、創価=公明には独特な“闘い方”があります。同党の候補者を立てる選挙区をブロックごとに綿密に分析し、仮に負けそうであるとわかれば、全国から援軍を集めます。そのために“裏の手”を使うことを厭いません。端的に書きますと、住民票の大移動です。

選挙権は国民が有する権利ですが、投票は住んでいる自治体がある選挙区でのみできます。選挙が近づきますと、地元の選管から投票所への入場券が届きますが、これは自治体の住民基本台帳をもとに作成されるのでしょう。基本的にその場所に3カ月以上住むことで、各自治体の基本台帳に載ることになりそうです。

これを、極めて違法に近い創価=公明の選挙対策から見た場合、住民票を移動して基本台帳に記載されるまでの3カ月が勝負の分かれ目となりそうです。

今年の夏に参議院選挙があります。これに合わせて衆議院を解散し、衆参同日選挙を目論む声があると伝える報道があります。これに神経を尖らせているのが創価=公明です。今夏の参院選で、公明党は7選挙区に公認候補を立て、比例の6と合わせて全員の当選を画策しているからです。

参院選に衆院選が加わりますと、人海戦術を採る創価=公明は対応できなくなってしまう可能性が高くなってしまいます。そのあたりの公明特有の事情を、同党代表の山口那津男さんは次のように述べたと、今日の地方紙が報じています。

(仮に同日選となれば)選挙の実働部隊となる支持母体・創価学会の力が分散し、全員当選は難しい。

それはそうでしょうよ。住民票の移動に3カ月の縛りがありますから、こっちで投票して、次はあっちというわけにはいきませんしね。投票戦術が分散してしまうことは否めないでしょう。しかし、こんな裏の事情があるのにそれを公に明らかにできないのですから、公明党という党名に名前負けしているのが明らかです。

また、公明党は選挙の争点に憲法改正が据えられることにも警戒を強めているということです。しかし、これもおかしな話です。いいですか? 選挙のあとを睨んで有権者は任せられる党を選ぶのです。それなのに、選挙が終わるまでは憲法改正の話は後ろへ隠し、終わってから本格化すればいいではないか、というのでは、国民をあまりにも馬鹿にしています。それを創価=公明が自民党に働きかけているというのでは、この点でも公明ではまったくありませんね。

衆参同日選挙になるかは直前までわかりませんが、参院選だけに限ってみても、選挙が近づきましたら、大きな問題を提起したヒト・ピロマー・ウィルス(HPV)ワクチン導入の黒幕が誰だったことは思い出してください。

すでに議員を辞めた元公明党副代表の松あきらさんと、自民党参院議員の三原じゅん子さんです。三原さんは今度の選挙で再選を目指すでしょうが、この問題に関しては、マスメディアが責任の所在をしっかり質すべきです。

私の家では朝日、日経、産経、地方紙の4紙をとっていますが、それらの新聞に毎日目を通していますと、創価学会系の広告がよく目につきます。「聖教新聞」が創価と直結していることは知っている人が多いと思いますが、ほかにも「潮出版」「第三文明」も創価学会直属の出版社です。これらの広告が私の家でとっている4紙にも頻繁に登場します。

逆にいいますと、広告収入も大きな収入源である新聞社にとりましては、創価学会も有力スポンサーになります。それだからでしょうか。自民党には強く迫れても、創価学会の下部組織である公明党には迫り方が非常に甘く感じられて仕方がありません。それが創価=公明の思惑であり、それもあって前世紀末からずっと与党に公明党がいるという信じられない政治状況になっているといえましょう。

創価=公明に私から何か要求できることがあるとしますれば、参院選の前までに公明党として憲法改正にどのような決意を持っているのか明らかにすべきです。選挙に悪影響を与えるからと選挙前はそれを自民に伏せさせ、選挙で大勝したあとに自民と一緒に改正の話を進めるというのであれば、これ以上国民を馬鹿にした話はありません。

また、憲法改正に反対のお考えがあるのであれば、この際、自民党とは袂を分かち、与党の座から去るべきです。後釜は大阪維新の会にでも任せればいいでしょう。この党は憲法を変えたくて仕方ないらしいですから。

公明党さん、この際、与えられた「公明」という党名に恥じない公明な態度で、来たる夏の参院選、もしかしたら衆参同日選に潔く臨んでみませんか?

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