2010/11/22 “尖閣ブーム”を作っているのは誰だ?!

本日も、本コーナーは思いつきの独り語り「気まぐれトーク」の形式にて更新をしています。なお、トークは前日の夜に行っています。

本日分の内容につきましては、音声ファイルでご確認下さい。で、そうされない場合は、下にトークを要約して書き起こしていますので、それをお読みになって、トークのだいたいの流れをご想像下さい。

なお、音声ファイルはmp3方式にて紹介しています。再生箇所は前後に自由に移動させることができる、と思いますので、下の書き起こしで見当をつけ、聴いてみたい部分だけを“つまみ聴き”するようなこともできます。ご自由にお楽しみ下さい(^ー^)ノ

インディの鞭の気まぐれトーク〔2010.11.21〕

トークを要約した書き起こし

前回は朝にトークをした。その時間、いつも聴くラジオの番組が始まる時刻が迫り、途中でトークを一時中断し、そのあとまたその続きのトークをしたりした。合計【40分】ほどの長さになり、それを文章に書き起こす作業に難儀した。

ということで、今回はひと続きにしゃべることができる夜の時間に始めている。このところは歌を忘れたカナリアではないが、道草をすることを忘れてしまったかのように、いきなり本日分の本題に入ることが増えた。しかし、私のことだから、そのうちにまた盛大な道草をし、肝心の本題をすっかり忘れてしまうといったことをやらかすに違いないだろう。

今回の話題も、このところずっと続けて取り上げている尖閣諸島海域であった衝突事件について。

事件以降の動きを思い起こすと、何か特別なことが起こったように報じられ、野党をはじめ、野党に荷担する勢力が与党を徹底的に追及することが続いた。たしかに起こってはならないような事件ではあった。が、事件のあと2カ月経っても騒ぎが収まらないようなことであったのか、と個人的には感じてしまう。

私は「○○ブーム」というのが大嫌いだが、今回のできごとを、意図的に起こされた「尖閣ブーム」と考えてみると、いろいろな動きが見えてくるように思う。

もしも同じような日本の巡視船にどこかの国の漁船がぶつかってくる事故があったとしても、それをマスメディアが積極的に取り上げなかったら、国民がそれに特別注目することもなく、少しすれば忘れてしまったかもしれない。

先週末の19日(金)、自民党の佐藤ゆかり議員の政治資金収支報告書に不備があったことが報じられた。

これがもし、今与党にいる民主党議員であったなら、産経新聞をはじめとするマスメディアや、それに荷担する勢力が一斉に非難の声を挙げただろうと思う。それがなぜか、佐藤議員が自民党議員であるからか(←おそらく絶対そうだからに違いない)、そうした声は盛り上がっていない。

ネットの巨大掲示板「2ちゃんねる」も、この問題をスルーするかのように、やっとひとつのスレッドが立ち上がった程度である。また、日頃、民主党をやり玉に挙げることにやっきになっている言論人や言論人もどきの人も、この問題は見て見ぬふりを決め込んでいる。

そのような態度で中国漁船の衝突事件に対応していたら、もう今頃はそんな事件があったことを多くの国民も忘れていただろうと思う。

ことほど左様に、事を問題にするかしないかの判断は、マスメディアの取り上げ方ひとつにかかっていることになる、のではないだろう。おそらく絶対、今回はその事件をタネに政権を揺さぶりたい勢力が、「尖閣ブーム」が長続きするよう、ブームが下火になりそうになるとすかさず“燃料”を補給するようなことをしたのだろうと思う。

連日報道が続くことで国民はヒートアップし、一部の特別な意図を持つ勢力が過剰な反中感情を煽り、それを政治的に利用した。

反政府勢力がまず攻撃の材料にしたのは、日本の巡視船に衝突した中国漁船の船長の扱い。事件を受け、日本側は船長を逮捕した。しかし、日本側の措置に中国当局が猛反発する事態へと発展した。

そうしたこともあって、逮捕した中国人船長を釈放する判断をした。すると、反政府勢力は一斉に「弱腰外交」と非難合戦を始めた。しかし、同じことが自民党政権で起こったとしたら、今、反政府側に回っている勢力は同じような反応をしたのだろうかと思う。

自民党の谷垣禎一総裁は、早い段階で「騒いで得をするのは中国で、問題を深刻化させないことが一番大事だ。直ちに国外退去させた方が良かった。最初の選択が間違っていた」という見解を示している。

これはこれで、ひとつの見識であると私は思う。前回のトークで、元毎日新聞記者で、「西山事件」とされた西山太吉さんが朝日新聞が今回の問題を取り上げた特集で取材され、次のように述べている。

「弱腰外交だ」とあおり、対中強硬路線や日米同盟強化を声高に主張する勢力がいる。日中関係は日米関係に匹敵する外交の柱。中長期的視野に立ち、様々なトラブルを冷静に忍耐強く乗り越えて共存し、相互依存を確立することは日本にとって死活問題だ。

少し前の私であったら、この西山さんのご意見を素直に受け入れることができなかったかもしれないが、今はすんなり「その通り」と考えることができる。私は、今までの“洗脳”が解けたのだと思う。

しかし、未だに“洗脳”が解けていない人が多く、西山さんのご意見に頷けない人が少なくないだろう。しかし、そのように考え、行動することでどの勢力が得をしているのかについてちょっと考えを巡らせば、そうした“洗脳”をする勢力がなんであるか、気づくときがあるかもしれない。

そうした“洗脳組織”が次に国民に仕掛けてきたのは、“尖閣ビデオ”と称される映像をネットへ流出させる、といった出来事だった。

その新たな展開に移る前までは、政府が衝突を模様を撮影した映像を国民に公開しない判断に対して激しい非難をしていた。なお、その公開されていなかった映像だが、これまでの報道では、合計約【10時間】分ほどあるという話だったが、先週末の金曜日(19日)、海上保安庁が国会の求めに応じて参議院予算委員会に映像に関する資料を提出し、そのことで、衝突とそのあとの立ち入り調査の模様も含め、全部で4本、合計【4時間36分】の映像であることがわかったそうだ。内訳は以下の通り(11月20日付朝日新聞記事より)。

  1. 巡視船「よなくに」から撮影:16分
  2. 同上:29分
  3. 巡視船「みずき」から撮影:2時間12分
  4. 巡視船「はてるま」から撮影:1時間39分

上でも書いたように、自民党の谷垣総裁も「騒いで得をするのは中国で、問題を深刻化させないことが一番大事」と考えたように、国を預かる政権は、そのときどきの情勢に応じ、現実的な対応をするものなのだと思う。それで、反対勢力が強く求めた動画の公開を拒んだ。

そうこうするうちに、政府が映像を公開しないのをいいことに、ネットで根も葉もない噂がまことしやかに囁かれ始める。そして、それを本気で信じる人が少なくなくなっていった。

曰く、中国人船員が猛反撃し、その騒動で日本の海上保安官1名が海に落ち、船のスクリューに書き込まれて殉職した。また、別の保安官は中国漁船の船員に銛(もり)で突かれて大けがをし、病院で亡くなった。ほかに1名が負傷している。その証拠に、石垣島にある葬儀会社が殉職した保安官を納めた棺を運んだ、と写真付きで報じるサイトまで現れた。

この根も葉もない噂を無警戒に信じたのか、あるいはそれを利用して政権を揺さぶりまくろうと企んだのか、石原慎太郎東京都知事は、フジテレビの番組内でこの噂話を視聴者に届けた。

同じように、かつて要職にあって、今も政治的な発言をしている佐々淳行さんは、さらに突っ込んで、テレビ朝日で毎日生放送されている「ワイド!スクランブル」で、「海上保安官が銛で突かれて殉職している」と現実で起こった出来事として話している。

本コーナーでよく名前を出させてもらっているドイツ在住のノンフィクション作家(??)クライン孝子さん(71)もこの噂を頭から信じ、それをメールマガジンで盛んに展開していた。そのような、日本政府に大ダメージを与える場面を含むため、国民に全面公開できないのだ、と。

そのあと、約44分に編集された動画がネットに流出したわけだが、その展開を受け、クライン孝子さんがそれをどう評価したか、彼女のメルマガから紹介しておく。

ビデオの投稿者は、身命を賭して国益を守らんとした海保職員の努力を無にし、 真相さえも隠蔽しようとする日本政府に対し、 自らの職を擲つ覚悟で決断し、怒りをもって真相を暴露したのだ。

(別の日の発言)
(尖閣ビデオ流出で見たビデオだが)その感想は、「見てがっかりした」に尽きる。 予測通り、肝心要な箇所は、ほぼカットされて、まるで子供騙しのようなもので、 私など、これは恐らく政府側の陰謀ではないかと思ってしまった。ビデオ公開の声がこれ以上激しくなって政府=官邸にその怨念と怒りの声が集中するのを回避するために 密かに誰かわからない形で故意にyoutubeに流して国民をなだめようと画策した! どうもそんな気がしてならないからだ

この方は、日本で何か問題が起こると、そのすべての原因を民主党政権にぶつけるという独特な思考をお持ちだ。もうお忘れだろうか。トヨタ自動車がアメリカから猛バッシングされるという由々しき事態が起こった。そのときも、この方は、「民主党政権が日米同盟を蔑ろにしたからこのような事態を引き起こした」といったような“迷推理”を得意になってしていた。きっと、アメリカよりも、中国よりも、なぜか日本の民主党政権が憎くて仕方ないのだろう。

ネットに“尖閣ビデオ”を流出させた「sengoku38」と名乗る人物が特定されるまでは、ネットで様々な推理が行われていた。「sengoku」は、現政権で官房長官を務める仙石由人さんの「せんごく」という見方が大多数だった。問題はそのあとにつけられた数字の意味。これを巡っても、ネットで好き勝手な推理が行われている。

ただ、その人物がわかって取り調べられ、またその後、『週刊新潮』の最新号で、謎だった人物の名前が顔写真と一緒に報じられた。私もその週刊誌を買い求め、手元でそのページを繰りながらトークをしている。

週刊誌に載った人物の写真を見ると、43歳という年齢よりも老けて見える。あるいは、取り調べを受けたため、精神的に疲れていたのかもしれない。無精ヒゲが生えている。この人物については、『週刊新潮』で書かれていることを参考にして、次回以降のトークで取り上げてみようと思う。

週刊誌でその人物が報じられるまで、ネットの掲示板「2ちゃんねる」には、「sengoku38」を異常と思えるまでに英雄視する書き込みが溢れていた。それが、週刊誌がその人物を報じると、その種の書き込みが一気になくなり、スレッドさえが立たなくなった。

また、それまでテレビや新聞が今回の流出事件を盛んに報じていたが、こちらも週刊誌で報道があってからは、ほとんど報じられなくなってしまった。その変わり身の速さが、私には奇妙に思えてならない。

尖閣海域での衝突事件。そして、そのあとに起こった“尖閣ビデオ”流出事件を報じる報道機関は、その報じ方に濃淡が感じられる。中でも最も熱心に、そして「sengoku38」と名乗った人物を英雄視させる方向に誘導するような報道で際立っていたのが産経新聞である。これはおそらく偶然ではないだろう。

“尖閣ビデオ”を流出させた人物を後方支援するかのような紙面を産経新聞はせっせと作っている。この産経新聞が、ネットでこの問題のアンケートを取り、その結果が19日の誌面に載っていた。質問は3つあり、結果は以下のように出たそうだ。

  1. 映像を流出させたとされる海保職員の行動を支持するか
    YES→95%|NO→ 5%
  2. 映像公開を避けてきた政府の対応を評価するか
    YES→ 2%|NO→98%
  3. 政府は今からでも映像を国民に公開すべきか
    YES→98%|NO→ 2%

通常、この手のアンケートは、アンケートを取る側が対象者を無作為に選んで行うものだが、このアンケートは特殊で、「MSN産経ニュース」(産経ニュース)のアンケート・コーナーを通じて希望者が答える形式になっているそうだ。ということは、はじめから産経の日頃の報道姿勢に賛同する人が多くアンケートに進んで答えていることになりそうだ。それにしても、極端な結果である。ちなみに、このアンケートに答えた人は【2万773人】で、うち男性が【1万4822人】、女性が【5951人】だそうだ。

民主党への対決姿勢を鮮明にする活動は、雨後の竹の子のように、ひとつが下火になれば新しい攻め手で攻めるというように、入れ替わり立ち替わり登場してくる。そしてどれもにも協力するというか、裏から動かしているのが産経新聞である。

今日(21日)も、前日にあったという反中デモに“偽装”した反政府デモである「頑張れ日本!全国行動委員会」のデモを、産経はご丁寧なことに一面に写真付きで報じている。このデモは草の根の人々が起こしているデモではなく、チャンネル桜田母神俊雄さんを“客寄せパンダ”に使って行っているものである、と聞く。

ちなみに、田母神さんが沖縄で行ったという講演会を主催した事務所の電話番号が、なぜか、韓国のカルト宗教であり、自民党と関係の深い統一教会の機関誌「世界日報」沖縄支部の電話番号と一緒! という情報を私は目にした。

また、このデモの様子を撮影した写真をネットで見たが、そこにはなぜか似つかわしくない団体の名前が印刷された立て札や、デモを先導するように走る宣伝カーにも同じ団体の名前がある。そこに写る団体名は、新宗教のひとつ、幸福の科学であった。

先週末(13日・14日)に横浜で開かれた「APEC(アジア太平洋経済協力)」首脳会談に合わせても同団体のデモが行われているが、「頑張れ日本!全国行動委員会」のデモの集会場所がなぜか幸福の科学の横浜中央支部であったそうである。なぜに、頑張れ日本!全国行動委員会が、これほどまでに同宗教団体と強く結びつかなければならないのだろうか。まったくもって不可解。

また、そのデモを他紙の追随を許さぬ熱心さで産経新聞が報じていることも奇妙に思える。しかし、「産経新聞の論調が統一教会の機関誌「世界日報」の日本語版とほぼ 同じ」と知ると、それまで謎に思えていたことが謎でなくなる。

小沢一郎元民主党代表を強制起訴に持ち込んだグループのひとりが、元産経新聞の山際澄夫さん。彼は今も書いた「頑張れ日本!」のデモでも演説をするなど、積極的に関わっている。また、クライン孝子さんも、メルマガで毎回「他紙より絶対面白い産経紙購読のお薦め 」と産経新聞を薦める念の入れよう。

すべてが、アメリカ中央情報局(CIA)→ 統一教会→ 自民党(清和会)勢力の指示系統の下に動いていることに気がつけば、合点がいくと思う。日本が中国と仲良くなってしまって困るのはどこの国でしょう。櫻井よしこさんをはじめ、自民よりの論客は、中国を敵視するよう民衆を導いている、ように見える。

そういえば、田中角栄首相が中国との国交を復活(日中国交正常化)させたのが1972年。すると、アメリカ発の「ロッキード事件」がタイミング良く起こり、同年に“角さん”こと田中角栄前首相が逮捕されるという事態へと発展した。これは果たして偶然発覚した疑獄事件だったのだろうか。

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